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【MOOV,products】ものづくりの想いを伝えたい。

※この記事は、2016年11月4日に公開された内容です。

ものづくりの想いを伝えたい。
27年度大阪製ブランド認証製品をご紹介しています。


電子部品という無機質なものに命を吹き込む、現代のジュゼッペ

マサノヴァアート CN-1
トーヨー電子製作所

ちょこんと鎮座する小さなロボット。
よく見れば、そのボディは接続ジャック、両腕・両足はしゃもじのような電子部品でつくられている。
無機質なのに、どこか愛らしい。
つくり手の田中潤さんの実家は東大阪で電子機器の組み立てなどをおこなうトーヨー電子製作所。
気がつけばネジや端子は、いつもかたわらにあった。
おもちゃがわりに遊んでいた部品たちの、プロダクトとしての完成度、その精緻な美しさに気がついた時、マサノヴァアートは生まれた。
たとえ工業部品といえども、その形にたどり着くまでには多くの技術と時間がかけられ、部品ひとつにも物語が秘められている。
機能美に優れた部品をコアに、それに合うパーツを探し、ハンドメイドで組み立て、カタチづくられていく。
部品は無限にあり、その数だけキャラクターは生み出される。
代表作であるCN-1はオーディオジャックに、1ミリほどの細かな穴を開け、腕がつけられ、今にも動き出しそうだ。
無機質な工業部品に、手づくりの温もりと個性が与えられる瞬間。
それはジュゼッペ爺さんが愛を込めてつくりあげた、あのピノキオを思い出させる。

パリの展示会への出展や、関西を中心としたワークショップなどでキャラクターが活躍中。
チャームタイプの商品には、ストラップ&スマートフォン用イヤホンジャックが付属。
ハンドメイドゆえに表情が微妙に異なる。
最近はロボット以外の種類も増え、50種類以上のキャラクターが登場。

シンプルにして饒舌な名刺入れから見えるもの

Business Card Holder 2Pockets
シームレス名刺入れ2ポケット
合同会社アルルカンプロダクト

「自らも用いたき器を作るべし」。
これは民藝運動の創始者・柳宗悦の言葉だ。
アートディレクターのゴトウシュウ、プロダクトデザイナーのミナミヒロナリによる「アルルカン」は、そんな民藝的アプローチに工業デザインの量産的手法と遊び心を融合。
デザインと製造・価格のバランスの取れたものづくりをおこなっている。
こちらのシームレスラインは、ゴム70%・革30%のハイブリッドレザーを使用。これは革素材を裁断する際に出る革屑を、リサイクルしたもの。
しっとり、すべすべとした革とゴムの質感を併せ持ち、革のようなエイジングも楽しめる。
この素材を前に、手を使って何度も試作しながらたどり着いたのは、極めてシンプルなフォルム。
素材の持つソリッドな質感を活かすために、削ぎ落とせるものは、すべてを削ぎ落とした。
この素材は切っても繊維のほつれがなく、革製品に求められるコバの処理も不要。
工程も一枚の展開図を組み立て接着するだけ、とミニマムさを極める。
「一生活者のまなざし」を大切にしてデザインと向き合った結果、本当に細かい所までつくり込みながら、使う人を緊張させることなく、日常のよく働く道具として、価格的にも完成された逸品となった。

同ブランドの商品展開も増えている中、名刺入れの縦型が新発売。
60枚収納・4600円(税別)
利き手を選ばない、約60枚収納の2ポケット名刺入れ。
インナーは普遍的な柄を、少しずらすことにより見えてくる遊び心をグラフィック化。
グレー生地はダイヤパターン×白・黒・黄色・ピンクの4色。
ブラウン生地はドットとストライプの2柄×白・黒の2色展開。

