楽々古事記【26】名もなき神
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新たな相棒?
相棒スクナビコナを失った大国主神の悲しみは、一向に癒えることがありませんでした。
「うえーんえんえん、うえーんえんえん」
そうやって泣きじゃくっていると、海を煌々と照らしながら、こちらにやってくる神様がいました。
「グスン…涙…(なんやろか?…ものすごいオーラやな…グスン)」
圧倒された大国主神は涙を拭い、近寄ってきた神様にたずねました。
「誰ですか?」
「そんなことより、なんでお前は泣きよーとか?」
「えっと、一緒に国造りしよった相棒がおらんごとなったけん、これからどげんしよっかち思って泣きよったとです」
「ふーん、そうか…。んなら、オレが手伝っちゃろーか?」
「え、いいとですか?」
なんだかトントン拍子に新しい相棒が決まりそうです。
御諸山(みもろやま)
「ぅんならさぁ」
「はい」
「オレを、大和の国を青垣のように張り巡らしている山の内の東の山に祀っちゃらんやか?」
「あ、は、はい。(どこ?…頭ゴチャゴチャしてくるな…)」
「あ、そうそう。割と丁寧めにね!」
「わかりました…」
大国主神は、名も知らぬこの神様を「御諸山」に丁重にお祀りしました。
【御諸山】(みもろやま)
奈良県の三輪山(みわやま)です。
お山そのものがご神体。
ネタバレですが、大物主神(オオモノヌシ)が鎮坐しております。
古事記の中でもトップ3に入る大好きな神様です。
このあと、この御諸山の神様やスサノオの子である「大年神」、その子孫たちと一緒になって、大国主神は国造りを見事に完成させました。
【大年神】(オオトシノカミ)
正月に各家庭を廻って福徳を授ける「歳神様(トシガミサマ)」といったほうが、知っている方も多いかもしれません。
おしまい。
なんだかあっけない国造りの完成でしたが、これで一旦平定を迎えます。
一旦ですがね…
※古事記では新しい相棒の神様の名前は、このときは明かされていませんが、先ほどの解説で述べたように「大物主神(オオモノヌシノカミ)」です。
でも、この大物主神(オオモノヌシ)は、ホントにチョット変わった愉快な神様です。
再登場しますので、その回を楽しみにしててくださいね。
今回はこれで終わり…
と言いたいところですが、この三輪山の神様の登場の仕方は、日本書紀ではどのように書かれているのかを紹介します。
そして【古事記の3法則】についても述べますね。
【日本書紀では】
「誰ですか?」
「私か? 私は、お前の幸魂で、また奇魂でもあるったい」
と、このように登場します。
【幸魂と奇魂】
※注意※諸説が多数あります。
読み方は、幸魂(さきみたま)と、奇魂(くしみたま)です。
神道観(考え方)の一つなのですが、神様は「一霊四魂」といって、一つの霊に四つの魂が宿っていると考えられています。
(大ざっぱにいえば、人間には天使と悪魔が住んでいる。みたいな感じです)
「一霊」
・直霊(なほい)=四魂をコントロールする霊。
「四魂」
・和魂=穏やかで調和を重んじる魂。
・荒魂=猛々しく勇猛に切り開く魂。
・幸魂=幸福や繁栄をもたらす魂。
・奇魂=正邪や心理を見極める魂。
※諸説ありますが、和魂は幸魂と奇魂が要諦を成すとされています。
ということは、いったい、どういうことなのでしょうか?
「オレはお前の平和で穏やかな部分たい!」
と言っているのと同じなので、
大物主神=大国主神
と考えられますね。
この一霊四魂を知って頂きたいために、日本書紀の内容を紹介したと言っていいかも知れません。
これを知っておくと神社参拝が楽しくなりますよ。
では、ついでにもうひとつ。
【古事記の3法則】
古事記には面白い法則が3つありますので紹介しておきます。
①「泣けば偉い神様が登場」
②「末っ子の天下取り」
③「見ちゃダメよん」
この3つの視点で古事記を見ると面白いですよ。
①の泣けば偉い神様が登場するのは、「泣く」という行為自体が「霊力的なパワーを持っている」と考えられます。
詳しくやると、とんでもない分量になるので割愛しますが、その昔「泣女(哭女)なきめ」という職業もあったくらいです。
②末っ子の天下取りというのは、ネタバレですがこの先、末っ子が天皇に即位していくとこが多くなります。
(イザナキ&イザナミ、大国主神も末っ子みたいなもんでしたよね)
また余談ですが、末っ子相続というのも古来は存在していました。
その理由は、長男相続だと、父が亡くなるときというのは、長男も高齢ということです。
ですから老い先短い長男より、一番長生きするであろう末っ子に相続させていたのです。
※年齢が若ければ若いほど、清浄無垢と考えられていた部分もあります。
③見ちゃダメよん・・・
お笑い芸人の「押すなよ!」と同じですが…
いつの世も変わらんのですね…
深い意味はないと思います。
ワカチコで(笑)
では、今回の図と、スサノオの子「大年神」が載った系図を貼っておわりますね。
図① 名もなき神

図② スサノオ系図(大年神)
太字にはなっていません。
スサノオの妻「神大市比売」の子です

北九州市で飲食店などをやっています。
気になる方は下記のプロフィールをご覧くださいませ。
ではでは。。。
