シャバに出たら旨いものを食えるように―『ムショラン三ツ星』
・終わりました! いやー小池栄子さん上手いね。
・すっかり社会派枠になったNHK土ドラ。今回はかなりコメディ寄りだったので、若い人が観るにも良かったかもしれない。
・元三ツ星シェフが刑務所の管理栄養士になるという設定。小池栄子さん演じる銀林シェフがなかなかいい味を出している。信念がありつつ気が強い性格…でも、ちゃんと打たれて感情を揺さぶられてくれる。こういう分かりやすい主役像がドラマの内容に合っていた。
・というのは、刑務所には色んな受刑者がいるからだ。それぞれが抱える罪の重さやそこに備わる人格に聡過ぎると、色々と思考を巡らせてしまうことになる。「受刑者に罪を聞いてはいけない」というルールはあるものの、罰を受けにきている彼等に対しては平等に接しないといけない。ただ、目の前にいる”今”の彼等に正面から向き合うことが最も大事なのである。
・私は大切な人を誰かに殺されたりはしていないので、被害者の気持ちも分からない。受刑者については様々な意見があるのは当然だし、自分も何かのきっかけで彼等のことを知ったら考えが変わる可能性はある。
・それでも「理想の社会」というのはフィクションがはじまりであったとしても常に念頭に置いておかないと、心のない管理社会を作ることになってしまうことも事実だ。あくまでドラマ…現実はこんなにうまくはいかないが、食の大切さと、犯罪者を生み出さざるを得ない社会の実情、受刑者の心の内、社会を生きる難しさを全5回ですっきりと無駄なく描いている。とはいえ、全部がきれいごとでもなく、更生の失敗や無理解についてもちゃんと出てくるので、そこはやはりプロットがしっかりしている。
・ムショ飯はまずい方が戻って来なくていいという考えもあるかもしれないが、シャバで頑張って旨い飯を食いたいと思ってくれることの方が理想的に決まっている。人の心を読むことは出来ないが、少しでも更生の意思がある人間には何とかしてあげられるような社会になるといい。
・ところで、役者の玉置玲央さんが重要なキャラクター・川口心平役で出演している。私の好きな劇団柿喰う客のメンバーとして長い事親しんでいる役者さんだが、すっかりドラマ俳優としても名を挙げている。既に朝ドラや大河にも出演されていて、NHKドラマでは重宝されていると見た。いいぞ、いいぞいいぞ!!
・そんな玉置さんの強烈な一人芝居を置いておきます。いいぞいいぞ!!!
