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鬼滅の刃 童磨の憂鬱

鬼滅の刃3回目。
今まで鬼殺隊側を2人書いてきましたが、
鬼側についても書いてみようかな。
ということで
今回は私の一番好きな鬼、
童磨について記していきますね!


童磨が好きと人に話すと、
「しのぶさんが好きなのに、
童磨も好きなの!?」と
アレルギーを起こされてしまうことが
多いです。笑
童磨には同情の余地が少ないというか
鬼側の事情に共感しにくい
ということなのかもしれませんね。

だけど私はいつも思うんです、
童磨もなかなか、アレですよ。

"万世極楽教"の教祖の息子。
生まれながらにして、崇められる存在。
至って普通の子供なのに、
神の声が聞こえていると周りの大人みんなに
囃し立てられ、救ってくれと懇願され続ける。
…これ、どうです?
子供のときにこんなことされたら。

でも、ここで童磨の人格形成として
リアルだなぁと思うのは
それでも、
癇癪を起こし騒ぎ散らかすような暴君や
わがまま放題の堕落した人格には
成長しなかったこと。

これ実際にも、人間の子供って多分
自分が置かれた環境以外の見識は
知りませんから、
無理があろうとそういうものかと思って、
求められたことに精一杯応えようと
素直に受け入れてしまう傾向って
あると思うんです。

もちろん童磨の場合、中身は静かに
捻じ曲がっていき、
最終的にはとんでもない理屈で人を喰う、
やばい鬼になってしまったわけですが
逆にこの環境で、
他にどんな大人になれたのかなとも思います。

童磨は実際に信者を救っていた面も
あったのではないかとも、私は考えます。
毎日毎日信者が亡くなっては教団としても
保たないでしょうから、
童磨とて、全員を喰べていたわけではないと
思うんです。
でも、信者は毎日やってくる。
その人たちの話を
聞いてやらなければならない。

童磨は「子供相手に泣きながら
欠伸の出るような身の上話のあとに
どうか極楽へ導いてほしいと頭を下げる姿に、
頭が悪いと辛いよねと可哀想になり、
俺は泣いた」と言っていましたが、
これって、形式だけ見れば
いわゆる"傾聴"の形なんですよね。
ゆっくり話が終わるまで聞いてあげて、
共感の姿勢を示すこと。
童磨がなぜ泣いているのかは
言わなきゃわかりませんから、
信者としては、共感して泣いてくれたのだと
思い込んでしまう。
それは図らずも、
彼が本当に人を救っていたという事実であり
だからこそ童磨の立場というのは
少々複雑で、独特です。

童磨は両親や周りの大人のことを
よく「頭が悪かった」と表現していますが、
童磨の立場に立ってみれば、
それも一理あると思うのです。
誰も彼を人の子扱いしてあげなかったのなら、
彼が人として真っ当に育たなくとも
ある意味、当たり前。

それでも猗窩座や妓夫太郎なんかと比べたら、
環境としては全然マシではあるのですが
ただ、やっぱり
虐げられるようなことはなくとも、
求められることが多大です。
そのくせ童磨自身のことなんて
誰も見ていないし、
なにより、彼のそんな境遇の発端は血筋。
どこにも逃れようがないのですから。

"感情がない"ことも、
私は、後天的なものであった可能性が
高いのではないかと思っています。
この立場を続けなければならないのなら
感情はない方が都合が良さそうだと
無意識に判断し、
順応した結果なのではないかなと…
そしてそれは、童磨にとって
静かな諦めであったのではないかなと。

これは、もしかしたら
私は童磨に騙されているのかも
しれないのですが、笑
童磨って、鬼でありながら
いつも優しくにこにこしているし
話し方もとっても気さくです。
特に彼が話す内容に、私は
童磨の中にかすかに残る
善性みたいなものを垣間見てしまうのです。

童磨は、伊之助のお母さんである
琴葉さんのことを話す中で
「心の綺麗な人が傍にいると心地いいだろう?」
「寿命が尽きるまで手元において、
喰べるつもりはなかった」
と言及しています。
ここに一番に思うんです。
"心の綺麗な人が側にいると心地いい"と
思える感性。
そして、だから守ろうと考える感性。

ここを読んだとき私は、
この鬼を嫌いになれないと思ってしまいました。
だって、そんな童磨が
綺麗だと思ったから。

だいたい、琴葉さんの話を
丁寧に伊之助に聞かせたのも、
伊之助が聞きたがっていたわけではない。
童磨の方からわざわざ記憶を掘り出し、
話したがってる様子です。
それって、
本当は殺す気も喰べる気もなかった
=琴葉さんにも好感を持っていたし、
その息子である伊之助が生きていて、
また会えたことに
童磨なりの嬉しさのようなものを
感じていたのではないかなぁと…
思うんだけど、違うかなぁ?

そんな風に、童磨にだって
時々、感情の片鱗は
みえていたのではないかと思うんです。
カナヲちゃんに挑発されたときもそう。
童磨は明らかに怪訝な顔をし、
「君みたいに意地の悪い子は初めてだよ」と
発していますし、
(これ、同じように感情を失くしていた
カナヲちゃんが相手って面白い対比ですよね!
"私もそうだったからわかるけど、
今の私はあなたとは違うのよ"
とでも言わんばかりにスイスイ煽る
カナヲちゃんは、かなりかっこいいです!)

また、コミックスの"大正コソコソ話"には
琴葉さんを追ってきたDV旦那と姑さんを
「うるさい」と言って殺し、
山に棄てたとも書かれています。
喰べてないんですよ。
童磨は栄養価が高いからと女性ばかりを
好んで喰べる鬼ではありますが、
男性は一切食べなかったのかな?
姑さんもお歳だからいらないって思った?
私は、これ
「琴葉にこんなことする奴らは
喰べたいとすら、思わない」みたいな
それだったのではないかなと、思うのです。


基本は確かに空虚だったのかもしれません。
何が正しく、何が間違っているのかも
判断つかず、
めちゃくちゃな理屈を組み立て、人を喰い、
それでも自分の気持ちさえわかっていない、
恐ろしい鬼だったのかもしれません。

だけど、なんだかどうしても
それだけだったとも思えないのです。

どうにもならない孤独な境遇への静かな諦め。
あの一見優しい笑顔に、私はその都度
彼の憂鬱を写し見ています。



読んでくれてありがとう!
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