ひとやすみ(ルームメイト)

 昨日、母(このストーリーのヒロインであるミヨ子)と同居していたおばあさんが亡くなった。

 おばあさんは、母からすると息子の妻(わたしにとって義姉)のお母さん。兄夫婦は同じ家の中で二人のおばあさんのお世話をしていたことになる。同居が始まったのは母が先で、母同様夫に先立たれ一人暮らしだったおばあさんの体調が悪くなったことを機に、通院の利便などを考えて追加の(?)同居を決めたのだった。

 二人のおばあさんの性格はまったく違っていたが、それぞれが自分のペースと生活習慣を守り、病院やデイサービスに通いつつ体調を維持していた。

 おばあさん二人のお世話と聞くと、ほとんどの人が「一人でも大変なのに」と尻込みするだろうが、義姉は「自分のことはある程度できるから介護しているわけではないし、同居しているだけだよ」と超越した感想を述べていた。それでも、おばあさんたちの食事はやわらかめに火を通したり、それぞれの好みに合わせた食材を入れたりと、はた目からは十分以上の配慮を毎日続けてくれていた。

 おばあさんのほうは持病の関係で通院が多く、母より体調管理は難しそうだった。亡くなったのは、今後を考えての予防的な手術に進もうとしていた矢先のことだったらしい。年齢は90歳に届くか届かないかだと思う。いちばん最近では、わたしは昨(2021)年の秋にお会いしたが、お年相応に弱りつつはあるものの、まだまだしっかりされていた。それから半年ほどで何かの変調があったのかもしれない。

 平均寿命よりは高齢で、十分生きたという解釈ができなくもない。晩年の数年を実の娘といっしょに暮らせて幸せだったと考えることもできるだろう。ただ、ご本人はどう感じていたのか。残された者としては、なにがしかのヒントから慰めなり報いなりを得たいところではないだろうか。

 母にとっては「ルームメイト」でもあり、どちらかにもしものことがあったら、残されたほうは気落ちしそうだな、と常々思ってもいた。だから母のことも心配だ。

 母と同居してくださった時間に感謝しつつ、心からご冥福をお祈りします。

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