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ルーツ旅【山形庄内地方⑧】「昔々、熱狂的なブームがあってな・・・」

わが家の受難の始まりである(と私が勝手に思っている)祖母の家出には、いったいどんな事情があったのか。それを語るために、まずA教について簡単に説明することにします。

▼オカルティックな新興宗教

A教は、明治時代に1人の開祖と1人の指導者が開いた、神道系の新興宗教です。八百万の神のうち、特に1柱を重視しています。その指導者にはオカルティックな能力があったといわれ、私も昔、オカルト専門誌『ムー』で取り上げられたのを見たことがあります(「読んでるんかい!」という突っ込みはやめてくださいね……)。

昔は勢いがあったようですが、開祖と指導者が亡くなって以来、すっかり地味な感じになり、若い世代は知らない方が多いでしょう。ある程度年をとった方には、「大正・昭和と2回、国家的弾圧を受けた新興宗教」と聞けば、「ああ、あれね」とピンと来る人が多いのではないでしょうか。

誤解がないように言っておきますが、私はA教の教義が気に入らないとか、何か被害を受けたというわけでもありません。私自身、幼いころから祖母の家で朝晩、A教の神棚にお供えをしたり、見よう見まねで神事をしていて、それが嫌いではありませんでした。自宅に仏壇がある子どもが、親の姿をみて仏壇の前で手をあわせるのと同じような感覚だろうと思います。

またこの話は、親がカルト教団に入っていて、その教義を押し付けられた子どもがそれを脱出するためのストーリーでもありません(そもそも現在のA教はカルト教団ではないし)。私の母親は熱心な信者ではなく、私がA教に入るように言われたこともありませんでした

▼恐るべき母方の血

しかし、今から思えばこれが母方の血なのか、実は私は、宗教的な雰囲気が大好きな子どもだったのです

小学1年生のときに近所にできたキリスト教(プロテスタント系)の教会に6年間通い、牧師さんの推薦で同系の中高一貫校に入りました。それでも、信者以外は地獄に落ちるという教義に納得できず(注:実際はもっと柔らかな表現だったと思われます)、結局キリスト教にも入信しなかったのだから、いかに理屈っぽい子どもだったかおわかりいただけるでしょう。

しかしやはり宗教には興味があったので、大学入試の際、最初は神学部を検討したものの、就職が難しいとわかり、別の学部を選んだという経緯があります(宗教好きな母方の親戚のことを、とやかく言えないような気が……)。

あえていえば私は無宗教ですが、少なくとも神道には共感を覚えていて、ここ数年、仏教にも何かがあると思うようになりました。

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( ↑ 旅行記らしくするために、鶴岡の水族館の写真をどうぞ。クラゲとクリオネが印象的でした。あと海鳥の餌付けも)

▼当時は全国的に熱狂的なブームだった

その夜、おばが私の疑問に答えてくれました。

当時、A教は全国的な大ブームでね。山形にも宣教師みたいなのがたくさん来たの。それで、あなたのひいおじいちゃん・ひいおばあちゃんがすっかり入れ込んじゃって
本当は、ひいおばあちゃんの実家はお寺だったんだけどね。当時10歳だったおばあちゃんは、両親の影響で、熱心な信者になったのよ

なんと、山形の曾祖母の実家は、仏教のお寺だったとは……!!
(念のため、山形の曽祖父の実家は、かつて大庄屋&教師一家です)。

その後、曾祖母は若くして亡くなり、その後に嫁いできた継母とうまく行かなかった祖母は20歳になったとき、京都のA教本部に修行に行くことにして家を出たそうです。
なるほど、そういう経緯だったのか。

祖母が家を出てから色々あり、時間がたつうちに、山形の一族はまた仏教徒に戻ったようです。

▼取り壊された神殿

ネットで調べてみると、A教は大正から昭和にかけて勢力を拡大して、知識人や軍人、貴族がこぞって入信し、新聞社の買収や海外展開などで世間に大きな影響力を持つようになったようです。

しかし、天皇制と相いれない神話体系や、終末思想を提唱したために国家に目をつけられて、大正と昭和の2回、不敬罪や治安維持法を理由に弾圧されることになりました。

特に昭和の弾圧で、教団に関係する施設は徹底的に破壊され、そのとき、京都の曽祖父がかつて寄進した神殿も、取り壊されてしまいました

実は昔、親戚からこの取り壊された神殿のことを聞いたときから、私は曽祖父をはじめ、A教を信仰する親戚のことが心の重荷になっていました。

いまは地味な宗教とはいえ、かつて曽祖父がオカルテイックな教団に属し、国家から断罪されて迫害を受けたという事実。それが私のルーツのぬぐい切れない汚点になっているような気がしてなりませんでした。

なぜ京都の曽祖父がそんなことになったのか。それは私にとって、山形の祖母の家出の次に興味のあることでした。この謎はそのうち、ルーツ旅・京都編で解明されることになります(←予告)。

盛りだくさんの山形庄内地方の旅ですが、次回はちょっと息抜きして、現地の観光の様子をお伝えしようと思います。

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もののふ椿🌺ルーツ旅であなたもドラマの主人公に✨ サポートありがとうございます! 近々、家系図のよくわからない部分を業者さんに現代語訳してもらおうと考えているので、サポートはその費用にあてさせていただきます。現代語訳はこのnoteで公開しますので、どうぞご期待ください。

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