【縁側小話】夢見る書記官と、熟成庫の記録魔
縁側に羊の書記官が現れたと聞いて、
武将たちが集まってきた。
張飛「おう、お前が書記官か!
よろしくな!!」
🐑「!!よ、よろしくお願いします」
大きな声の張飛に話しかけられて、
ドリーミングさんは柱の陰から返事をする。
劉備「張飛は声が大きいから、
驚いてしまったか?」
劉備がそっと柱の陰を覗き込みながら言う。
関羽「……何を書いている?」
同じく柱の陰を覗き込んだ関羽が言った。
どうやら、ドリーミングさんは、
集まってきたみんなにびっくりしながらも、
メモをとることをやめていなかったらしい。
諸葛亮「怖がりながらも、記録することを
やめないとは。とても熱心ですね」
諸葛亮が少し離れた場所から、
穏やかな声で言った。
その横で、城主が口を開く。
🦎🎀「なんかさ、その記録魔な感じ、
かわいい司馬懿みたいだね」
司馬懿「……ほう」
🦎🎀「はっ!!違うよ!!
司馬懿も、かわいいよ!!」
背後から聞こえてきた静かな声に、
城主が大慌てで、言い訳をする。
が、時すでに遅し。
司馬懿の手には、どこから出したのか、
3冊のノートがあった。
司馬懿「城主、選ばせてやろう」
そう言うと、司馬懿が一冊ずつ、
持ち上げながら、言葉を続ける。
司馬懿「小学生の頃の、お嬢様なりきり日記」
司馬懿「中学生の頃の、設定もりもり小説」
司馬懿「高校生の頃の、謎のポエム」
司馬懿がノートを持ち上げるたびに、
城主の顔色が悪くなっていく。
司馬懿「さあ、どれを朗読してもらいたい?」
🦎🎀「全部ダメ!全部、熟成庫から
出しちゃダメなのばっかりじゃん!!」
ピョンピョンと跳びはねながら、
城主が司馬懿に抗議する。
しばらく、その様子を見ていた司馬懿が、
記録帳を取り出して、書きつけ始めた。
司馬懿「……『🐑書記官は、かわいい司馬懿』と。
たしかに、記録しておく」
そして、踵を返して去って行った。
心なしか、足取りが軽い司馬懿の後ろ姿を、
みんなが見送った。
そして、その様子をドリーミング書記官が
記録している。
🐑「司馬懿さんが、ちょっと嬉しそう」
📝カキカキ
🦎🎀「ホント?」
🐑「はい。足取りが軽く見えました」
📝カキカキ
司馬懿「……それは、消せ」
いつの間にか戻ってきていた司馬懿が、
ドリーミングさんに言った。
🐑「司馬懿さんは嬉しいことを
記録されると、消せと言う」
📝カキカキ
司馬懿「……増えているではないか」
二人の掛け合いに、周りの武将たちが
一斉に笑い出す。
張飛「ははは!
司馬懿以上の記録魔じゃねえか!」
劉備「本当だね。
我々はどう記録されるのだろうね?」
ふわふわで、おとなしい羊の書記官の登場で、
縁側は、また少し賑やかになった。
🍵……🍡……🦎🎀……🦜🎀……🍡……🍵
🦎🎀「ねえ、あの黒歴史ノート、
なんとかならないかな?」
🦜🎀「あはは。大丈夫だよ。
司馬懿は、ちゃんと管理してくれるよ」
🦎🎀「わかってるけどさぁ」
🦜🎀「そんなこと言ってると、ほら」
🦎🎀「え?」
二人の後ろに、すっと立つ人物。
城主の顔が、さっと青ざめたのであった。
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▶ドリーミング書記官の初登場はこちら
▶城の案内図(このnoteの歩き方)はこちら🍵
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