文字を持たなかった昭和 四十五(どんな人?)

 母ミヨ子の半生を追って、悲しいことに最初の子供が亡くなったところまで書いた

 書いてきて、ミヨ子の人となりは文章から感じてもらえる(かもしれない)としても、外見がわからないとイメージしづらいことに気付いた。何回か、若い頃はけっこう美人だったと書いてもいるが、説得力に欠ける。

 だが、これもすでに触れているように、ミヨ子のものを含むわが家の昔の写真やアルバム類は、実家を取り壊すときに散逸した。ここでは、ミヨ子の見た目をちょっと文章化してみたい。

 若い頃のミヨ子は――わたしの記憶の中の40歳くらいまでとして――身長は150センチを少し超えた程度、比較的ふくよかで体重は50キロぐらいだった〈58〉。ふくよかと言ってもぶくぶくした感じではなかったが、かといって見るからに筋肉質でもなく、ほどよく肉がついている女性らしい体形だった。

 四角と丸の中間のような顔の中には、バランスよく「部品」が並んでいた。比較的平らかな眉は濃くも薄くもなく、その下にはくっきりした二重の目。鼻すじは通っているが鷲鼻ではない。口も、大きくも小さくもない。

 ――と書いてみると、これといった特徴がなく、「近隣で引く手あまた」だったという美形にはとうてい結びつかなくて残念だ。

 手元にある、年を取ってからだがまだ美貌の片鱗が残る写真をスキャンして載せたい、とずっと思っているのだが、なかなか取り掛かれないでいる。いずれ、必ず。

〈58〉90歳を超えたいまは、腰が曲がって背も縮んだ。体重も軽くなり「若い頃は50キロあったんだけどねぇ」というのがミヨ子の口癖だ。

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