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はじめてのお金で手にしたトランペット

#はじめてのお金 について語ってくださいなという、100円をゲットできるちょっとおもしろそうなコンテストが開かれていたので、のかってみることにした。


憧れのトランペット

小学2、3年の頃から、私は映画が好きで親に「早く寝なさい!」と怒られながらも、よく白黒テレビで映画を観ていた。

小学生の低学年、映画そのもののストーリーは理解できないモノも多かった。しかし、映像のバックで流れてくる効果音、音楽がとてもスキで、映画に夢中になったことを憶えている。

育った家庭は、決して裕福ではなかったが、それでも何枚かの映画音楽が収録されたレコードを手にする幸運に恵まれた。

父親がもらってきた馬鹿デカい木製のステレオを前に、レコードを回し映画音楽に耳をよく傾けていた。

レコード針のノイズと共に流れてくる心地よい音、興奮し夢中になりカラダをゆっくりと揺らしていた。

私を興奮させ夢中にさせた音、それがトランペットの響きだった。

この音に魅了され、すっかりトランペットの虜になり、小学4年生になったとき迷わず ”鼓笛隊”トランペット志望で入部した。


ライバルだらけの鼓笛隊

トランペット志望で入部した鼓笛隊

すぐにトランペットを手にしてプカプカと吹けると思っていた小学4年生の私。世間は甘くはなかった・・・そう、ライバルがうじゃうじゃといたのだ。

学校の楽器を借りて練習することができたのだが、あまりにもトランペット志望者の人数が多かったため、入部したばかりの私には、トランペットを手にする機会は、待てど暮らせど訪れなかった。

そんな中、同級生のひとりがトランペットを吹いているのを発見!
私は、「エッ!入部も同じの同級生がなんで!!」と驚きまくった。

その同級生に、その真相を聞いてみてビックリ!なんと自前の持ち込みのトランペットだったのだ。

学校の借り物ではない、自分のトランペット。

それを聞いた私は、家に帰るなり母親に浴びせるように、こう言った
「トランペット買って!」

「何言ってるの!そんな高価なもの買えるわけないでしょう。どうしても欲しいなら、おこづかいを貯めて買いなさい。」と即却下。。。

こづかいを貯めればイイのか~。ヨシそれならとお年玉に期待をかけた。
しかし、フタを開けてみると・・・


落胆のお年玉

我が家は、正月にたくさんの人が集まるような家ではなかった。
お年玉に期待するほうが間違っていたのだ。

それでも、どうしてもトランペットが欲しかった。
あの憧れの音を早く奏でたい!吹きたい!!

その想いだけで、一生懸命に頭をグルグルと回転させ導きだした答え。
それが、”新聞配達” だった。


初めての労働

期待はずれな お年玉+毎月のおこづかい+新聞配達
これで、トランペットを買おう!

そう決心した私は、新聞配達屋さんへ

しかし、当時小学4年生だった私は、雇ってもらうことはできず
「5年生になったらおいで」と新聞配達屋さんのおっちゃんに言われた。

それから時は流れ、めでたく小学5年生に

速攻で私は、新聞屋さんの扉を叩いた!
おっちゃんが笑顔で、こう言った。「 わかったよ明日、ご両親と一緒にもう一度おいで 」 と優しく言ってくれた。

両親にトランペットが、何がなんでも欲しいことを告げ、新聞配達で得たお金でトランペットを買うことを力強く宣言した。

無事、両親からも新聞配達の許可が下り、小学5年生の憧れと夢を手にするための労働がはじまった。

トランペットのために懸命に配った新聞


嬉しくてたまらないトランペット

小学生5年の冬休みが終わろうとしていた頃、お年玉+毎月のおこづかい+新聞配達で貯めたお金を握りしめて、母親といっしょに行った楽器屋さん。

憧れの金ピカにひかり輝くトランペットが、ショーケースの中に数本並んでいた。

本当は、同級生が持っていたゴールドのトランペットが欲しかったが、当然のようにお金が足りなかった。私は、ヤマハの一番安いトランペットを手にした。

堅く黒いハードケースに入った憧れのトランペット
ついに手にすることができたのだ。

これで、鼓笛隊でも花形のトランペットを吹くことができる!
そのことが、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

しかし・・・

新聞配達で手にした憧れのトランペット


ワクワクが消えた日

私は、鼓笛隊の花形であるトランペッターとして運動会で思う存分に吹けるんだとワクワクしまくっていた。

鼓笛隊での練習でも、毎日トランペットを吹き、本番も目の前というタイミングだった。

突然、中太鼓に欠員ができ、私はそちらに回されることになった。

“え…なんで?”

頭が真っ白に・・・けれど、どうすることもできなかった。

何より辛かったのは、親に運動会でトランペットを吹くと伝えていたこと。

そのために――
真っ白な手袋を買ってもらっていたのだ。

トランペット奏者だけがつける、トランペッターの象徴とも言える
あの“特別な手袋”

私は、言えなかった。

当日、モクモクと中太鼓を叩いた。
親は遠くから私を見つけ、何を思っただろうか。

あの日の“特別な白い手袋”
親に言えず運動会当日まで、トランペットを吹くんだと偽りの笑顔で過ごした時間、今でも、私の記憶の棚にしまわれたままだ。

中太鼓を叩きながら、あの真っ白な手袋をして、楽しそうにトランペトを吹く自分の姿が頭の中で浮かびあがっていた。

演奏が終わったあと、私は親の方を見ることができなかった。

あれは、悔しさ だったのかもしれない。

しかし、
自分の力、小学生だった私が、労働の対価としてはじめて手にしたお金で、憧れのトランペットを手に入れたこと。
それだけは、いまも誇りとして胸に残っている。

トランペッターだけに許された真っ白な手袋


これが、私が初めて他人のもとで労働し手にした
「はじめてのお金」 でした。

あなたの「はじめてのお金」 エピソードも、ぜひ聞かせてください。


最後まで、おつき合いくださり「ありがとうございました。」



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