東京にいながら、森とつながっている
北海道の森に設置したトレイルカメラの映像が届いた。
現地でカメラを見守ってくださっているKさんが、ヒグマの映像だけを抜き出し、送ってくださったのである。
映像を見て、思わず息を呑んだ。
巨大なヒグマが背中を木にこすりつける。
さらに、豪快に樹皮を剥がしていく。
あれほど大胆な樹皮はがしは初めて見た。
一方で、Kさんの飼い犬に追われて逃げるヒグマの姿には思わず笑ってしまった。
野生の厳しさと、どこか愛嬌のある瞬間。
どちらも自然が見せてくれた貴重な表情だった。
そして今回、もう一つ驚いたことがあった。
Kさんから送られてきた一枚の写真。
そこには、トレイルカメラの内部にアリが巣を作っていた。
人間はヒグマを撮ろうとしてカメラを森へ置く。
しかし、そのカメラさえ自然の一部になってしまう。
森では、人間の想像を超えたことが起きる。
Kさんは、
「しばらく放置していると何かトラブルが起きやすいので、なるべく週に一度は確認したいものですね」
と教えてくださった。
僕は東京にいながら、北海道の森とつながっている感覚でいる。
今、森では何が起きているのだろう。
ヒグマは現れただろうか。
カメラはちゃんと動いているだろうか。
そんなことを想像する時間が、とても楽しい。
そして、そのつながりを支えてくれているのがKさんの存在だ。
現地で森を見守り、異変に気づき、カメラを確認し、映像を届けてくださる。
その積み重ねがあるからこそ、『HIGUMA KARMA』は少しずつ育っていく。
ドキュメンタリーに限らず、映画は監督一人では作れない。
作品の背後には、多くの人の時間と労力、そして信頼がある。
今回送っていただいた映像を見ながら、そのことを改めて実感した。
Kさんには、感謝しかない。
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