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【試される家】ローンが終わる前に家が終わる【屋根壁防水編】住宅基礎知識

こんにちは。はぐれゴリラ@Mr.HOUSEです。

さて基礎知識編も後半に差し掛かってきました。
どこまでが基礎なのかわからなくなりつつありますが…
今回のテーマは「長持ちする家」です。
「めっちゃお金かけて豪邸建てました!」
でも気づいたら30年後…雨漏りでボロボロ…なんてことは避けたいですよね?

今回は家は雨からどのように守られているのかと、設計段階で考慮するべきメンテナンス性を考えた雨仕舞いのお話です。
わかりやすいように図も入れてみました。

空から襲い来る「雨」

みなさん雨が降った時、屋根や外壁など見えているところだけで建物をを守っていると思っていませんか?
「屋根材やサイディング、コーキングで水を弾いてるからOKでしょ!」と考えていませんか?
大きく間違えてはいません。

ですが外壁はいつか割れ、コーキングは切れます。
そしてどんなに丁寧に施工しても必ず水が侵入する経路は残ってしまいます。

なので実は、「水は必ず外壁の中へ侵入する」という前提で家は作られています。

家のバリア「一次防水」と絶対防衛線「二次防水」

屋根も外壁も基本的に二重のバリアで守るという考えの元設計されています。

一次防水(見た目のバリア)

まず外壁。
飛んできた雨などの水はまず外壁(サイディング、タイルなど)で大部分が弾かれます。
これは「一次防水」と言われます。
しかし継ぎ目やコーキングの切れ目などからどうしても入り込んでくる水分もあります。

二次防水(絶対防衛線)

この一次防水を突破した水分が家の躯体を濡らさないように防ぐのが「防水シート(透湿防水シート)」です。
これは「二次防水」と言われます。
よく現場で見るHMのロゴが入ってる白いシートですね。
この二次防水は外から見えません。ですが防水においては影の主役で家の絶対防衛線です。

屋根も同じ設計思想で作られています。
屋根材(瓦など)が一次防水。
その下にルーフィングと言われる屋根専用の防水シートが二次防水として貼られています。

このような構造で屋根、外壁は雨などの水から家を守っているんですね。

外壁断面図(通気工法)
サイディングなどには水の侵入経路がある
前提で設計されている。

隠されたリスク【二次防水も寿命がある】

一次防水(屋根材、外壁材)に寿命があるのは想像に難くないと思いますが、二次防水(防水紙)にも寿命があります。(20〜30年)。しかも張り替えには莫大な費用がかかります。(屋根外壁を剥がさないといけないので。)

じゃあ、二次防水が機能不全を起こしたら家の寿命ということでしょうか?
いきなり倒壊に直結するとは考えにくいですが寿命を縮めるのは間違いないと思います。
だからこそ二次防水に頼りきりにならないために設計段階で「そもそも水を入れないようにする対策」が必要です。

気をつけるべきは「屋根の形状」です

最強の防水は【重力】

「水を留まらせずにさっさと下に落とす。」
これが1番の防水対策です。接触する機会を減らすということですね。
複雑な屋根形状は一点に水が止まりやすく、それだけで「雨漏リスク」になります。
シンプルな形状が一番雨漏りを起こしにくいです。(※ただし片流れ屋根は注意、屋根形状についてはまたの機会に)

もう一つ、外壁にとって大事なことがあります。
「濡らさない」ということです。
そのために大事になるのは傘となる「屋根(軒)」です。
屋根を濡らさないというのは不可能ですが、壁は工夫次第で防ぐことができます。
軒をなくした四角いスタイリッシュな家、カッコいいですよね。
ですが雨漏り対策としてはかなり不安が残ります。
軒を出した屋根があることで家は、外壁というレインコートの上に傘をさしていることになるのです。

これらの理由から屋根の形は重要なのです。
これだけで壁の寿命は確実に伸びます。

【重要】入ってしまった水の「逃げ道」【通気層】

実は、二次防水(防水シート)と一次防水(外壁材)の間には、必ず「通気層」という空気が流れる隙間が必要です。(※屋根にも同様の通気層が必要ですが、構造が少し複雑なので今回は壁の話に絞ります。前述の屋根の寿命も同様です。)

通気層は「木を腐らせないため」の「空気の経路」だと思われていますが、雨仕舞いの観点ではもう一つ重要な役割があります。

「侵入した雨水の排水経路」としての役割です。
空気を通して湿気がこもらないようにすると同時に水が下に抜けていくために必要な隙間でもあるのです。

もしこの「隙間」がなければ、万が一侵入した雨水は、防水シートと外壁の間に留まり続け、ジメジメとシートを攻撃し続けます。

先程と同じ絵です。外壁の裏側に
通気層があります。

かつてこの通気層を取らずに外壁を貼った住宅(直貼り工法)がたくさん建てられました。通気層のない住宅では躯体が朽ちて劣化することがわかってきています。
現代の家では通気層を取らないHM、工務店はほとんどないでしょう。(たまにそんな記事を見かけはしますが…)

しかし油断してはいけません。
この通気を窒息させるような施工がデザイン重視の住宅では当たり前のように行われていることがあります。

みなさんは「パラペット」という屋根形状ご存知でしょうか?

家のアクセントになる四角いおしゃれな形。
実は「通気」の観点から見るとあり得ないことが普通に起きている危険な形状なのです。

(次回、「パラペットの闇」へ続く…)

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