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国際系中高一貫校選びの考え方-学校説明会を回る中で見えてきたこと

 英語教育に重きを置いた学校選びを進める中で、複数の学校説明会に足を運んできました。
 本稿では、その経験をもとに、学校説明会を通じて見えてきたことや、
学校選びをどのように考えていったのかについて整理しています。


〇 最初の説明会は、東京私立中学合同相談会でした。

 学校説明会には、息子が5年生の2024年4月から行き始めました。
 約2年間で訪れた学校は11校、延べ参加回数は25回になります。
 対象とした学校は、帰国生/国際生入試がある学校です。

 まず最初に参加したのは、東京国際フォーラムで行われる合同相談会でした。
 多くの学校の話を一度に聞ける貴重な機会ではありますが、
会場では多くの来場者が各学校のブースに集まっていて、落ち着いてじっくり話を聞ける環境ではないため、
 その場だけで各校の良し悪しを判断したり、詳しい内容まで深く理解したりすることは難しいと感じました。

 一方で、確認したい点をあらかじめ絞っておけば、多くの学校から同じ視点の情報を1回で集めることができる場でもあります。

 私の場合は、「英語以外の主要教科を英語で行っているか」という点に絞って、気になる学校を回って確認していました。
 そして、単に yes / no の回答を聞くだけではなく、
なぜその形を取っているのか、どのような考え方で運用しているのか、
実際にどのように行われているのかといった背景まで、できる限り聞くようにしました。

〇 各学校の説明会への参加

 その後は、各学校が行う説明会や学園祭などに足を運びました。

 最初は、特に明確な基準があったわけではなく、
「どんな学校なのだろう」という興味からスタートしています。

 渋谷教育学園幕張中学校を皮切りに、さまざまな学校を見て回りました。
 説明会などに参加し学校は、次のとおりです

 渋谷教育学園幕張中学校、かえつ有明中学校、芝国際中学校、三田国際学園中学校、広尾学園中学校、広尾学園小石川中学校、文化学園大学杉並中学校、開智日本橋学園中学校、サレジアン国際学園中学校、サレジアン国際学園世田谷中学校、上野学園中学校

〇 学校説明会を通して変わっていったこと

 最初の頃は、どの学校も魅力的に見えていました。
 国際系中高一貫校というだけで、「英語に力を入れている学校」という共通のイメージを持っていたように思います。

 また、学校を見る際にも偏差値や進学実績といった、
目に見えやすい情報を中心に見ていました。

 しかし、説明会に何度も足を運ぶうちに、少しずつ見え方が変わっていきました。

 最初は説明内容そのものを中心に聞いていましたが、次第に、

・説明をする先生は、自身の考えを自分の言葉で語っているのか
・説明会の進行を手伝う生徒たちに対して、先生方がどのように接しているのか

といった部分にも、自然と目が向くようになっていきました。

 また、会場の設営や案内の仕方、教職員の動きといった
説明会の運営そのものにも、
その学校らしさが表れているように感じるようになりました。

 さらに、説明会では、生徒がステージ上で話をしたり、学校案内を担当したりすることもあり、
 そうした場での生徒の言葉や態度から、彼らが学校をどのように思っているのかが、自然と伝わってくることもありました。

 また、説明会後の個別相談には、積極的に参加してなるべく多くの
先生方と話をするようにしました。
 そして説明会の説明内容への質問に加えて、次のような点を見ることを意識するようになりました。

・どんな先生がいるのか
・先生一人ひとりが、学校の理念や教育方針をどのように理解しているのか
・説明会で語られた内容が、実際にどのように現場で運用されているのか

 同じ学校でも、複数の先生と直接話をすることで、
全体説明では見えにくい学校の雰囲気や、組織の一体感のようなものも、
少しずつ感じ取れるようになっていきました。

〇 英語教育について感じ始めたこと

 説明会に参加する中で、もう一つ気になり始めたことがありました。
 
 それは、「国際系」「英語教育」といっても、
学校によって考え方や学び方が、
かなり異なっているように感じられたことです。

 当初は、「英語に力を入れている学校」であれば、
似たような教育をしているものだと思っていました。

 しかし実際には、

 ・英語の授業のみ英語「で」学ぶ学校
 ・一部の他教科も英語「で」学ぶ学校
 ・主要教科も含めて英語「で」学ぶ学校
 など、
 学校によって英語の位置づけや使い方にはかなり違いがあるように感じました。

 そして、その違いは単に「英語で授業をしているかどうか」といった表面的なものではなく、
 学校ごとの考え方や教育の方向性にも関わっているように思えました。

 ただ、こうした違いは最初から整理された形で見えるわけではありませんでした。
 説明会に参加し、個別に話を聞き、複数の学校を比較していく中で、
少しずつ「学校ごとにかなり違うのではないか」と感じるようになっていったのです。

