フォルクスワーゲンの決算書に見るドイツ経済の苦境「中国・EV・米国関税に揺れる巨大企業の現在地」
今回の記事では、フォルクスワーゲンの2025年決算と2026年3月期の四半期報告書の分析の結果を解説したいと思います。きっかけは、読者の方からいただいたドイツ経済に関するご質問でした。
エネルギー価格が世界中で上昇しているのに、なぜドイツでは影響が小さいのか。
ご質問に対して、私は「ドイツ景気の弱さが表れた結果ではないか」と回答しました。エネルギー価格そのものは上昇していますが、それ以上に景気の弱さによる需要不足の影響が大きく、企業が十分に価格転嫁できていない可能性があります。
実際に、最近のドイツでは景況感や生産関連の指標も弱いものが目立っています。それでは、ドイツを代表する企業は今どうなっているのでしょうか。日本であればトヨタ自動車を見に行くところです。ドイツには多くの世界的企業がありますが、まず思い浮かんだのはフォルクスワーゲンでした。

実は私は2024年にもフォルクスワーゲンの決算書を分析しています。当時のテーマは、2024年9月に報じられた国内工場閉鎖を決算書から予見することができるかでした。
決算書を読むと、人員削減のためのリストラクチャリング費用や工場閉鎖の可能性を示唆する記載が見つかりました。そして何より印象的だったのは、中国市場との関係です。販売台数や決算書の記載内容を追っていくと、フォルクスワーゲンがいかに中国市場を重視している企業なのかが見えてきました。
その後、工場閉鎖は現実となりました。
それでは現在のフォルクスワーゲンはどうなっているのでしょうか。工場閉鎖や人員削減によって問題は解決したのでしょうか。今回、2025年決算と2026年3月期の四半期報告書を確認したところ、想像以上に厳しい現実が見えてきました。
財務分析の方針
今回も過去の財務分析記事と同様に、できるだけ実際の流れと目線の動き、私が何を見て、何を考えたのかをそのまま記載したいと思います。単なる決算解説ではなく、ドイツを代表する企業の現在地を一緒に確認しましょう。
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