楽々古事記【11】ルール無用の悪党
この楽々古事記を読めば、少し難しい古事記の本でも楽々わかるようになる!
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姉ちゃんちへ
父イザナキに海原を追放されたスサノオは、
「追放されたっちゅうことは、何もせんでいいってことやし、行くアテもないけん、ホントに母ちゃんに会いに行こっかな」
と思うと、もう居ても立ってもいられなくなりました。
「そうだ! 母ちゃんとこへ行く前に、姉ちゃんに挨拶しとかないかんな。よしッ、高天原に行こう」
スサノオは、意気揚々と高天原へと向かいました。
高天原で
ズシン、ズシン、ズシン
「なんか…こん音は?」
地響きのような足音を聞いたアマテラスが下を覗いてみると、弟のスサノオが、ものすごい勢いでこちらに向かってくるのが見えました。
「(父に追放されてヤケになったんか…ま、まさか、この高天原を奪うつもりなんか!)」
危険を感じたアマテラスは、角髪(みずら)を結って男装をし、勾玉を身に纏って、強弓を携えて千本以上の矢を背負い、
「イヤァァァァッ!」
と、雄叫びをあげて大地を踏みしめ、スサノオと「天の安の河(あめのやすのかわ)」で対峙しました。
「なんしに来たとや、きさん」
「な、なんで怒っちょると?」
「なんしに来たとやっち、聞きよるったい!」
「なんしにっち言われても、オレ、母ちゃんに会いに行くけん、姉ちゃんに挨拶しに来ただけなんやけど…」
「ホントかぁ? きさん、ウソ付きよったら、ボテくり回すぞ!」
「ホントっちゃ!」
「ウソやなかろーなー?」
「信じてっちゃ」
「(・・・)」
「そげん疑うんやったら、誓約やろーや」
「誓約(うけい)?」
「うん誓約」
「よし、わかった」
【誓約】(うけい)
神意を受けるための方法。
これからも誓約は出てくるので、言葉よりも感覚で掴んでくださいませ。
「誓約」先攻スサノオ
スサノオが自分の十拳剣(とつかのつるぎ)をアマテラスに渡しました。
アマテラスがその剣を3つに折って噛み砕き、ふぅーっと吹き出すと、三柱の女神が生まれました。
この女神はスサノオの子で、今の「宗像大社の宗像三女神」です。
※古事記では、宗像(むなかた)を「胸像」と表記しています。
「誓約」後攻アマテラス
次にアマテラスが身に付けていた勾玉をスサノオに渡しました。
スサノオは勾玉をガリガリと噛み砕き、ふぅーっと吹き出すと、五柱の男神が生まれました。
この男神はアマテラスの子で、アマテラスの後継者でもあり、日の御子(ひのみこ)なとど呼ばれます。
図 誓約図

ルールが・・・
ここで大問題が発生しました。
「(しもた!…勝敗のルールを決めちょらんかった…私としたことが…)」
「(どげんしょっか?…姉ちゃんに勝つには…)」
「(スサノオに何て言おうか…)」
「(んッ? あッそうだ!)」
すると突然、
ガハハハッ
と、大きな声で笑いだしたスサノオが、何やら言い出しました。
「オレの勝ちやん! 姉ちゃん」
「えッ、なし?」
「見てん、オレの子はみんな女神たい」
「それが、どーしたんね?」
「オレの心が清らかやけん、美しい女神が生まれたんよ! そげんやろ? 姉ちゃん」
「えッ、あッ、う、うん…」
「これで母ちゃんに会いにいけるばい」
「(・・・)」
無邪気に喜ぶその姿に、この高天原を奪うような邪(よこしま)な悪意は無さそうだったので、アマテラスはその勝敗を受け入れることにしました。
不埒な悪行三昧
気をよくしたスサノオは、はしゃぎにはしゃいで暴れまわりました。
アマテラスの田畑や畝、畔を壊して、溝を埋めたり、神殿に糞を巻き散らかしたりしました。
(※高天原にも川が流れ、田や畑があります)
挙句の果てには、神様の衣を作る機織り小屋に、皮を逆さまから剥いだ馬を投げ入れ、それに驚いた機織り女がビックリして飛び上がり、陰部を機織り機に突き刺して絶命する事件も発生…。
最初は目をつぶって許していたアマテラスも、この暴挙は許し難く、洞窟の中に入って大きな岩で塞いで、引きこもってしまいました。
今回は、これにておしまいです。
誓約で生まれた宗像三女神が祀られている宗像大社のウェブサイトを貼って終わりますね。
ではでは。。。
