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fresnel
私という新月



私という新月だったもの。
とらえられない陰影は夜の海のようにどこまでも深く暗く、何かを秘めながら。


未知の光に照らされて月はかたちを変えていく。いつかは満月になるのか。


一生かけたって丸く光らないかもしれない。


でも及ばないその光もきっと私のかたち。


この上ない調和だと思えたものたちでさえ、無常に移ろいゆくとしても。


砂の城みたいにあとかたもなくさらわれようとも。


その絆を胸に宿して。


いずれ私というものが物質的に、そして魂として霧散しても、私というものは宇宙とともに在る。


それは「魂の記憶」と呼べる石ころのようなものなのかもしれない。


小舟、それは棺だろうか。


いつぞや風に飛ばした紙飛行機は、やがてかぐわしい香りをはなち咲きこぼれ、旅立つ私にそっと手向けられる。花々は寄り添うように、私を飾る。


結局私は、私によって満たされるのだということ。


それでもどこかに―――


―――約束の地があるのなら。












それはじぶんをじぶんで満たした、あるいは満たすよりほかなかったじぶんにおとずれた、思いがけない結びのギフト。


じぶんひとりの生から死の大河で信じることのできた絆にとどまらない、
遥か生命の環、絆。


ひとりで考え続けていた孤独なテーマに光が射し込んで、誰かの情景が映し出されるよろこび。
それはピントを合わせられないほどに、まばゆく尊いスクリーン。


より深部へ。より多角的に。
またひとつ私の月が満ちていく。



真尾さん。
尊い情景を、ありがとうございます。
