社外取締役がいるから安心という幻想「日本企業のガバナンスは本当に機能しているのか」
馬渕磨理子氏が横浜フィナンシャルグループの社外取締役に就任することが話題になっています。経済アナリストとして知名度があり、SNSでも大きな発信力を持つ人物です。今回の就任については、歓迎する声がある一方で、「社外取締役として本当に経営を監督できるのか」という疑問の声も出ています。

私はこの件について、馬渕氏個人が適任かどうかという人物論だけで終わらせるべきではないと思っています。なぜなら、この問題の本質は一人の社外取締役候補者にあるのではなく、そもそも日本企業における社外取締役制度が本当に機能しているのか、という大きな問いにつながるからです。

社外取締役という言葉は、上場企業のガバナンスを語るうえで当たり前のように使われています。しかし、社外取締役がいることと、社外取締役が機能していることは、まったく別の話です。企業で不祥事が起きるたびに、私たちは「社外取締役は何をしていたのか」と感じます。会計不正、品質不正、個人情報流出、ガバナンス不全。ニデックにも、社外取締役は存在しています。つまり、社外取締役の人数や肩書きだけを見ても、その会社のガバナンスが本当に機能しているかどうかは分かりません。むしろ、形式だけが整っていることで、投資家や社会が「この会社はきちんと監督されている」と誤解してしまう危険すらあります。
この記事では、馬渕氏の就任を入口にしながら、そもそも社外取締役とは何のために存在するのか、会社法上どのような責任を負うのか、海外と日本では何が違うのか、そして投資家は社外取締役をどう見ればよいのかを考えたいと思います。
社外取締役の本質は助言ではなく監督
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