「神様のいるところ」第2話
儀式
-回想-
「軽々しく人の心を言ってはいけないよ」
父に言われてから、俺は口をつぐんだ。
阿修羅「どうして?あの人たちはお参りに来て必死で祈ってるんでしょ?僕たちにも全部聞こえてるのに」
父「人の願いは必ずしも叶うとは限らない。生きているうちに使える運が決まっているからね」
阿修羅「それは神様が決めたの?でも口に出すことで叶う願いもあるんでしょ?」
父「それはごく一部。ほぼアカシックレコードで決まってるから」
阿修羅「アカシックレコードってなに?」
父「運命だよ。人が天界からこの世に降りてくる前に決めた運命だ。それには逆らえない。」
阿修羅「じゃあ先にそのアカシックレコードを見ちゃえば思い通りじゃない?」
父「それは絶対に本人が見てはいけないんだよ。」
阿修羅「どうして?見ちゃえば先読みもできるじゃん、全部上手く行くのに」
父「アカシックレコードを見たものは全員必ず死ぬんだ。その運命を辿ることになる。たとえどんな未来が見えたとしてもそれを見て幸せになった人はいないんだよ」
10年後、俺はやっとこの意味がわかった。
あの時は物事の分別がつかなかったから今となって父の言葉の意味がわかる。
あれから父は大罪をおかし亡くなった。
父は禁じられた掟のアカシックレコードを読み、1人の少女を助けようとした。その少女は母と毎日お祈りにきていた。その少女は俺の妹らしい。いいなづけとの結婚の裏で父は普通の人間の母との間に子を作っていた。
そのことで親族の間ではかなり揉めたらしい。
俺の妹は病気だった。もうそれは治らないと言われていた大病で、親族からは天からのバチがあたったのだと囁かれた。父は娘を救うためアカシックレコードを読み、禁じられた運命を変えようとしたのだ。
それから間も無くして母が亡くなり、俺は1人になった。
入学
緊張の面持ちで教室に入る。
「もう誰も俺のことなんて気にしなくていいのにな」
心配していたが、離れた地域だからか知らない子ばかりだ。
「あー初めての高校生活緊張するなぁ」
周りで女子たちがもうグループを作って騒いでいる。
「どこ中?どこからきたの?えっめちゃくちゃ遠くない?!」
「俺もう部活決めててさ、サッカーとかやりたいんだよね〜そういや名前なんていうの?」
まずは自己紹介から-
「俺、阿修羅っていいます。実家からは遠いですが校風に惹かれて入学を決めました。変わった名前ですが覚えてください。」
微妙だが拍手が聞こえてきた。
とりあえずこんなもんか。目立たなければいい。中学の時のようないじめはごめんだ。
俺は全てをやり直したいという決意をこの時決めた。
第3話はこちらから↓
第1話はこちらから↓
