楽々古事記【10】泣いた赤鬼
この楽々古事記を読めば、少し難しい古事記の本でも楽々わかるようになる!
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泣く男
イザナキがくつろいでいると、
うわーんわんわん
うわーーんわんわん
と、どこからか大きな泣き声が聞こえてきました。
「ええクソ、しゃーしぃーのぉー…誰が泣きよーとか!」
少しイラついたイザナキが泣き声がする方に行ってみると、そこには泣きじゃくって真っ赤な顔をしたスサノオがいるではありませんか。
(スサノオ?…なんかコイツは…。鬼みたいな顔して真っ赤になって泣きよるが…)
「なんしよんか、きさん」
「あ、父ちゃん…グスッ(涙)」
涙を拭った顔を見ると、髪はボサボサで、アゴ髭も伸ばしっぱなしのスサノオのみっともない顔がありました。
父イザナキがあたりを見渡すと、スサノオが泣くせいで、河や海は枯れて田や畑は干上がり、暴風雨が吹き荒れては、また干上がってしまうということを繰り返した景色がありました。
追放
「きさん、海原を治めんで、ずっと泣きよったんか? おーッ?」
「うん、グスッ」
「お前のせいで、メチャクチャになっとろーが!」
「ゴメン父ちゃん、グスッ」
「なし泣きよんかちゃ、言うてみぃー」
「母ちゃんに会いたかったと」
「あッ? 母ちゃんやと?」
「うん、根の国におる母ちゃんに会いたいと…」
「(なめちょんなコイツ…)」
呆れ果てたイザナキは、スサノオの天つ神の地位を剥奪し、海原から追放しました。
【天つ神】と「つ」
天つ神は、天上界(高天原)の神様のことですが、「天津神」とも書きます。
「つ=津」というのは、「の=之」という意味です。
つまり、天つ神は「てんのかみ・高天原の神・天上界の神」という意味ですので、覚えておいてくださいませ。
今回はここでおわり。と言いたいところですが、原則ワカチコで受け流すことはせずに、疑問点を探ってみます。
最後は、イザナキとイザナミのその後に触れておわりますね。
疑問点①
【母はイザナミ?】
前回の最後に述べた問題ですが、スサノオの父はイザナキなのですが、「まぐわい」をせずに生まれています。
ということは、母親は誰?ということになりますが、一応は黄泉の国で付いた穢れ(けがれ)から生まれたので、苦しいかもしれませんが、母親はイザナミなのでしょう。(知らんけど…)
疑問点②
【イザナミはどこに?】
イザナミは黄泉の国にいるはずなんですが、スサノオは「根の国にいる母ちゃんに会いたい」と言ってます。
それでは、母親はイザナミではないのか? いや、イザナミは黄泉の国から根の国に移ったのではないのか? はたまた、黄泉の国と根の国は同じなのではないのか? と考えることも可能ですので難しいところです。
※(色んな神話を読むとボンヤリとですが見えてくるモノがありますので、楽々古事記を読み終わったら、他の神話を読んで探ってみてくださいね。
では今一度、天地図を見ておいてくださいませ)
図① 振り返り

【疑問点①と②の結論】
とりあえずワカチコで終わらせておきましょう。
イザナキのその後
イザナキは、スサノオに呆れ果てはしましたが、アマテラスやツクヨミを生んだので、隠居しました。
隠居先は、古事記では滋賀県の多賀大社、日本書紀では兵庫県の伊弉諾神宮とされています。
【日本書紀】(にほんしょき)
古事記と並ぶ、日本の神話です。
位置付けとしては、
・古事記は国内向け。
・日本書紀は海外向け(主に中国)。
です。
正史とされているのは日本書紀になります。
また、この二つの神話を合わせて「記紀(きき)」と呼びます。
(古事記・日本書紀の「き」の字が違うためなんです)
イザナミのその後
イザナミは黄泉の国を統治し、黄泉大神(よもつおおかみ)として、今も死者の国である黄泉の国を統(す)べています。
図②

ナギとナミの引退
この回を以ってイザナキとイザナミは引退です。
次回からは、アマテラスとスサノオの物語の始まりです。
図③

ではでは。。。
次回:【11】ルール無用の悪党へ
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