〇 学校選びで意識するようになったこと

 こうした経験を重ねる中で、学校選びについても、少しずつ見るポイントが変わっていきました。

 最初は、実績やカリキュラムなどの分かりやすい情報を中心に見ていましたが、
 それだけでは見えてこない部分もあるように感じるようになっていきました。

 また、英語教育についても、単に「英語取り出し授業があるかどうか」だけで判断するのではなく、

 ・どのような形で英語を使っているのか
 ・どのような考え方で運用されているのか
 ・その学びが実際にどのようにつながっていくのか
 まで、含めて見ていく必要があるのではないか、と考えるようになっていきました。

 複数の学校を見ていく中で、
 学校ごとの違いは、表面的な情報だけではなく、
実際の雰囲気や教育の考え方にも表れているのではないか
――そんな感覚を持つようになっていったように思います。

〇 見てきた学校の印象

 実際に見てきた学校について、
「良いと感じた点」と「違和感を覚えた点」に分けて整理しましたが、
本稿では「よいと感じた点」のみを記載します。

 なお、ここに記載する内容は、あくまでも私個人の主観によるものであり、感じ方には個人差があることをご理解ください。
 また、一年以上前の情報も含まれるため、現在の状況とは異なる可能性があります。

① 渋谷教育学園幕張中学校
良いと感じた点

・校長先生の姿勢に終始、謙虚さが滲みでていて、お話しの内容も自身の言葉で語られており説得力があった
・経験に裏打ちされた教育観が感じられ、その言葉の一つひとつに重みがあった
・「自調自考」の理念について丁寧な説明があり、その考えが学校全体の進むべき方向として明確に示されていることが伝わってきた


② かえつ有明中学校
良いと感じた点

・英語を使い、対話と思想まで踏み込ませる設計型の英語取り出し授業がある
・現場の先生方の実行力や研究姿勢が非常に高いと感じられた
・広いグラウンドや体育施設など、学習環境が充実している


③ 芝国際中学校
良いと感じた点

・主要科目を含む、ほぼ全ての授業を英語で行うAdvanceコースがある
・新しく清潔感のある校舎で、空間設計も開放的

④ 三田国際学園中学校
良いと感じた点

・主要科目を含む、ほぼ全ての授業を英語で行うICコースがある
・未来志向の教育方針が明確で、一貫したメッセージがある
・生徒のプレゼンテーションや紹介から、一定の水準の高さを感じた

⑤ 広尾学園中学校
良いと感じた点

・主要科目を含む、ほぼ全ての授業を英語で行うAGコースがある
・全体として安定感のある運営と教育方針
・駅からのアクセスが非常に良く、周辺環境も落ち着いている

⑥ 広尾学園小石川中学校
良いと感じた点

・主要科目を含む、ほぼ全ての授業を英語で行うAGコースがある
・広尾学園の教育システムが共有されている
・説明会での生徒の英語スピーチから、強い思いと熱量が伝わってきた
・校長先生の手書きメッセージなど、丁寧な関わりが印象的であった
・駅からのアクセスが非常に良く、周辺環境も落ち着いている

⑦ 文化学園大学杉並中学校
良いと感じた点

・主要科目を含むほぼ全ての授業を英語で行うDDコースがある
・データに基づいた説明で、成長実績が分かりやすい
・個別説明の運営が工夫されており、組織的な対応力を感じた
・教職員全体で説明会を作り上げている一体感があった

⑧ 開智日本橋学園中学校
良いと感じた点

・新しい校長先生のお話しは、海外での実務経験を背景に、社会で求められる力を見据えた教育の在り方が語られており、説得力を感じた
・駅からのアクセスが非常に良い

⑨ サレジアン国際学園中学校
良いと感じた点

・主要科目を含む、ほぼ全ての授業を英語で行うAGコースがある
・学園長の話から、20〜30年後の社会を見据えて教育を設計していく明確な未来像と思想を感じた
・英語教育の責任者の方の姿勢・人柄・実行力が非常に印象的であった
・宗教の授業があり、世界の思想や価値観に影響を与えてきた背景に触れられる点で価値を感じた
・防災体制の構築をはじめ新校舎建設などから、将来を見据えた教育環境へ取り組む強い姿勢を感じた

⑩ サレジアン国際学園世田谷中学校
良いと感じた点

・サレジアン国際学園の教育システムが共有されている

〇 説明会を通して見えてきたこと

■ 学校ごとの差を決めるもの

 こうして各校の説明会を振り返ってみると、
 学校ごとの違いはカリキュラムや設備といった表面的なものだけではなく、もっと根本的な部分にあるように感じました。

 それは、「どのような人がその場に立ち、どのような姿勢で言葉を発しているか」という点です。

 同じように理念を掲げ、同じように国際教育をうたっていても、
それを語る人の言葉が自分の中から出ているのか、それとも用意されたものなのか。

 生徒に向けるまなざしに、温かさや誠実さがあるのか。

 それによって受け取る印象は大きく変わりました。

■ 英語教育の違いから見えてきたこと

 また、学校説明会を通じて見えてきたのは、英語教育のあり方にも明確な違いがあるということでした。

 英語で授業を行うかどうかといった表面的な違いだけでなく、 
その背景にある設計思想や運用の考え方によって、
実際の学びの質は大きく変わるように感じました。

 特に印象的だったのは、
「英語で授業をしている」という同じ表現であっても、
その中身が大きく異なる点でした。
 
 ・英語を一部の授業で使用するにとどまるのか、
 ・主要科目を英語で学ぶ環境が整えられているのか
といった違いは、単なる形式の違いではなく、
 その学校が英語をどのように位置づけているかという
設計思想の違いとして現れているように感じました。

