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主幹事証券のIPO銘柄の配分方法


 証券業界のIPOの闇を取り上げてほしいとのリクエストがありましたので、この記事ではこのテーマについて説明したいと思います。

 一年ほど前の動画を記事にしたものです。主幹事証券はIPO銘柄をどのように配分するのでしょうか。IPOの闇、ご覧いただけたらと思います。今後ともよろしくお願いいたします(TeamモハP)。

はじめに

 はじめにお伝えしておきたいのは、私自身、かつて証券会社で個人営業をしていた経験があるという点です。

IPO銘柄をめぐる駆け引き
 また、IPO銘柄(新規上場株)の購入を希望する顧客について、家を見てくるよう指示されることがありました。

証券マンの実態と私の経験

 そのため、IPOの闇についてある程度の知識があります。ただし、私が見聞きした情報は20年以上前のもので、最近の具体的な状況については、直接知っているわけではありません。

IPOとは

 IPOは、「Initial Public Offering」の略で、新規上場を意味します。具体的には、これまで創業者や特定の投資家だけが所有していた株式が、取引所を通じて一般投資家に売買されるようになることを指します。このプロセスの中で、企業は新たに株式を発行して資金調達を行います。

株式公開(IPO)(かぶしきこうかい)
IPO(Initial Public Offeringの略称。)ともいいます。株式会社がオーナーなど少数の株主により所有され、自由な株式譲渡が制限されている状態(未公開会社)から、金融商品取引所市場への上場によって不特定の多くの株主により所有され、株式市場において自由に売買が可能となる状態(公開会社)となることを株式公開といいます。

日本取引所グループHP

 新規発行される株式は「幹事会社」と呼ばれる証券会社によって販売されます。幹事会社は複数存在しますが、その中でも中心的な役割を果たすのが「主幹事」であり、主幹事の証券会社が大部分の株式販売を担当します。
 
そのため、IPO銘柄に投資したいと考える場合は、主幹事を務める証券会社に口座を開設する必要があります。

IPO銘柄の利益構造

 IPOの特徴として、上場前に設定される「売り出し価格」と、上場後に市場で初めて取引される「初値」の間に価格差が生じることが多い点が挙げられます。一般的に、初値は売り出し価格よりも高くなる傾向があります。これは市場環境や銘柄に依存しますが、投資家心理が極端に冷え込んでいる状況でなければ、初値が売り出し価格を上回るケースが多いです。
 そのため、IPO銘柄は「利益を得る可能性が高い投資対象」として注目されることが多くなっています。

IPOの配分における「闇」

 ここで問題となるのが、この「儲かる可能性の高いIPO銘柄」を誰が購入できるのか、という点です。主幹事証券会社に口座を開設して申し込みを行ったとしても、必ず購入できるわけではありません。

ネット証券の抽選方式

 ネット証券では、比較的公平な抽選方式を採用している場合があります。しかし、当選確率は非常に低く、数パーセント未満と言われています。

大手証券の抱き合わせ販売

 一方で、大手証券会社では、IPO銘柄の配分に際して「投資家のリスク許容度や適合性を十分に考慮する」と説明していますが、実態としては「抱き合わせ販売」が問題となっています。
 
具体的には、「儲かる可能性の高いIPO銘柄を配分する代わりに、高リスク商品である仕組債やファンドラップを購入する」という条件を提示されることがあります。このような取引形態は、20年以上前から存在しており、私が証券会社で働いていた頃も見られました。

証券会社内部での配分の実態

 私が経験したケースでは、IPO銘柄を配分する際、営業担当者が顧客から得られる見返り(購入する可能性のある商品など)を上司に報告する仕組みがありました。その後、部署全体で見返りが最も大きくなるように配分先が決定されるという流れでした。
 現在、このような仕組みがどれほど明示的に行われているかは不明ですが、基本的な構造は変わっていないと聞いています。

規制とその限界

 IPOの配分に関する問題は、過去から繰り返し指摘されています。2000年代には、日本証券業協会が「新規公開株の顧客への配分のあり方に関するワーキンググループ」を設置し、透明性と公平性を高めるための報告書を発表しました。
 しかし、私が証券業界にいた当時、こうした取り組みが実際に業務に反映されているとは感じられませんでした。現在も状況が大きく改善されたとは言い難い状況です。

昨今の新規公開株の人気化の過程において、個人投資家を中心として、当該新規公開株の配分について、配分の過程が不透明であり、一部他商品との抱合せ販売といった不公正な配分が行われている等の批判が多く寄せられているところであり、これを受け、本協会では、「新規公開株等の顧客への配分のあり方に関するワーキング・グループ」を設置し、検討を行って参りました。

日本証券業協会HP

 IPOはその性質上、投資家が大きな損失を被るリスクが低いため、証券業界の中でも優先度の低い問題と見なされがちです。しかし、このような不透明な配分が続くことは、市場全体の健全性を損ない、長期的には投資家の信頼を失う可能性があります。

今後に向けて

 これまでも、金融業界のさまざまな問題について取り上げてきました。今回のIPOに関する問題も、その一環として取り上げています。金融業界の透明性を高め、市場全体がより健全に発展することを願って、今後もこのようなテーマについて発信していきたいと思います。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。


ご参考(機関投資家記事のまとめ)

■ 宗教法人と金融機関の意外な関係(2023/5/12)
■ 機関投資家の「騙し」について(2024/9/18)
■ ブラックロックのAladdinと資産運用会社のシステムの話

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