異文化適応って、聞いたことありますか?〜台湾在住26年目の私が伝えたい「喪失」との向き合い方〜
「異文化適応」という言葉、聞いたことありますか?
心理学の言葉で、新しい文化に自分を合わせていくプロセスのこと。
でも、このプロセスが実は「喪失体験」と深く関わっているという視点は、あまり知られていないかもしれません。
先日、こんな気づきがありました。以前のnoteにも書いたのですが、ちょっとだけ引用させてくださいね。
先日、日本にいる家族から「マンゴー届いたよ〜、ありがとう!」と、連絡が来ました。
その時、ふと気づいたんですよ。
「あ。そういえば私、まだ今年のマンゴー食べてないじゃん!」って。
そう、かつては特別だったマンゴーが、いつの間にか「いつでも買えるし」という日常の風景になってしまった。
これって、心理学でいうと「安定期(適応期)」にあたります。
■ 気づかないうちに「失っていた」もの
私がグリーフケアを学んでいた時、「異文化適応も、喪失のプロセスに当てはめて考えられる」と知ったことが、この分野に深く興味を持つきっかけでした。
私たちは新しい土地に移り住むとき、意識しないうちに、たくさんのものを「失って」いるんです。
母語でニュアンスまで伝えられる、あの心地よさ。
「言わなくても分かる」という、文化的な暗黙の了解。
いつでも会えた、家族や友人との物理的な近さ。等々
ホームシックになったり、理由もなくイライラしたり。
それは「適応できていない」からじゃなく、心と体が「失ったもの」にちゃんと反応している、ごく自然なことなんですよね。
■ 「慣れ」の向こう側にある、温かいもの
マンゴーへの感動が薄れた「慣れ」。
これは、日本にいた頃の「特別な果物への感動」という感覚を失った証拠。
でも、その代わりに「台湾の日常」という、別の新しい感覚を手に入れた証拠でもあると言えます。
喪失と獲得は、コインの裏表みたいに繋がっている。
■ あなたの「気づき」は何ですか?
異文化での生活が長くなると、自分が何を失ったのか、忘れてしまうことがあります。
というか、普通は何を失ったかなんて、いちいち考えながら暮らしてないですよね。
カルチャーショックを感じても、「まあ、知らない文化なんだから仕方ないか」くらいに思うことの方が多いかもしれません。
そうやって、失ったものに気づかないうちに時間が流れて、いつの間にか「慣れて」いく。
それでいい、
それならいいと思うんです。
でも、それが難しい人もいます。
それが、難しい時だってあります。
悩みや辛い時期が長く続いて、
自分ではどうしようもできず、
不満ばかりが増えて、
周りのせいにしてしまう…。
もし、あなたが今そんな状態だとしたら、
一度立ち止まって、自分の心に問いかけてみませんか?
私にとって、最近の気づきの一つが、
たまたま「マンゴーへの感動」だったように、
あなたが失ったものは何?
故郷の匂いかもしれないし、昔よく流れていた音楽かもしれません。
その失ったものに気づき、
そっと心の中で「そっか、私はあれを失くしたんだな」と受け止めてみる。
いつもと違う視点で物事を捉えるだけでも、きっと、心が少し軽くなると思います。
どうぞ、騙されたと思って試してみてください!
■ 最後に
今回は、異文化適応が「喪失」の一つであるという視点から、お話ししてみました。
今後も、この心の変化について、もう少し詳しくお話ししていきたいと思います。
異文化適応は「ハネムーン期」から始まる4つの段階プロセスがあるとされています。
それについて、私の26年の台湾生活で見えてきた景色とあわせて、またシェアさせてもらえたらと思います。
今まさに海外生活を送っている方はもちろん、人生の大きな変化を経験している方にも、何かのヒントになれば嬉しいです。
さて、明日は何を食べようかな。やっぱりマンゴーかな。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
あなたの日常にも、何か温かい「気づき」のきっかけがあれば嬉しいです。 一緒に「自分育て」のプロセスを楽しみましょう🌱
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