 説明会を重ねる中で、こうした違いを少しずつ整理できるようになり、
英語教育についても表面的な言葉ではなく、
その背景にある考え方まで含めて見ていく必要があると感じるようになりました。

■ 最も印象に残った学校

 今回の学校説明会を通じて、強く印象に残った学校は2校です。

◎ 人の力を強く感じた学校
 一つは、サレジアン国際学園中学校です。
 この学校で特に印象に残ったのは、カリキュラムや制度以上に、
そこに立つ先生方の姿勢でした。
 中でも英語教育を担う先生の在り方は非常に印象的で、
言葉だけでなく行動からも
「どういう生徒を育てたいのか」という意思が伝わってきました。

 説明の内容というよりも、
・生徒への向き合い方、
・現場での動き方、
・そして教育に対する責任感のようなものから、
この学校の方向性が自然と感じられたのです。

 「人を見れば、その学校が見える」という視点を最も強く実感したのが、この学校でした。

◎ 教育の完成度と確実な成果を感じた学校
 もう一つは、広尾学園および広尾学園小石川中学校です。
 
 こちらは、教育の仕組みそのものの完成度と、その成果に強い印象を受けました。
 主要教科を英語で学ぶイマージョン型の教育の体系が完成された形として機能しており、
 海外大学への進学実績という形で、明確な結果が出ている点は大きな特徴だと感じました。

 また、説明会での生徒の英語でのスピーチも非常に印象的でした。
 私は内容を正確には理解できませんでしたが、
それでも話し方や立ち振る舞い、身振り手振りを含めた表現全体から、
自然と引き込まれるものがありました。
 単にスピーチが上手いというよりも、自分の言葉として語っている感覚、
そしてそこに込められた熱量のようなものが伝わってきたのです。

 その姿を見て、「こういう成長の姿があるのか」と感じたことは、 強く印象に残っています。 

◎ 二つの印象から見えたもの  
 この二つの学校は印象に残った理由こそ異なりますが、
 いずれも説明の言葉だけではなく、 

実際の姿として学校の方向性を感じることができた点が共通していました。

〇 国際系中高一貫校を見る二つの視点

 説明会を重ねる中で、自分が学校を見るときに大切にしていたことも、
少しずつはっきりしてきました。
 最後にもう一度整理すると、私が見ていたのは、次の二つだったように思います。

① 人を見る視点

 どのような人がその場に立ち、どのような姿勢で言葉を発しているのか。
その言葉が、その人自身の考えとして語られているのか。
 また、先生は生徒に対してどのように接しているのか。
そうした部分から、その学校の空気や価値観が伝わってくることがありました。

② 教育の実態を見る視点

 英語教育がどのように設計されているのか。
そして、それが実際にどのように運用され、生徒の学びにつながっているのか。
 同じ「英語教育」を掲げていても、その中身は学校によって大きく異なることを実感しました。

 こうして説明会を重ねる中で、学校を見る視点は、
少しずつ「表面的な情報」から、
その奥にある「人」と「教育の実態」へと変わっていったように思います。

〇 最後に、もう一つ気になっていたこと

 ここまで書いてきたことは、主に教育という枠の中で見た学校選びについてです。

 一方で、説明会を回る中で、私が個人的に気にしていたことがもう一つありました。
 ただし、これは国際系中高一貫校に限った話ではなく、すべての学校選びに関わることです。

 それは、防災という視点、特に首都直下地震に対する安全です。 

 実際に、学校説明会の場において、ある学校を除いて、地震への対応について触れる学校はありませんでした。  

 多くの方が、ご存じのとおり首都直下地震は、近い将来に高い確率で発生すると言われています。  

 子どもたちは、自宅から離れた学校で多くの時間を過ごします。  

 私は、その学校の教育に関することだけでなく、  
  ・学校はどのような場所に建っているのか  
  ・子どもたちをどのように守ろうとしているのか  
                  といった点も気になっていました。 

 もちろん学校選びの中心は教育です。  
ただ、学校は子どもが一日の多くの時間を過ごす場所でもあります。  
 
そのため私は、教育の点だけでなく、
首都直下地震があった時の安全という視点についても、

学校選びの中で、考えておく必要があるのではないかと思っています。


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