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文芸のクリティシズム・クリティークと文学理論

 文芸のクリティシズム・クリテックについてまとめてみました。日本では英語クリティシズムではなく、ドイツ語クリティークを使うのが一般的なのは不思議ですね。


文芸のクリティシズム・クリティークとはなにかという問い

 クリティシズム(英語)、クリティック(ドイツ語)についてネットでサイエンスとしての看護学のクリティークを知りました。
 次に文芸におけるクリティークはどうなのか疑問だったので少し調べてみました。

参考 サイエンスのクリティーク

 サイエンスのクリティークについてはネット上では看護学しかみつけられません。

看護学のクリティーク

 看護学のクリティーク方法論は確立して非常に理解しやすいものになっています。

「論文クリティーク」 に注目し.「批判」という言葉の意味について論ずることである.まず,研究論文の評価あるいは論文クリティークについて,看護研究の教科書に記述されている内容を概観する.そして,研究論文の構成要素ごとに評価基準をチェックリストのように用いてその価値を判断することが,論文クリティークなのだろうかという問題提起をする.その上で「批判」の辞書意味を明らかにし,看護学において「批判」という言葉はどのように用いられているか,さらに教育学と哲学における「批判」の概念について述べる.「批判」の意味に関して本稿では,批判とは単に対象の欠点を指摘したり,長所と短所を区別してその是非を判断したりすることではなく,あらゆる側面から対象全体を理解するように努め,そこからよりよいものを選び抜く営みであると主張したい.

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050564287546484480

そもそもクリティックとは

本書が掲げる「クリティック」は、ふつう「批評」や「批判」という日本語に訳されます。しかし、それらの語では十分に表されない意味が「クリティック」には含まれていることを日本の知的世界は気づかずにきました。その状況を憂える碩学が、これまでの仕事を総括するとともに、将来の知の土台を提供するべく、本書を書き上げました。

「クリティック」とは「物事を判断する場合に何か前提的な吟味を行う」という考え方です。その系譜をたどる道程はホメーロスから開始されます。そこからヘーロドトスとトゥーキュディデースを経てソークラテース、プラトーンに至る古代ギリシャの流れは、キケローやウァッローの古代ローマを経由する形で、一四世紀イタリアのペトラルカ、ヴァッラに至って「人文主義」として開花しました。この流れの根幹にある態度――それは、あるテクストを読み、解釈する前に、それは「正しいテクスト」なのか、そして自分がしているのは「正しい解釈」なのかを問う、というものです。こうした知的態度は古代ギリシャ以来のものであり、のちの者たちはその古代ギリシャ以来の態度に基づいて古代ギリシャのテクストを読み、解釈してきました。そして、それこそがヨーロッパの知的伝統を形作ってきた営みにほかなりません。

クリティック再建のために (講談社選書メチエ) Kindle版
木庭顕

では、文芸クリティシズムは?

 文芸クリティシズムとはなにかにトライということで、とりあえずウィキペディア先生に聞いてみました。

文芸評論(ぶんげいひょうろん、英語: literary criticism)は、文学評論すること。文芸批評、または文学研究とも言うが、評論の対象や手法が多様なため、定義は曖昧である。小説家や作品に限らず文学とその周辺全般が扱われ、学際的な性格を持つ。研究対象の性格によっては、「文芸」または「文学」という呼称がふさわしくないこともある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E8%8A%B8%E8%A9%95%E8%AB%96

 ウィキペディア先生で紹介があった入門書がありました。

批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

題材 小説 『フランケンシュタイン』

批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

 これによると、文芸クリティシズムとは、ある個別の理論の立場から文芸を読み解くことになります。ところが、この個別理論は文芸の理論ではありません。専門外から論じていることになります。専門の文芸理論といいますと、定説がないので困ったことになります。
 そこで私の知っている関連を以下リンクしておきます。

文学理論とは

 例によってウィキペディア先生です。

1960年代に入ると、現象学構造主義記号学などの哲学の研究成果を応用した新しい文学理論が登場し、文芸評論の枠組みを拡大させることに寄与した。1960年代以降、ポスト構造主義が文学理論に影響を与え、脱構築(ディコンストラクション)や精神分析学の活動があり、フェミニズムクイア理論ジェンダーやマイノリティの言説について分析した。新歴史主義(ニューヒストリシズム)、ポストコロニアル理論などが文学に影響を与えた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%AD%A6%E7%90%86%E8%AB%96


小説とは何か

 実は、小説など文芸の本質論など、定説がありません。が、それに挑んだ偉人が日本にいました。
夏目金之助です。

夏目漱石の文学理論

 夏目金之助 ペンネーム夏目漱石は文学論に関する論文を書いています。
 その理論をまとめると以下になります。難しい論文です。この内容を大学で講義したそうですが、前任者がラフカディオ・ハーンだったこともあり学生は目が点になっていたかもしれませんね。そのせいか、この理論の後継者はなく、文学理論は産湯とともに流されてしまったようです。

漱石の文学論
http://www.s-kawano.net/s-kawano/%E6%BC%B1%E7%9F%B3%E3%82%82%E8%80%83%E3%81%88%E3%81%9F.pdf

漱石が『文学論』の中で、「文学」として想定した概念は、〈F+f〉として数式化され、〈Fは焦点的印象又は観念を意味し、fはこれに附着する情緒を意味す〉と漱石は述べている。本論では、この「文学」という概念が、いわゆる小説や随筆、詩歌などのジャンルに分化することなく、非常に包括的に捉えられているという点にもっとも注目したい。いわば漱石には、ジャンルに分化する以前のより根源的な概念としての「文学」を想定しようとする意識があったといえる。

この「文学」概念を考えるためには、まず絶対的な必須要素とされる〈f(=情緒)〉の性格を明らかにする作業を主軸に据える必要がある。〈f〉を喚起し「文学」を成立させるためには、何を表現できるかという「対象」をまず第一に考え、続いてどのように表現できるかという表現「方法」について考えを進める

夏目漱石研究 —初期「文学」概念の可能性—(神田 祥子)
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/postgraduate/database/2010/869.html

漱石の論文

https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/60818_74606.html

https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/755_14963.html

https://yakumoizuru.hatenadiary.jp/entry/2017/12/28/105639


解説

https://note.com/meiya_kato1/n/n47de8af886c5

https://note.com/tomaki_note/n/n29e0f75a4ba0

夏目理論再構築


参考 近代日本文学の概略

 近代日本文学の概略が語られています。

ニュー・クリティシズム

 英米ではそれまでと異なり、純粋に作品に即して論じようとするニュー・クリティシズムができています。

ニュー・クリティシズム(New Criticism)は、20世紀の英米で行われた文学批評の方法。作品を社会的、歴史的文脈から切り離し、また作者の伝記的事実と結びつけることをせず、純粋に作品そのものに即して論じようとした。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%BA%E3%83%A0

日本語の批評の語源


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