インディフィニト・ノート 26話
<前話までのあらすじ>
奥島は、自身の急所に黒崎からのとんでもない攻撃を受けて悶絶してしまう。この攻撃を解禁したくて全中戦争に参加した事が明らか(奥島と西田は知らない)にされる。金的攻撃からダメージが回復した所で西田が口笛で、
注意を逸らすとスピードスターの異名で知られる選手と変わらないロープワークを発揮してからの大技を黒崎に炸裂させた。
1話は<1~5P>こちらから
25話は<121~125>こちらから
26話<126~130P>
奥島はうつ伏せで気絶している黒崎を仰向けにすると足元へ移動して正面に移動した。相手の両手両足を股間辺りで左手首→右足首→右手首→左足首の順番に折り重ねる。そこから相手の足首を持ってロックした状態で上下をひっくり返し四つん這いにする。
この状態になると自力での脱出は、不可能になる。エル・ヌド(結び目固め)を元に開発されたジャベ(複合関節技)であり、T2Pのリーダーを務めていた男の代表的な技だ。名称はパラダイスロックである。
「お前、何してんだよ!」
意識を取り戻した黒崎がパラダイスロックに掛かっている事に気付き赤面している。今回は運良く観客が居なかったから、この程度で済んでいたが後輩にだけは見られたくない無様な姿だった。
パワー系ファイターを自負しているので散るなら潔くと決めていた。
「人聞きが悪いな~。色男を更に色男にする演出って言ってほしいな」
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話し終わると奥島は、黒崎の腰の上に座り込んで余裕をかまして悪態ついた。
「奥島、覚えてろよっ」
「笑わすなよ。それ俺が言った台詞だけどな」
鶴居は二人の会話を無視してリングに入ってきた。どうやらパラダイスロックが一人で脱出できないと判断したようだ。マットが揺れているので慌てて自軍のコーナーへ戻ると西田とタッチして選手交代に成功した奥島。
リングインした西田は首と肩を回しながら手をぶらぶらとさせるストレッチに集中している。鶴居が横から突き出す形で黒崎を転がすと簡単に技が解けて自由になった。自軍まで戻る動作を省いて、その場でタッチをしてしまった鶴居だが悪気があっての行動では、なかった。
ジャベを見るのは鶴居も初めてだったので、プチパニックになっていたのだ。不意打ち攻撃をしようとすれば出来たが西田は、黒崎がリングアウトしたのを確認してから鶴居との距離を詰めた。
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鶴居は奇声を発しながら袈裟斬りチョップを西田の胸板に見舞う。一度目は耐えたが同じ場所に2回目を喰らって片膝(左足)を付いた。ナタを振り下ろすようなイメージだが実際に喰らったのは初めてなので想像を遥かに超える痛みに身体が耐える限界を超えた。
次に鶴居は追撃の手を緩めずに中腰になっている相手の左側の腰辺りに狙いを定めて、右足から強烈なミドルキックを放つ。巨漢な為、動きは遅く蹴りのモーションから到達点を判断する事ができる。なので両腕を交差して拳を内側にし十字ブロックで対応する西田。
その時に腰を左に回して上半身の向きを蹴られる方向に正対していた。
これにより、ダメージを最小限に抑える事に成功していた。
「ぐふっ」
片腕だけならガードした状態でも吹き飛ばされていたと予想出来る程の破壊力だった。ノーガードなら肋骨にヒビが入るレベルだ。
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「ボクシングの高等技術であるクロスアームブロック(腕十字)を出してくる辺り、侮れない相手だと再認識させられるわ」
鶴居は動きが止まっている西田の髪の毛を掴んで立ち上がらせると両手で相手の腕を掴んで思いっきりロープに振る。
この時、黒崎がドラゴンリングインを繰り出す。ニックネームがドラゴンと呼ばれているドラゴン殺法の一つで、コーナーポストの最上段から何もし
ないでポンっと降りてくる動作である。流石の奥島も何がしたいのか分からずフリーズ状態になった。
奥島の思考が止まった状態を横目で確認しながら鶴居の元へ返ってきた西田をカウンター技のフラップ・ジャック(変形フェイスバスター)で後方へ投げた。正面から走り込んできた相手の片足を両手で抱え込むように高々と担ぎ上げた状態で後方に倒れ込んで相手の顔面をマットに叩きつける技だ。
このマットに叩きつけられる直前に黒崎が合流してのフェイスクラッシャーが加わった。
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いわゆるツープラトンが炸裂した。プロレスのタッグマッチに置いて花形の技が決まったのだ。合体技、同時技、合わせ技などとも呼ばれている。ちなみにフェイスクラッシャーとはヘッドロックせずに髪の毛や後頭部を掴んで顔面から叩きつける技で顔面砕きとも呼ばれる技だ。
黒崎は、後頭部を掴むパターンを使用している。お互い1つだけの大技が暁海校に先を越されてしまった形になっていた。西田は、うつ伏せのまま意識を失っている。
「まんまとしてやられたって事か……」
奥島はここでツープラトンが来るとは予想していなかったので一瞬、天井を仰いだ。
鶴居は自軍のコーナーへ戻るとリングアウトした。黒崎は西田を仰向けにさせると腹に片足を置いた。
無音な空間が3秒過ぎると両手を広げて挑発した。
「純粋なプロレスルールなら俺達が勝っていた。そうだろ?」
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26話<126~130P>
27話は<131~135P>こちらから
1話は<1~5P>こちらから
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