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たびたび旅へ|まるとてんの城めぐり[姫路、松本、彦根、犬山、松江]

まる で止めず、てん で止める

心地いい会話は、ずっと聞いていたくなる。声がきれいとか、話の内容がおもしろいとか、そんなことかもしれないけど、それだけじゃない気もする___

文章には句読点がある。てんで少し息をして、まるで止める。でも、心地いい会話は、まるで止めてない。そのまま、するっと次の言葉へ流れていって、てんでひと呼吸。ひとつひとつの文章がぶつ切りにならず、よどみがない。

まるで止めず、てんで止める

よしもとで、しゃべりを堪能

話は変わってしまうけど、お城にもまるがよく使われる。本丸、二の丸、三の丸。堀や石垣で囲われた、防衛の結界をまると呼ぶ。では、人はどこから入るのか。

それは、ほんの限られた、てんのような場所。虎口や門、枡形のような、通る場所が絞られたところ。
まるで止めて、てんを開く___

そうか、お話とお城は逆なのか
まるで止めないお話 と まるで止めるお城

流れる会話は、まるで止めずに心地よく。守るお城は、まるで止めて境界をつくる。どこをつないで、どこを止めるか。人も建築も、案外同じことを考えているんだな、とふと思う。

国宝のお城は5つだけ

最近、映画『国宝』が話題になったけど、日本にどれくらい国宝があるのか、知っている人は意外と少ない。ざっくり言うと、全部で約1000件。そのうち建造物は約200件。寺社仏閣が8割以上を占め、お城はなんと5つだけ。

知名度だけなら、神社やお寺にまったく負けていない。むしろ、日本を代表する建築と言っていい。それなのに、建築を学ぶ中で、お城が中心に語られる場面は意外なほど少ない。

お寺や神社は、いまも祈りの場として使われている。一方で、お城はもう役目を終えた建築となっている。現存するものが少ないのも、理由のひとつかもしれない。

でも、お城は人の動きを誘導し、視線を操作する。ランドスケープであり、巨大な空間デザインでもある。そんな国宝のお城が、たった5つしかないのなら、コンプリートする旅も悪くない。20なら少し気が遠くなる。でも、5つなら行けるかもしれない。

まるで止めるお城を歩きながら
まるで止めない会話をしてみる

そんな旅も、悪くない

姫路城|兵庫

白鷺城の名の通り、圧倒的に白く、美しい城。優雅に見えるけれど、内部はかなり実戦的で、複雑な登城ルートや防御設計が張り巡らされている。美しさと機能が高次元で共存している、日本の城の完成形。


松本城|長野

姫路が白なら、松本は黒。漆黒の外観は重厚で、静かな迫力がある。現存する五重六階天守として日本最古で、平地に建ちながら圧倒的な存在感を放つ。

HPより
HPより


彦根城|滋賀

サイズは大きくないけれど、完成度が高い。無駄がなく、均整が美しい。小さいのに強い、そんな印象の城。


犬山城|愛知

現存する天守の中で最古級。内部に入ると階段の急さに驚く。観光地として見るより、戦うための建築として見たときに印象が変わる城。

HPより
HPより


松江城|島根

5城の中で最後に国宝指定された城(2015年)。現存天守では2番目の大きさを誇り、派手さよりも、どっしりとした渋い力強さが魅力。


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