言葉の威力/ドラマ『舟を編む〜私、辞書つくります』
ドラマ『舟を編む』の第一話を観た。
新しいドラマかと思いきや、昨年BSプレミアムで好評だったものを再編集し、NHK総合で6月から放送とのこと。
三浦しをんの小説は知っていたけれど未読だった。
映画は過去に見たことがあったが、かなり前だったので、なんとなく「辞書を作る物語」としか覚えていなかった。
映画では馬締光也(通称マジメ)という男が主人公で、ドラマにも出てきた。
しかし、ドラマ版の主人公はマジメではなく、岸辺みどりという女性で、「あれ?映画とはまた違うお話なの?」とはじめは一瞬混乱した。
第一話を観たあと、映画をまた観たくなり、観た。
あ〜そうそう。
こういう話だったよね。
思い出した、思い出した。
映画にも、岸辺みどりは登場していた。
(完全に忘れていた)
ドラマ版の主人公はその人なのか、と納得。
ドラマの第一話で印象に残ったのは、なんといってもあのシーンだ。
「なんて」が口癖になっていたことに気付いたみどりが辞書を引くシーン。
すごく、良かった。
みどりはなぜ、「バカにしているよね」と人から言われがちだったのか。
そんなつもりはないのに、なぜいつも周りを不快にしてしまっていたのか。
一体みどりの何が、そうさせていたのか。
その理由が、たった一度、
辞書を開いただけで分かったのだ。
たかが言葉、されど言葉。
何気なく日常で使っている言葉に宿る、大きな力。
正直、映画よりもこのシーンの方が圧倒的に好き。
「こういう演出、大好き!」と興奮した。
他にも、素敵なセリフがたくさん出てきた。
原作未読なので分からないが、原作にも出てくるのだろうか?
激おこプンプン丸。私、大好きなんです。
この言葉がどれだけ人の心を軽くしてきたか。
その健気さを思うと、涙すら出そうになります。
辞書はあなたを褒めもしませんが、決して責めもしません。安心して開いてみてください。
素敵。
今更ながら、絶対に原作を読もう、と誓った。
SNSやスマホが身近になり、話し言葉よりも書き言葉を使う場面が多くなった現代で、言葉の選び方や使い方について慎重になることは大切だと思う。
話し言葉は、声に出すまでにあまり深く考える時間がない。
一方、書き言葉は、何度も書き直しができ、言葉の意味をちゃんと調べてから発言することだってできる。
そして、書き言葉は文字としてずっと残る。
(動画や録音では話し言葉も残るけど)
書き言葉を通して日頃から言葉の意味やニュアンスに敏感になっておけば、話し言葉を使う時にも、伝えたい想いにピッタリな的確な表現をうまく選ぶことができるかもしれない。
ドラマを通して、言葉の持つ力について今一度考える夏にしたい、と思った。
あの分厚い辞書、実家から取ってこようかしら。
