楽々古事記【29】建御雷神参上!
最初から読みたい方は、
楽々古事記の一覧マガジン
からどうぞ。
建御雷之男神(タケミカヅチノオノカミ)
※以下、建御雷神で表記。
ことごとく失敗に終わっている現状に困り果てたアマテラスは、またまたオモイカネに相談しました。
「どげんする? オモイカネ…」
「そうですね。チョット待っちょってください。いろいろあたってみます」
オモイカネと八百万の神々は四方八方に手を尽くし、ある凄腕の男神(おがみ)にたどり着き、アマテラスのもとに連れて行きました。
「連れてきました。この男神やったらどげんですか?」
「タ、タケミカヅチやんか⁉…。オモイカネ本当か?」
「はい」
「この最強の男神がやってくれるんか?」
「はい」
「んなら、一騎当千たい!。建御雷神(タケミカヅチ)、ホントにやってくれるんか?」
「イエッサー」
「(なんで英語なんかコイツ…。強いっちゃけど、このへんがわからんとたい、こん男は…)」
とりあえずアマテラスは、建御雷神に「天鳥船神(アメノトリフネ)」を付けて、地上に降らせました。
図① 系図 建御雷神(タケミカヅチ)
右下です。

図② 系図 天鳥船神
左下から3番目
※船の絵にしてますが神様です。

鋼の尻
伊那佐之小浜(島根県出雲市の稲佐浜)に降り立った建御雷神は、大国主神を前に十拳剣(佐士布都神)を逆さに刺して、その刃先に胡坐(あぐら)を組んで座りました。
※文字で書くとわかりにくいと思いますので、下図を見てください。
図③ 剣先に座る建御雷神

「け、剣先に座っとるッ!…(なんかコイツ、頭おかしいとか?…)」
少しビビった大国主神に、建御雷神が大声で言いました。
「クニヲヒラキナサァイ!」
ビクッ!!!
突拍子もない言葉を大声で言われた大国主神は、
「(片言の日本語??? なんかコイツ…、やっぱ頭がクルクルおバカやないとか?)」
と思って、ドン引きしました。
その雰囲気を察した建御雷神は、ゴホンッ!と咳払いをして、取り繕うように話し出しました。
「この葦原中国は、今、お前が《うしはく》しとるが、本当なら天つ神の御子が《知らす》国たい。お前はどげん思っちょるんか?」
「そげなこと言われても私だけじゃ何とも言えん。息子の「事代主神(コトシロヌシ)」に相談してみらんと…。今は釣りに行っちょりますが…」
「よし、迎えに行こうか」
建御雷神は、アメノトリフネに事代主神を向かいに行かせました。
《知らす》と《うしはく》
※再度説明※
この古事記が終わったら、禊祓いや大祓詞の説明をしますが、その祝詞に「知ろし食す(しろしめす)」という詞(ことば}があります。
その詞を使った方がわかりやすいので、その詞で説明します。
《知らす》について
知らす=知りなさい。知ること。
食す=我が身の事として考える。
つまり、知ろし食すということは、
「知りなさい。そして我が身の事として考えなさい」
という意味になります。
これが《知らす》という治め方です。
《うしはく》について
うしはく=統治する者。
ニュアンスでいえば、
知らす=治める者
うしはく=為政者
であり、
知らす=権威者
うしはく=権力者
という感じです。
また、日本でいえば、
知らす=天皇
うしはく=総理大臣
という関係になります。
※イギリスの「王は君臨すれども統治せず」のスタイル(国家体制)といえば、わかりやすいかも知れません。
アメノトリフネに乗って帰ってきた事代主神(コトシロヌシ)は、
「父ちゃん、譲ろうや」
「えッ、なんでそんなにアッサリ…」
「んじゃね」
と言うが早いか、「天之逆手」という柏手を打ち、船を青い柴垣に変えて海に沈めて、サッサとその中に隠れてしまいました。
【天之逆手】(あめのさかて)
以前説明した、後手(しりえで)のような呪術的なものだと思われます。
美保神社の「諸手船神事(もろたぶねしんじ)」で見れるそうです。
※美保神社では「青柴垣神事(あおふしがきしんじ)」もありますよ。
最後に美保神社のリンクを貼っておきますね。
息子の事代主神の言葉に少し呆気に取られていると、
「どげんするとや? 大国主神…」
と、建御雷神が重々しく聞いてきました。
焦った大国主神は、
「ま、待ってくれ、もう一人、相談せんといかんヤツがおる」
と、冷や汗を掻きながら言いました。
建御雷神がゆっくりと、
「そいつは誰だ?」
と聞くと、
「もう一人の息子「建御名方神(タケミナカタ)」です」
そう大国主神が答えると、向うから一人の男神がやってくるのが見えました。
図④ 系図
事代主神と建御名方神は下の方です

今回はここでおしまいです。
神様の名前の説明とエビス様の話、今回の図を貼っておわりますね。
【建】(タケ)
この「建」という文字が入った神様は、
・戦いやケンカに強い
・戦術戦略に長けている
・猛々しい
という意味合いがあります。
例えば、
・建御雷男之神(タケミカヅチ)
・今登場した・建御名方神(タケミナカタ)
・あとで登場する・倭建命(ヤマトタケル)
などです。
天の石屋戸の石を動かしたタヂカラオは腕力が強いだけなので、「建」は付いてないのかも知れません。
また、須佐之男命(スサノオ)の古事記でのフルネームは、
・建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)
といい、ちゃんと「建」が入ってます。
【エビス様】
事代主神は【エビス様】になったといわれています。
エビスの表記は、恵比寿・恵比寿・蝦夷など10種類ほどあるのですが、その表記の中で「蛭子」もあります。
・・・そうなんです。
イザナキとイザナミが国生みポンポンで生んだ、あの「蛭子(ひるこ)」です。
この蛭子も舟で流されたあとに「エビス様」になったと云われているので、エビス様になったと云われている古事記上での二大巨頭は、「事代主神と蛭子(ひるこ)」ということになります。
下に、エビス様(事代主神)の総本宮「美保神社」のリンクを貼っておきますね。
美保神社のリンク
図⑤ 今回の図

図⑤ 再度 建御雷神
イザナミが亡くなり、イザナキがカグツチを斬ったときの神様です。
右下の方です。

北九州市で飲食店などをやっています。
気になる方は下記のプロフィールをご覧くださいませ。
ではでは。。。
次回:【30】ゆずれない願いへ
一覧:楽々古事記の一覧へ
著者:プロフィールへ
