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【外壁編シーズン2・第3章】外壁の深淵歩き。マニアックすぎる「特殊系」外壁材

こんにちは、はぐれゴリラです。

これまで、王道のサイディングやガルバ、そして意匠と引き換えに家を押し潰す重量級外壁たちを解剖してきました。

「じゃあ結局、何を選べばいいんだよ!」

そんな「家づくり亡者」のみなさん。
安心してください。答えはありませんよ!

外壁の沼は深いのです。

家を建てた後にも「これでよかったのか?」「もし次家を建てるならアレにしよう。」
なんてずっと考えています。

家づくりは「深淵」です。

「心が折れそうだ…」

勇気を出して深淵を歩き、そんな苦しみのメッセージをいくつも乗り越えた先に「家」はあるのです。


さてそんなダークなソウルの話はさておき、今回は第3章、特殊編です。

日本の住宅市場ではマイナー寄りですが、「深淵」に挑む施主たちがこぞって検討する、知る人ぞ知る外壁材たちを紹介します。

僕も家づくりの過程で真剣に検討したものもあります。
そんなクセの強いヤツらです。

1. 塗り壁界の黒船「Sto(シュトー)」

ドイツ発祥の世界シェアトップクラスを誇る塗り壁システムです。

これを聞くだけでなんだかすごそうですよね!

前回第2章で、塗り壁はいつかクラック(ひび割れ)が入ると書きましたが、Stoはそこに真っ向から喧嘩を売っています。

Stoの塗り壁材には特殊な樹脂がたっぷり混ざっており、ゴムのようにしなるため、地震が来ても非常に割れにくいのです。

でも塗り壁である限り限界はあると思っていますが…

さらに、ハスの葉(ロータス)効果と呼ばれる超撥水テクノロジーで、雨が降るたびに汚れを転げ落とす自己洗浄機能まで持っています。


ゴリラの警告:塗り壁の皮を被った、断熱課金トラップ

じゃあ塗り壁にしたいならSto一択じゃん、と言いたいところですが、大きな壁があります。

Stoは基本的に、EPS(発泡スチロールの板)を下地として外壁に張り巡らせ、その上に施工するシステムです。

つまり、外壁材を選ぶつもりが、自動的に外張り断熱(付加断熱)を施工することになります。
(※EPSを使わない通気工法もあります…が今回は触れません。)

もちろん家の断熱性能が爆上がりするという素晴らしいメリットですが、それに伴い金額も爆上がりします。

ただカッコいい塗り壁にしたいだけなのに、なんでこんなに高いの、という予算オーバーの沼に引きずり込まれる覚悟が必要です。

(※実はこのStoと付加断熱の組み合わせには、僕としては夜も眠れなくなるほどの深い話があるのですが、語ると一回分使ってしまうので、いずれスピンオフ回として単独で握りつぶします。笑)

こういう雰囲気。
実際はもっと複雑な下地があるので、あくまで雰囲気ですが…


2. メンテナンスフリーの最終兵器「樹脂サイディング」

北米では外壁の半数以上を占める超メジャー素材ですが、日本ではそうでもないというマイナーな扱いを受けています。

素材はその名の通り、塩化ビニル樹脂、要するにプラスチックの親戚です。
そしてこの素材自体の性能は最強の一角です。

まず、とにかく軽い。
そして最大の特徴は、コーキング(目地)を一切使わないことです。(部分的には使いますが、外壁としては使いません。)

板同士を重ね合わせて張るだけなので、窯業系サイディング最大の弱点だった目地の劣化がそもそも存在しません。

さらに金太郎飴のように中まで同じ材料なので、表面の塗装が剥がれて水を吸うという概念自体がなく、再塗装が不要と言われています。

ゴリラの警告:日本の過酷な寒暖差と、職人不在の闇

最強なのになぜ日本で普及しないのか。
理由は独特のデザインだけではありません。

樹脂は温度変化によってめちゃくちゃ伸び縮みします。
夏の猛暑で膨張し、冬の極寒で収縮する。

長さ4メートルの板で、夏と冬で1センチ以上も長さが変わると言われています。

そのため、職人が窯業系と同じ感覚でガチガチに釘を打ち込んで固定してしまうと、夏の猛暑で板が膨張したときに逃げ場がなくなり、外壁全体がボコボコに波打ちます。

寒暖差の激しい日本において、この樹脂の特性を理解してルーズに釘を打つ特殊な施工ができる職人が少なすぎる、というのが最大の壁だと思っています。

さらに、再塗装不要とはいえ紫外線による劣化は確実に蓄積します。

何十年も強烈な紫外線に晒されれば、冬の極寒期に樹脂が硬化して脆くなり、子供の投げたボールが当たった拍子にバキッと割れる、なんてリスクも潜んでいます。

3. 伝統とロマンの黒鎧「焼杉(やきすぎ)」

最後は、自然派の施主に根強い人気を誇る、焼杉です。
杉の木の表面をバーナーで真っ黒に焦がし、炭化させた無垢の木の板です。
(焼き方もいろいろあるんですよね…こだわり始めるとキリがありません…)

表面を炭のバリアで覆うことで、木材の弱点である水に弱い、虫に食われる、腐るという問題を解決した、昔の人の知恵の結晶です。

やはり、珍しい外壁材であるので僕も街で見かけたことは2回ほどしかありません。

焼く前と比べると、吸水性が低く寸法も安定しており、あのマットな黒い外観は、他の工業製品では絶対に真似できない「和」の凄みがあります。

ゴリラの警告:炭の鎧はいつか剥がれ落ちる

自然のものは、自然に還ります。
焼杉の真っ黒な炭化層は、数十年という年月の中で、雨風に打たれて少しずつ削れ落ちていきます。

特に日当たりや雨掛かりの強い面(ここでも軒が大事なんですね!)は、最終的に炭が落ちて、ただの木の板(シルバーグレー)に変化します。

これを美しい経年変化、ロマンと捉えられるか、ただの劣化と捉えるかで、焼杉の評価は180度変わります。

さらに日常的な罠として、壁にうっかり寄りかかると服が真っ黒の炭だらけになるというトラップもあります。

知らず知らずのうちに黒い炭を家の中に持ち込んで汚してしまうかもしれないという、想像しただけで震える問題です。

まとめ:特殊素材は、施工力と覚悟が試される

今回紹介した、樹脂、Sto、焼杉。
どれも一般的なサイディングにはない、尖りまくった魅力を持つ素晴らしい外壁材です。

しかし、メジャーではない分、それを正しく施工できるビルダーを探す難易度が跳ね上がりますし、施主側にも素材の特性を理解する覚悟が求められます。

メジャーな材料はそれだけ理論やマニュアルも確立されているということです。

誰もやっていないオンリーワンの家を目指すなら、これらの特殊素材という深淵を覗いてみるのも面白いかもしれません。

さて。
全3章にわたり、ありとあり得る外壁材をゴリラの視点で叩き割ってきました。

結局どれを選べばいいの。
というか、色はどうやって決めたらいいの。

次回、いよいよ最終章。

外壁に答えはありません。
「ダークソウル」も「家づくり」も周回プレイが前提のゲームデザインになってます。

ですがそんな「深淵の歩き方」はあります。

カタログや小さなサンプルでは絶対に気づけない、僕なりの外壁選びの結論をお届けします。

色選びで失敗して、新築なのに毎日ため息をつきたくない方は、絶対に見逃さないでください。

では…
「太陽万歳!」

太陽讃美
何度作ってもあのポーズにならなかった…


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久しぶりに国家試験の話でもしようか。

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