体から整えるメンタルヘルス~組織でどう取り組む?~
※この記事は、⇩の記事の続きになっています。
よろしければ先にこの記事をご覧ください。
(本記事は、予防や生活習慣の改善に主眼を置いています。研究によって根拠が示されているものをまとめておりますが、疾患の治療とは異なりますのでご了承ください。)
前回は、「自律神経を整える」には、ただリラックスするだけでは足りず、
「交感神経の過活動を抑える」ことから始めないと効果は出にくい、ということをお話してきました。
今回は、職場で注意するべきことや組織として取り組めることは何か?という観点でお話していきたいと思います。
それでは早速見ていきましょう!
🟡職場のストレスケア、間違っていませんか?整えるべきは“自律神経”
▷ メンタル不調やパフォーマンスの低下…。
従業員の“見えない不調”に、どう向き合えばいいのでしょうか?
多くの企業が「心理的安全性」や「働き方改革」に取り組んでいます。
けれど、“身体に現れるストレス反応”までケアできている職場は、まだ多くはないのではないでしょうか?
この記事では、職場の中で自律神経を整える視点と、組織として取り組めるケアの方向性をご紹介します。
✅ 自律神経が乱れると、パフォーマンスが落ちる
慢性的なストレスや過労にさらされた状態では、体はずっと「緊急モード(交感神経優位)」になりっぱなしです。
そうすると、
・集中力の低下・判断力の鈍化
・睡眠の質の悪化・疲労感の蓄積
・免疫力の低下・体調不良の頻発
・感情のコントロールがしづらくなる
というようなことが起こります。
ビジネスパーソンにとっては致命的ですね。
これらはすべて、“出勤していてもパフォーマンスが下がっている”状態であり、これをプレゼンティーズムと呼びます。
ここからさらに体調を崩して休職・離職となれば、アブセンティーズムの問題にも発展します。
実は、プレゼンティーズムは、とても多くの経済的損失を出している、ということがわかっており、組織としてもこの改善に取り組む必要があるんです。
✅ 色んな所にある職場ストレス
職場ってどうしてもストレスを感じてしまう場所として認識されていますよね。
以下の内容が、ストレスと感じられることが多いようです。
・仕事の負担が重い
・コントロール(裁量権)がない
・自分の持つ技術が業務で活用できない
・対人業務
・交代勤務や夜勤がある
・残業日数が多い
・生きがいやハリがない
・悩みごとの相談相手がいない
あるある、という感じだと思いますが、
こういったストレス以外にも
“感覚的なストレス”があり、こういったストレスは見逃されやすいんです。
たとえば、
・蛍光灯のチカチカした光
・空調の音や換気不足
・デスクが窮屈で体を動かせない
・常に視線や声が飛び交う空間
こうした“五感に対するストレス”は、無意識のうちに交感神経を刺激し続け、心身の不調につながります。
職場が「安全な空間」と感じられるには、身体的にも安心できる設計が必要なのです。
業務内容や建物の問題で解決できない部分はあるかもしれませんが、
「解決・改善できるもの」「そうでないもの」をうまく分けて、
少しでもストレス源となるものを減らすことができるように職場全体で取り組んでいきましょう!
✅ 定性・定量の両面からのラインケア
自律神経の乱れを見極めるためには、言動の変化(定性的)+数値的(定量的)な視点を両方持つことが重要です。
・イライラした態度や言葉遣いが増えている。
・頑張っている様子が目立つが、ミスが目立ってきた。
・体調不良が増えた。
といったことも特徴の一つになります。
また、
・タスクが一人に集中してしまっている。
・重大な責任を持つ仕事をしている。
・異動や引継ぎなどで環境や業務の変化が多い。
といった状況に置かれている人も、ストレスがかかりやすいですね。
こういった時にHRVのような「ウェアラブルデバイスでの“見える化”」
は、社員自身が状態に気づく手段にもなります。
もしかしたら、スマートウォッチを使っていても、HRVを見ていない可能性があるので、
上記のような状態の社員に気づいた時には、話をしてみてもよいかもしれません。
また、そういった時にはタスクをうまく再分配することも必要です。
心身共に好調な社員に仕事を振り、疲れた兆候の見える社員への負荷は少し減らす。
そういったマネジメントも必要になるかもしれませんね。
✅ 「心理的安全性」=「身体的安全性」
「心理的安全性」は、単に“自由に意見を言える場”をつくることではありません。
誰かの「自由な発言」がほかの誰かを傷つけてしまうこともある。
誰も、何も言えない、という環境は良くないですが、好きに発言して人を傷つけてしまう環境も良くないですよね。
難しいのは、
「調子の良い時に言われても傷つかないことでも、調子が悪い時に言われればダメージを受けてしまう」
という点です。
こういった部分においても、マネジャーはうまくチームをマネジメントする必要がありますし、社員一人一人の状態に気を配っていく必要があります。
大切なのは、「ここにいても大丈夫」と感じられる環境を整えること。
こういった「繋がり」の感覚は、
副交感神経の働きと関連します。
また、オキシトシン、セロトニン、エンドルフィンなどの脳内神経伝達物質(いわゆる、幸せホルモン)の分泌量を増やします。
バリバリ働いて目標達成する!競争に勝つ!
という時や、
納期やばい!今日中に仕上げないと!
という時には
ドーパミンやノルアドレナリンが出ますが、これは交感神経と関連します。
どちらもモチベーションの高め方としては使い分けが必要ですが、
やはり長期的には、「心理的安全」が大事であり、そのチームとしての一体感こそが身体的な安全にもつながっていくと思います。
✅ まとめ:組織ぐるみで“整える”文化を
メンタル不調は、本人だけの責任ではありません。
そして、その兆候は“体の反応”として現れることがほとんどです。
見えないストレスを「見える化」するHRV
組織内に存在するストレスに気づき、改善する職場の体制
管理職ができる“気づき”と“働きかけ”
心と体、個人と組織、どちらも整える視点が、これからのメンタルヘルス対策には欠かせません。
少しずつ、組織内でも健康に働き続けるための施策を始めていきましょう!
総まとめ
ここまで第1部から第3部までお話をつづけてきました。
今までふんわりとしていたメンタルの不調やその解決策、そして組織として取り組むべきことがクリアになってきていれば幸いです。
今後も、ビジネスパーソンのメンタルケアや、それにつながるビジネススキル、チームマネジメントなどについて、記事を書いていきます。
ぜひぜひ今後ともフォローしていただき、ご覧になっていただければありがたいです。
また、「ビジネスパーソンが取り組むべき自律神経ケア」に関する講座も開催できますので、
ご興味ある方は、コメントください。
それではまたお会いしましょう!
