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インディフィニト・ノート 29話

<前話までのあらすじ>

 休憩中に鶴居の頭が冷静になった所で、互いが闘っている明確な理解が無かった事に対して返答を求めていた。ここから、かなり揉めそうになりそうな雰囲気を察して島谷が暁海高が求める明確な理由を説明して納得させる事に成功した。西田のコスプレの件も無事解決した所で試合再開の流れとなって西田が先に仕掛けて会場を盛り上げていた。

1話は<1~5P>こちらから
28話は<136~140>こちらから

         29話<141~145P>

 ふわふわした気持ちで戦えば大事故になりかねないと西田が敢えてヒール役を勝って出たのだと思った。しかし、黒崎の逆鱗に触れるまでは想定していなかったので奥島は同時に、やりづらさも感じているのが正直なところだった。

「そうだ。それで良いんだよ」
 リングに先に入ろうとする黒崎を助走を付けていた西田がビッグブーツを浴びせてリングから落下させた。この技は、片足を大きく上げて相手の顔面に打ちつける技でキックが得意な選手が披露する事が多い事でも知られている。

 立ち技や総合格闘技でも先ず見ることのない派手な動きなので初観戦の人にも分かりやすいと言えるだろう。最後に戻った奥島からは死角となっていたので怪我を心配していたが自軍の周りにも、いつの間にか体操競技でお馴染みのマットが敷かれていたので怪我の心配はなさそうだった。

「どこまでも、ふざけた野郎だ」
「そんなバレバレの動きをする奴が悪いんだよ」

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 黒崎はリングサイドを周りながら入るタイミングを伺っている。
「黒崎、再開して一回もリングに入れてないんだからグルグル回る意味なんてないよ。ちょっと冷静になりなさい」
 鶴居の指摘で恥ずかしい動きがカメラの向こう側の視聴者に見られていると思うと精神的ダメージが大きかった。

「悪い、完全に頭に血が上ってた。冷静を取り戻すまで、しばらく頼むわ」
「OKよ」
 鶴居がリングに入って西田VS鶴居の戦いが始まる。手四つで組み合うと鶴居が上から抑えつけるような動きでパワーを解放していく。体格差や握力で劣る西田は徐々に押されて片膝を着いた。

 普通の力比べなら、ここで勝負が決まるのだがプロレスは簡単には終わらない魅力がある。西田は、下から押し返して左右に広げると外側から平泳ぎみたいに円を描きながら手と手を胸前で合わせる。そこから内側に絞り上げると攻守が入れ替わり、鶴居が悲鳴を上げた。

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「こっから俺のショータイムだ」
 西田は手を解くと鶴屋の首の後ろに両手を回し顎下に頭を固定すると、その態勢のまま両膝を曲げて正座するように落下していくチンクラッシャーを繰り出す。別名は顎砕きとも呼ばれており、ある程度の体格差があっても自重を利用すれば流れを一気に変えることの出来る繋ぎ技でもある。

「イデェデエーーーーァ」
 顎へのダメージが効いているので、のたうち回っている鶴居。有名な技なので掛けられる寸前に舌だけは出さないように注意していた。素人は決して真似してはイケない技の代表格でもある。

 信頼関係で成り立っているとは理解しているが休憩後の序盤に出してくるような技ではないと認識していた。来ないと思っていた技のダメージは通常の倍の体感でもあった。鶴居が正常に戻るまでの間、自軍コーナーに戻って黒崎と戦いたい西田は奥島とタッチした。

 リングに入った奥島は、余裕のポーズをとった。タイミングがあれば真似しようと考えていた事が相棒にバレた訳だがカメラを意識して平常心を保った。 

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 黒崎は遊んでいた格闘ゲーム(筐体)機に戻ると自分の制服の内ポケットから禁煙パイポを取り出して一本を口に咥えた。一箱3本入りを二箱持ち歩いている。お気に入りはペパーミント味だ。しばらく吸い込んでいくと頭の中にあった怒りが、すぅーっと消えて行く感覚が現れていく。

 スリーカウントルールが無いのが不満過ぎたのか普段ではあり得ない動きで戦いに影響が出始めているのがショックでもあった。シングルマッチだったらと思うとプロレス好きが裏目に出ていて、あっさり負けていた可能性もあった。相方の鶴居には感謝しないといけない。

 冷静に戻った事を自覚してリングへと戻っていく。
「アンタもイカレ野郎なのね」
 ようやく意識がはっきりした所でマットから起き上がった鶴居は顎を手で押さえながら毒付いた。

「さぁどうかな」
 奥島は外国人のオーバーリアクションみたいに両手を広げてとぼけて見せた。

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 鶴居は打撃じゃない攻撃で顎を痛めたのは何年ぶりかというレベルだった事を思い出していた。奥島は自分と西田を勘違いしている事には一切触れずに、よそ見をしながら今日の夜の献立を考えていると奥島が張り手を出しながら間合いを詰めていた。

「奥島。突っ張りが来てるぞ」
「おうっ」
 西田からのアドバイスを聞いた時には、左右に逃げれるような雰囲気はなく。気付いたらコーナーから移動できずに鶴居のボディスプラッシュを喰らってしまう奥島。突っ張りはフェイクだった。 
 
「うぅっ」
 奥島は巨漢から繰り出される体当たり技をまともに、くらってしまったので反応速度が遅れてしまう。その瞬間を鶴居が逃す筈もなく、一本背負いで奥島を投げ飛ばしてマットに叩きつけた。

「オッフォ」
 バウンドはしたものの受け身をしっかりとした状態なので頭部へのダメージはなかった奥島。

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         29話<141~145P>  

30話は<146~150P>こちらから
1話は<1~5P>こちらから

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昌人っち(五十嵐 昌人) 父親(ドラクエマニア)から譲り受けた変速自転車(損傷)の部品交換代&おやつ代に当てたいと思います✨ あなたの応援が力になります! 

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