楽々古事記【27】Wの悲劇
最初から読みたい方は、
楽々古事記の一覧マガジン
からどうぞ。
本題に入る前に、今回の登場する神様、
・天照大御神(アマテラス)
・天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)
・天之菩卑命(アメノホヒ)
の関係を誓約図で振り返ってみてください。
図① 誓約図

それでは本題に入ります。
天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)
大国主神(オオクニヌシ)が、葦原中国(あしはらのなかつくに)を平定すると、それを聞きつけた天上界の天照大御神(アマテラス)が、なにやら大きな決定をしたようです。
アマテラスが息子オシホミミを呼び出しました。
「オシホミミ? チョットこっちに来てん」
「母ちゃん、どしたん?」
「お前さぁ、地上界に降りて、国譲りの交渉してくれんやか? 葦原中国は私らが治めんといかんのよ」
「オレが地上界に降りて、大国主神に葦原中国を譲れっち言うと?」
「そ」
「なんでオレなん?」
「一応、お前は誓約で生まれた私の長男やろが…。やけん、お前が降りて《知らす》のが当たり前やんか」
「めんどくさー」
「早よ行けっちゃ!」
「はーい…」
天之忍穂耳命(オシホミミ)はダルそうに降り、下界が見える天之浮橋に着きました。
すると地上界からワーワー、ドンドン、ギャーギャーと騒がしい声や音が聞こえてくるではありませんか。
「うわー、こげんしゃーしーとこに行かんといけんの?…やーめたッ」
オシホミミはUターンして、天上界に引き返してしまいました。
※しゃーしー=うるさい。の意
「ただいま母ちゃん」
「なんしよんかお前は? 地上は?」
「なんかメチャクチャしゃーしーけん、無理ッ!」
「お前、なめちょんかッ? おーッ?」
「そげん怒らんでいいやん…」
「チッ・・・」
会議だョ!全員集合
長男の天之忍穂耳命(オシホミミ)がダメだったアマテラスは、手をパンパンと叩いて、
「集合ーッ、天つ神全員集合ーッ!」
と高天原全体に号令をかけ、神様をいつもの会議場所「天の安の河の河原(あめのやすのかわのかわら)」に集めました。
「はい、それではミーティング始めまーす。私の長男オシホミミはヘタレでダメでしたので、次に地上にやるのは誰が良いのかを、クラスみんなで話し合ってくださーい」
アマテラスは造化三神の高御産巣日神(タカミムスヒ)と相談し、タカミムスヒの子「思金神(オモイカネ)」に、意見を取りまとめるように指示しました。
図② 系図タカミムスヒとオモイカネ

ワイワイガヤガヤ、ワイワイガヤガヤ
「まとまりましたよアマテラスさま。長男がダメやったんなら、やっぱ次男の天之菩卑命(アメノホヒ)さまやないですかね?」
「やっぱそうか…。わかった」
ということで、アマテラスは次男アメノホヒを呼びました。
天之菩卑命(アメノホヒ)
「お前さぁ、これから地上に行って、んでさぁ…」
「知っちょるよ。行っちゃるよ」
「お、おお、そうか。頼もしいな」
「じゃ行ってくるね」
話も簡単にアメノホヒは、そそくさと地上に降りていきました。
交渉開始?
「お前がオオクニヌシ?」
「そうですけど、誰っすか?」
「オレはアマテラスの次男で天之菩卑命(アメノホヒ)。ヨロシクッ!」
「(なんか調子がいいやっちゃな…)何しに来たと?」
「まぁ、お前に国譲りの交渉に来たっちゃけど、んなことより、腹がへったけん、なんか食わしてくれんやか?」
「(厚かましいのぉーコイツ…)はい。すぐ用意しますけん、チョット待っちょってください」
カチン!ときた大国主神は、
「(国譲りやと? そう簡単にこの国を譲ってたまるか!)」
と思うと、従兄弟なのか何なのか、よくわからないアメノホヒに対して作戦に出ました。
【親戚関係?】
オオクニヌシはスサノオの六世孫。
スサノオの娘と結婚。
スサノオの姉はアマテラス。
アマテラスの長男がオシホミミで、次男がアメノホヒ。
大国主神とアメノホヒは親戚???
(頭がグルグルします笑)
「アメノホヒさん、この料理はどうですか?」
「うまいのぉー!」
「アメノホヒさん、ささッ、グッと」
「おお、酒か。これもうまいのぉー」
「アメノホヒさん、女の子を世話係に付けますね」
「こらまた、すっげぇ美人やなぁー」
大国主神は趣向を凝らし、天之菩卑命(アメノホヒ)を上げ善据え膳でもてなしました。
するとどうでしょう。
アメノホヒは国譲りのことなんか、これっぽっちも思い出さずに、日々遊び惚けてしまいました。
Wでポンコツ
アマテラスがオモイカネを呼んでたずねました。
「もう3年もアメノホヒから音沙汰なしやけど、どげんなっちょるとやか? お前はなんも知らんとか?」
「はい…連絡が取れんとです」
「ハァ~…」
「次の手立てを考えましょうか?」
「うん、頼むね…。んでも、また引きこもろーごとある…」
「それだけは、やめちゃらんですか…」
長男次男がWでポンコツだったことを嘆いたアマテラスでしたが、ミーティングをするために、また神様を集めました。
「(兄弟揃ってポンコツなんは、スサノオとの誓約で出来た子やけやか?…)」
と思いながら・・・
【天之菩卑命(アメノホヒ)のその後】
表記は「天穂日命」とも。
あとの回で紹介する「出雲大社(いづもおおやしろ)」の祭祀を司ることになりますが、今現在も「アメノホヒの子孫が祭祀(宮司)を世襲」してます。
R8年6月現在、84代出雲大社の宮司(出雲国造)は「千家尊祐」さんです。
今回はこれでおしまいです。
今回の図を貼って終わりますね。
図③ Wの悲劇

北九州市で飲食店などをやっています。
気になる方は下記のプロフィールをご覧くださいませ。
ではでは。。。
次回:【28】雉の頓使いへ
一覧:楽々古事記の一覧へ
著者:プロフィールへ
