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変態になる方法──「ミクロな史上初」で人生が変わり始める

はじめに──変態は、生まれつきではない

「変態」と聞くと、多くの人は「変な趣味や嗜好を持った人」「変わった人」を思い浮かべるかもしれません。

でも、私が使っている「変態」という言葉は少し違います。

変態とは、自分らしい可能性を楽しみながら探究し、新しい価値を生み出してしまう人のことです。

では、どうすればこの様な「変態」になれるのでしょうか?

答えは意外なほどシンプルです。

それは、「史上初」をライフスタイルにすることです。


■モヤモヤしたら、新しいことを一つだけやってみる

私は以前から、モヤモヤしたら「史上初」に取り組むことをお勧めしてきました。

史上初と聞くと、だいそれたこと成し遂げなければならないと思う方が多いと思いますが。本当にミクロな話で大丈夫なのです。

そして、だたただ「自分史上初」でさえあれば、それで十分。
つまり、「ミクロな自分史上初」でOKであると認識してください。

例えば、

  • 頼んだことのないメニューを注文する

  • 初めて入るカフェに行く

  • 一駅手前で降りて歩いてみる

  • 普段読まないジャンルの本を一冊手に取る

  • 気になっていたイベントへ参加してみる

どれも、大きな挑戦ではありません。

でも本質的に、こうした小さな行動には大きな意味があります。

私たちは普段、同じ道を歩き、同じ人と会い、同じ店へ行き、同じことを考えています。つまり、「ルーティーンを維持するモード」で生活しています。

そこへ一つだけ「ミクロな自分史上初」を入れることで、「探索モード」へのスイッチが入るのです。


■犬も歩けば棒に当たる

「犬も歩けば棒に当たる」ということわざがあります。

私はこの言葉が好きです。

もちろん、昨日と同じ道を歩いていても、何かに出会うことはあるでしょう。でも、新しい路地へ入った犬の方が、棒にも、人にも、景色にも出会う確率は高くなります。

私はこれを、

「セレンディピティの打率を上げる」

と呼んでいます。

偶然そのものをコントロールすることはできません。
しかし、偶然と出会う機会を増やすことはできます。

それは運任せではなく、ライフスタイルなのです。


■「違うメニューを頼み続ける」という新たなルーティーンの罠

ここで誤解してほしくないことがあります。

もし、「毎日違うメニューを頼めばいいんですね。」という理解になってしまったら、それは少し違います。

もし「毎回違うメニューを頼むこと」がルーティーンになったなら、
今度はそこから「でろ」しなければなりません。

これは私が提唱しているDIY(でろ、いけ、やれ)という変態の行動様式の、まさに最初の一歩です。

「でろ」とは、予定調和の外へ出ること。

大切なのは、行動そのものではありません。

探索モードへ切り替わることです。

だから「ミクロな自分史上初」は固定されたメニューではなく、その時々の自分にとっての「予定調和の外側」を選び続けるライフスタイルなのです。


■やってみて、どうだった?

もう一つ大切なのは、必ず振り返ることです。

「やってみて、どうだった?」

実は、大抵のことは「別に普通だった」で終わるかもしれません。
それでも構いません。

でも時々、

「なんだか面白かった。」
「もう一回やってみたい。」
「ちょっとゾクッとした。」

そんな小さな感覚に出会うことがあります。

そのワクワクや違和感こそが、とても大切です。

世界を探索しながら、自分自身も探索する。
その二つは、いつも同時に起きています。


■左手を思い出す

私は思考や行動のモードの違いを、「右手」と「左手」という比喩で説明しています。

そして、ここまでの話を、

「左手の再起動」

だと考えています。

私たちは仕事でも生活でも、右手を使うことに慣れています。

効率。
合理性。
計画。
評価。

もちろん、それらは社会を動かすために欠かせません。

でも、そればかりでは新しい未来は生まれません。

だから時々、効率や合理性という「右手」のブレーキを少しだけ緩めてみる。

そして、左手に主導権を渡してみる。

「今日は左手が面白いと思う方へ歩いてみよう。」
これは訓練ではありません。

もともと持っていた感覚を、もう一度思い出すことなのです。

そして右手の役割は、左手を押さえつけることではありません。

左手が自由に遊び、探索できる環境を整えてあげることです。


■偶然は、人が運んでくる──「秘密基地」で発酵するセレンディピティ

一人で探索することにも限界があります。

新しい人と出会う。
誘われる。
誰かを紹介される。
一緒に何かを始める。

こうした偶然の多くは、人を介してやってきます。

だから仲間づくりもまた、「セレンディピティの打率」を上げるライフスタイルなのです。

私が「秘密基地」を大切にしているのも、そのためです。

秘密基地とは、指示や命令ではなく、自らの興味関心や遊び心を起点にした場所や活動のこと。

そして、偶然が発酵する場所でもあります。

利害関係や肩書きを少し脇に置きながら、安心して左手を動かし、小さな実験を繰り返せる場所。

公式ではないけれど、自分らしく挑戦できるサードプレイスであり、サードプロジェクトでもあります。

そんな場所には、不思議と偶然が集まり、仲間が集まり、新しい物語が生まれていくのです。


おわりに──変態になる方法

もし「変態になる方法」を一つだけ挙げるとしたら、
それは、「ミクロな自分史上初」をライフスタイルにすることです。

ただし、その目的は、単に変わったことをすることではありません。

外側では、偶然と出会う確率を上げる。
内側では、自分の心が何に反応するのかを感じ取る。

私は、この「偶然を呼び込むための行動設計」を、チャンス・オペレーションと呼んでいます。

この言葉は、1950年代初頭にアメリカの音楽家ジョン・ケージが考案し、実験音楽の世界で発展した「偶然を取り入れて作品(スコア)を生成する手法」から着想を得ています。

もちろん、私が目指しているのは音楽をつくることではありません。

人生のスコアを、偶然と共に描いていくこと。
偶然を待つのではなく、偶然を迎え入れられる暮らしをデザインすること。

それが、私の考えるチャンス・オペレーションです。

チャンス・オペレーションと内省。

この二つを毎日の暮らしの中で、左手が主導し、右手が支える。
そんな小さな循環を繰り返していく。

すると、世界が少しずつ変わり始めます。
いや、正確には、自分の世界の見え方が変わり始めるのです。

変態とは、特別な人ではありません。
世界を探索しながら、自分自身も探索し続ける人。
そして、左手の声を右手が応援できる人。

そんなライフスタイルを続けている人を、私は敬意を込めて「変態」と呼びたいと思っています。

もしかすると、新しい価値を生み出す人とは、特別な才能を持った人ではないのかもしれません。

ミクロな自分史上初を楽しみ続けられる人。
偶然を迎え入れる暮らしを選び続けられる人。
そのライフスタイルこそが、未来を更新する力になる。

そして私は、その力は一人ひとりの人生だけではなく、組織を、地域を、社会を、少しずつ変えていくのだと信じています。

変態は、生まれつきではありません。

日々の小さな選択の積み重ねによって、誰もが少しずつ「変態」になっていけるのです。

「お前も変態にならないか?」

最後までお読み頂きありがとうございました☆

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