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楽々古事記【19】スセリビメとパパ

この楽々古事記を読めば、少し難しい古事記の本でも楽々わかるようになる!

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須勢理毘売(スセリビメ)

「ここが根の国か…。チョット薄暗いな。んッ?…誰かおるぞ」

オオナムヂが近づいてみると、それは美しい女性でした。

「誰?(いい女やな💖)」

「わ、私はスセリビメっち言います(いい男💖)」

「スセリビメ、いい名前やん」

「いきなりやけど、結婚して欲しいっちゃけど」

「オレと?…いいよ。しよッ!」

「嬉しい。じゃ、パパのスサノオに挨拶してもらわんと」

「ス、ス、スサノオ?」

「うん。知っちょると?」

「うーん、風の便りで小耳に挟んだ程度なんやけど…(ヤバイかも知れん…)」

「そっか、じゃ行きましょ」

「う、うん…」

オオナムヂは、ウキウキしながら案内するスセリビメのうしろを ビクビクしながらついて行きました

【根の国】(ねのくに)
根の国は略称で、古事記では、
「根之国堅洲国」(ねのかたすくに)
といいます。

蛇の室(へびのむろや) 

「パパーーッ、ただいまー」

「おぅ、お帰り」

「結婚する相手を連れて来たっちゃけど」

「結婚? 聞いちょらんぞそんなこと」

「だって、さっき初めて会って、お互いにひと目惚れしたんやもん」

「なんかそらぁ」

あきれたスサノオパパは、オオナムヂの方に目をやりました。

【六世孫】(ろくせいそん)
オオナムヂはスサノオの六世孫…。なのにスサノオの娘と結婚??? と不思議に思うかも知れませんが、神様は歳を取らないので、そんなのワカチコです。また、神様は56されたりしない限り、その命は永遠です。今のところは…ですが…

スサノオパパのギロッとした凄まじい目で睨まれたオオナムヂは、縮こまってしまいました。

「おい、お前」

「あ、はい」

「とりあえず今日は、スネークルームに泊まってけ」

「は、はい(スネークルーム?)」

そのスネークルームに案内されたオオナムヂに、

「蛇に襲われそうになったら、この蛇比礼(おろちのひれ)を振れば大丈夫だから」

と、スセリビメに小声で言われ、その蛇比礼を受け取りました。

蛇比礼(おろちのひれ)

シャーーーッ!

「うわッ、この部屋、蛇だらけやん」

シャーーーッ!

部屋に入ったとたん、オオナムヂを見つけた蛇が、束になって襲ってきました。

オオナムヂがスセリビメにもらった蛇比礼(おろちのひれ)を蛇に向かって振ると、蛇たちは部屋の隅っこに行って、おとなしくなりました。

「ふぅ、すごいなこの比礼は…。まぁ明日も大変やろうけど、とりあえず寝るか」

ひと安心したオオナムヂは、朝までグッスリと寝ることができました。

百足と蜂の室(むかでとはちのむろや)

ー 翌日 ー

「ほう、元気そうやな」

「まぁ、おかげさまで」

「んじゃ、今夜はハンドレッドレッグとエイトの部屋に泊まってもらおうか」

「あ、はい。(もう言語ムチャクチャやな、このおっさん…)」

蜂比礼(はちのひれ)

今度はスセリビメが、蜂比礼(はちのひれ)を手渡してくれました。

オオナムヂは、その蜂比礼のおかげで百足と蜂を追い払うことが出来たので、またグッスリと寝ることができました。

「(明日は、どんなアトラクションがあるとやろか?)」

そんなことを呑気に考えながら…

【蛇比礼と蜂比礼】
(おろちのひれとはちのひれ)
相手の霊力を鎮める布のようなもの。

ほらほら すぶすぶ

「またまた元気そうやな」

「はい、なんとか…」

「じゃぁ、コレを拾っちこい!」

「はい…」

ビビューン

スサノオが、だだっ広い草原に向かって、鏑矢を打ち放ちました。

【鏑矢】(かぶらや)
鳴鏑(なりかぶら)とも。
風切り音が鳴る部分が付いた矢のこと。

オオナムヂが走って鏑矢を拾いに行くと、スサノオがもうひとつの試練を用意していました。

「んッ? なんか焦げ臭いな…」

パチパチパチパチ

草原の真ん中でそう感じたオオナムヂが周りを見渡すと、炎で囲まれているではありませんか。

「(マズイぞこれは)コホッ、コホッ…」

周囲の炎がだんだん近づいてきました。

「クソッ、どうすれば…。ん? ネ、ネズミがオレの足元で何か言ってるぞ。コホッ、コホッ…」

「チュー(内はほらほら)、チュー(外はすぶすぶ)」

「ホラホラ? スブスブ?…。あッ!そうなのか、内は洞窟で、外の出入り口が狭くなっちょるんやな」

「チューチュー!(そうそう!)」

ネズミの言っていることを理解したオオナムヂは、地面を思いっきり踏みつけると、自分が入れるくらいの穴が開きました。

その穴はネズミの巣穴だったようで、その巣穴に身を隠したオオナムヂは、炎から無事に逃れることが出来たようです。

「助かったよ。ありがとな」

「チューチュー(礼には及ばんよ)」

「あれッ、それは?」

「チュー?(この矢?)」

なんと、ネズミが鏑矢を持っていたのです。

「チューチュー(子どもが拾ってきたんよ)」

「あ、そうやったん」

「チュー?(お前の?)」

「うん」

どうやら子ネズミが鏑矢を拾ってきて、オモチャにして遊んでいたようなのです。

「ホントにありがとな」

「チューチュー(どーってことねーよ。んでも矢の羽はウチ子どもが食ったみたいで、ごめんな)」

「羽くらい、どーってことねーよ。じゃぁな!」

オオナムヂはネズミの家族に礼を言って、鏑矢を握りしめて外へ出ると、

「外の空気は、やっぱうまいな」

オオナムヂは深呼吸をして家に帰りました。

生還

家に着いて、

「ただいまー、スセリビメー、スサノオさまー、ただいま戻りましたー!」

そう大きな声で言うと、

「キャーーーッ、生きちょったー!」

と、部屋の奥から金切り声が聞こえてきました。

その声がした方を見ると、部屋の中から飛び出てきたスセリビメが、泣きながらコッチに駆け寄ってきました。

どうやらスセリビメは、自分が〇んだと思っていたようです。

そしてスサノオが少し離れて、ぶっきらぼうに突っ立っている姿も見えましたが…

まぁスサノオは、なんで生きちょるんかコイツ…。

だったでしょうけどね。


ということで、今回はこれにて終了。
今回の図と振り返りの図を貼っておきますね。

図① 今回の図

図② スサノオ系図

図③ オオナムヂ系図

北九州市で飲食店などをやっています。
気になる方は下記のプロフィールをご覧くださいませ。

ではでは。。。


次回:【20】夜に駆ける
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