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貴婦人は何度でも蘇る、と思う

今日は早朝から、サッカーワールドカップの
日本VSオランダ戦を見ていた。
テレビを見るなどどれくらいぶりだろう。

私は日本代表をもちろん応援するが、
一番好きなのはイタリア代表だ。
だが、彼らアッズーリ(イタリア代表の愛称)は
今回はいない。
寂しいものである。

アッズーリが私にとって特別なのは、
2006年5月、
イタリアの名門クラブ、ユベントスがカルチョポリで
強制捜査され、大混乱の渦中で、ワールドカップ優勝
を果たして、イタリア国民に大きな希望を与えたからだ。

カルチョポリとは、ユベントスのクラブ幹部らが、
クラブに有利な審判を割り当てるよう圧力をかけていた
ことが発覚した事件だ。

この時、ユベントスの経営陣は逮捕され、
サッカー界から永久追放されると共に、
ユベントス自体も優勝を取り消され、2部リーグ降格
という処分を受けた。

私は当時、非常にショックを受けた。
イタリアの貴婦人(ユベントスの愛称)がゴミ屑のように、これまでのファンから掲示板とかで罵倒されるように
なり、傷ついたものだ。

とはいえ、やむを得ない。
クラブが起こした欧州サッカー史に残る闇だ。

なぜ、この事件と私がつながるのか??

私がユベントスのファンだったからというのもあるが、
私が初めて精神的に病んだのと、時を同じくしたからだ。

初めて大学で論文を書く時、
当時付き合っていた年上の彼女が病んで入院し、
最後に連絡を交わして音信不通になり、私も病んだ。

詳細はこちらに譲ろうと思う。


さて、私自身は長いこと、この「病み」と
付き合ってきた。
もう半分相棒のようなものだ。

コントロールできているのが不思議なくらいだが、
この一年は流石にきつかった。
カルチョポリの時のユベントスの混乱と変わらないほど。

初めての事務所の代表就任、
責任範囲の不明確さ、
できないこと、思い通りにならないことの強制、
「設定された否定的環境」の法人の中で、
私は、初めてパニック発作というのを経験した。

事務所にいれば、過呼吸、めまい、手足の痺れ、冷や汗、
ぐるぐる回る感じ、頭が働かない、資料作成ができない、
タスクの順番がわからない。
死神が鎌首もたげて常に背後にいる感覚。

しかし、私が居なくては回らなかった。
部下に社労士資格を持つ者はいない。
私が必要だった。
クライアントも私以外に頼れる人がいない。
責任感とプライドだけを杖に、
自分に鞭打ち、他人には無理するなと言いつつ、
私は、事務所を出て屋外喫煙所で、
資料を作り続けた。
事務所はいい、クライアントのためにと。
どれだけ煙草の量が増えたかわからない。

けど、それで、
クライアントの企業は立て直しに成功した。

私が、責任を果たした。
同時に力尽きた。

しばらく、平然とSNSは続けていたが、
精神はどす黒く汚れ沈み、家族とも話がまともにできず、
薬だけが増え、動くことさえままならない日もあった。
しかし、忙しい妻に代わり、家事だけは、と続けていた。

何より、仕事に関する情報、本、サイト、資料を目にする
たびに吐き気と心臓を鷲掴みにされる嫌な感覚があった。
これが一番悔しかった。
両翼、手足を、捥ぎ取られ、地上に突き落とされる感覚。

私は、自己肯定感も自己効用感もすっかり失っていた。
ハリボテの、それっぽいものだけでなんとか立っていた。

自分なりの社労士観はあったし、
こうしたいという思いもあったけど、
糸が切れた凧のような私、
無力感という底なし沼にズブズブと飲み込まれそうに
なっていた。
本当に、怖かった。
どれだけ荒んだか。

しかし、そんな中、SNSで知り合った人たちが、
私の社労士観を肯定してくれるようになってきたことを、
実感し始めた。

心も体もボロボロだが、
炉心は火が消えていないことを実感し始めた。

この火を守らねば、という思いだけで、
日々を生きていたのだ。

そうして、ようやくここ一週間くらいで、
専門書の内容が頭に入るようになってきた。

ようやく、思考力も戻ってきたように思う。
が、いったん電源が落ちたワーキングメモリが
再度立ち上がるには多少時間がかかるのかも知れない。

今の私は、カルチョポリ後にセリエB落ちした
ユベントスと同じであると感じてる。

セリエAに上がるには多少時間がかかるかも知れない。

が、その時、降格したにもかかわらず、中心選手はたくさん残ってくれた。
デルピエロ、ネドベド、ブッフォン、トレゼゲ、
カモラネーシ。
私にとっては永遠のヒーローなのだ。

それは、私を包み込んで、肯定してくれる人達と同じ。
感謝してもしきらない。

近年のユベントスはセリエA6位と、この頃に増して
ひどい成績だけど、いずれまた蘇るであろう。
カルチョポリ以前にも、
ヘイゼルの悲劇、近年のフロント混乱など、幾度もの混乱と悲劇を乗り越えてきたのである。

が、今回は、お先に私が蘇る。
ピサの斜塔のような優雅で素晴らしい成果物を作り、
クライアントに再び提供できるようになるのだ。

(尚、ピサの斜塔はイタリア中西部、ユベントスのホームタウンは北部トリノだろっていうツッコミは勘弁してほしい。笑)

何度でも蘇るのだ。


***

ご清読ありがとうございました。

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