手帳にはさんで女子力UP!1.8mmの超薄型はさみ

手帳ばさみPocke
アルスコーポレーション株式会社

外出先でちょっと気になる記事を切り抜いたり、ほつれた糸、毛玉を処理して、身だしなみを整えたり。
あるいは洋服のタグや包装を切りたい時、手帳からさっとはさみを取り出せると便利。
そんな携帯用のはさみはコンパクトさが魅力だが、同時に小さすぎて扱いにくいという悩みもある。
そんな相反する問題を解決したのが、刃物の新しいカタチを提案してきたアルスの、1.8mmの超薄型はさみ「Pocke」。
この薄さを実現したのは、刃をつなぐのにリベットやネジを使わず、出っ張りを解消する“カシメ特殊機構”。
「Pocke」は板そのものに凹凸をつけ、はめ込み組立てることで刃と刃を連結。さらに刃には、高枝鋏で実績のあった「つかみ機構」がつけられ、切り屑は刃先で挟んでそのままゴミ箱へ。
こうして「切る」「つかむ」の機能を両立させた、商品が誕生した。
専用のデコレーションシールがついて、自分だけのマイばさみとしても楽しめる。
ちなみにこの“カシメ特殊機構”は、創業者である前名誉会長が開発したもの。
カワイイと実用性を兼ね備えたこのアイテムにも、ものづくりのDNAが流れているのだ。

百貨店の催事に参加したり、大阪歴史博物館のミュージアムショップでも販売しています。
「ポケットの秘書」として手帳だけでなく、
いろいろなところに忍ばせ、急な出番にスッと取り出せる。
女子社員が使用するシーンを提案し合うことで、販売ターゲットを明確にしていった商品だ。

受け継ぐものと創り出すもの モダンな感性で、唯一無二の輝きを

たくみ切子 / 盃「あじろ」
切子ガラス工芸研究所 たくみ工房
切子ガラス専門店「切子専科」

時を忘れて眺めていたい、美しい切子の数々。
繊細なカットが光をまとい、幻想的な世界が広がる。
江戸時代中頃、長崎に伝わったガラス製造の技術は、大阪を経て江戸へ。
切子は江戸において「江戸切子」として繁栄したが、当時大阪でもカットグラスが作られており、大阪の業界より刺激を受けていたといわれている。
江戸時代末期には薩摩藩が、透明ガラスに色ガラスを重ねて作った生地にカットを施した「薩摩切子」を生み出すが、幕末の動乱で瞬く間に失われてしまう。
技術と美術的価値から珍重された薩摩切子を蘇らせた技を駆使しつつ、切子の未来への潮流を生み出そうとするのが、高橋太久美さん率いる「たくみ切子」だ。
分厚い色ガラスが表面に被せられた“色被せガラス”を、慎重に丁寧に削ることで、幽玄な味わいを持つ絶妙なグラデーション「ぼかし」を生み出す。
仕上げの工程では、木盤やコルク盤で丹念に手磨きを施すことで鋭いエッジが得られ、切子が一層輝くのだ。
「あじろ」は、お茶席で見た天井の葦寄せ仕上げから着想を受け、切子ガラスにほかの伝統工芸の味わいを取り入れた、モダンな逸品となっている。

生野区の工房入り口に切子専門店がOPEN!
オリジナルのたくみ切子や薩摩切子も買える。
“ガラス発祥の地・大阪でぜひ切子を復興させたい”
技の継承が困難な中でも、たくみ工房では次世代を担う職人が活躍している。
今年工房に併設する切子専門店もオープンした。

■MOOV,press vol.18 記事一覧


■スタッフ
チーフエディター
浅野 由裕 (株式会社ファイコム)

エディター
阪本 聡子 (株式会社ファイコム)

アートディレクション
前田 敏幸 (株式会社ファイコム)

アシスタントデザイナー
斎藤 友加里(株式会社ファイコム)

フォトグラファー
北尾 浩幸

ライター
町田 佳子

プリンティングディレクター
野村 いずみ (有限会社山添)


■発行
MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)
大阪府商工労慟部商工振興室ものづくり支援課
〒577-0011 東大阪市荒本北1-4-17(クリエイション・コア東大阪内)
【TEL】06-6748-1011 【FAX】06-6745-2362
2016年11月4日発行


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