ほんとのたび #創作大賞感想
かつて、「機長からのアナウンス」という元機長のエッセイを読んだときのこと。その本は、古本屋で見つけて購入したもので、読み進めていると、栞の代わりだったのか、航空券の半券が挟まれていた。
当時はまだ紙の券が発行され、搭乗時に切り取られ、名刺サイズくらいの紙片(半券)として乗客に渡された。日付や、行き先、座席番号が記載されていた。
その半券は、中東の航空会社のもので、英語表記だったが、NairobiーDubaiとあった。日本語の本だったので、おそらく日本人の方が読んでいたのだろうけれど、本はいつもの古本屋で見つけたものだった。一体、どんな旅をしてきたのだろう。
読書と旅の相性の良さは、多くの人が知っているかもしれない。僕の場合には、読書で知った場所がきっかけとなって旅に出ることも多い。実際の景色を見てみたいとか、現地でその作品を読むことも面白い。
読書旅、という言葉を初めて知った。本を読むための旅、ということだろう。本を求めて、場所を求めて、時間を求めて、旅がしたい。
おかえりさんが、読書旅について解説している。
本を読むための旅、が流行っているらしい。本なんて、どこでも読めるじゃないかという人は放っておいて、何もかも手放して、ゆったりと本を読んでいたい。
おかえりさんの体験した読書旅の写真も素敵だけれど、何より読書をするための場所が設えられているということに感激する。本が読める宿泊施設が増えているのは喜ばしいことだ。
僕自身は旅に出ると動き回りたい性格で、ホテルでのんびり過ごすのが勿体無いと思ってしまいがちだ。しかし、目的が読書ならば、観光地ではなくてもよい。むしろ人が少ないほうが良いとさえ思う。
泊まらずとも、自宅の近所のブックカフェを探し、訪れてみたい。座って読める場所というのは意外と限られていたりするものだ。
おかえりさん曰く、住居を離れるだけで“旅”とする定義もあるらしい。なんという寛容さか。以前の職場で、千葉から通勤している同僚がいて“毎日小旅行”と笑っていたのを思い出す。
旅先での読書だけでなく、移動しているときの読書も好きだ。海外旅行中、縦書きの文章を読むと、なんだかホッとする。
ともあれ、本を読むために暮らしの場を離れるというのは、なんとも贅沢だ。モノよりコト、そんなふうに言われる現代の消費行動に、読書が含まれているとしたら、旅先での読書体験が人生を変える出会いになるかもしれない。
本を読むだけの旅、いつか実現させたい。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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