40代の読書 2025年12月の記録
2025年末に一気に読んだ本、そして、2026年読みたい本について。
前回お話したとおり #サド伯爵夫人 #ノヴァセン は1月〜2月に。
12月の4冊
#三木三奈 アイスネルワイゼン
#ヘルマン・ヘッセ シッダールタ
#出世7つの法則 ジェフリー・フェファー
#ミラノ霧の風景 須賀敦子
2026に持ち越し本(再読含む)
#「明恵上人」みょうえしょうにん(すぐ読み方忘れる・・) 白洲正子
#「世界99」 村田沙耶香
#「上杉鷹山」 童門 冬二
#「街とその不確かな壁」 村上春樹
#「インザメガチャーチ」朝井リョウ
#「パリ・ロンドン放浪記」ジョージ・オーウィル
#「善悪の彼岸」ニーチェ
#「エタンプの預言者」アベル・タンカン
#「星の巡礼」パウロ・コエーリョ
#「ガリバー旅行記」スウィフト
実は2025年1月からnoteを開始。読書録は、皆様が気になっていることなのだろうか・・・他のnoteコンテンツに比べると定期的に読んでいただけるようだ!ありがとうございます。
書くことを始めたかった理由は、40代後半には小説家になりたいというちょっとした希望を持っていて、好きな作家の作風・書く視点・独特の描写などを書き留め、自分の作風として近い手法がなにかを見極めるためだ。まだまだ自分には到底たどり着いてはいないが「書くために読んでいる」というフェーズをやっている。
その中で、森鴎外の時代の流れに抗えない悲劇であったり、村上春樹のさらっとした文章であったり、シェークスピアの普遍性であったり、羽田圭介のとてつもなく細かく鋭い仕草の描写であったり。仏教にありスピノザやカミュなんかにも通づる思想であったりを、ほぼ無意識に追っていてそれは結局昔から好きな思想体系なのだと知ったことは、2025年において自分の中でとても大きかった。考えながら戦略的に読むということを2026年もつながりとしてやっていきたいと思った。自分を知る大事な作業なのだ。
さて12月の4冊。
#日本語なのに・・・言っていることが伝わらない 。そういうことが最近増えてない?
アイスネルワイゼン」三木三奈。
芥川賞候補作にふさわしい、鋭く、心地の悪い、新しい感覚の言語化。話しているのに(同じ言語なのに)全く通じず、時間がかかり、自分が消耗していくという最後の下り。ぐったり主人公が倒れ込む感覚。「なんとなくそういうことあったよね・・」と思うことが最近多いと感じませんか?
「ハリガネムシ」吉村萬壱の気持ち悪さとちょっと似ているとも感じた。話の通じないリアル。この三木三奈さんの本は、朝井リョウ推薦。
#キリスト教と仏教は「我」の作り方が違う
「シッダールタ」ヘルマン・ヘッセ 1922
第一次大戦と第二次世界大戦のドイツを生きてきたヘルマン・ヘッセ。その間、自己に、自己の在り方に、政治に平和に、心を痛めてきた人生。それだけで本を読んでみたいと思える。今回「シッダールタ」を読んでみようと思った理由は、仏教(特に密教)がきっかけだった。キリスト教的な神のあり方と(私の生きる日本の)仏教とでは神や世界の考え方が違う。その中で、西洋化(ウェスタナイズ)された思考から、がらっとOSを変更する形で自己の在り方を、第一次世界大戦後に考えてみたのがヘッセ。ヘッセのおじさんが日本で教師をしていたということもあり仏教・東洋にヘッセは興味を持ったらしい。自己やエゴの邪念を払い、悟り得ていくその道の考え方は、当時の西洋人のOSからすると全く考えられないであろう思考で、(それでいうと日本人はなんとなくOSとして持ち得ているので割とすっと入ってくる)で、言語化を試みたヘッセを本当に尊いと思う。
#社会科学的に”権力と出世”に対峙することも必要
「出世7つの法則」 ジェフリー・フェファー
前にも書いた社内政治について、私は日本企業じゃなくてむしろ外資系企業のほうがあからさまだという話を伝えた。 またもう一つ。”権力や出世”と聞いただけで、否定的になる人も多い。ジェフリーもまずそのことを本の冒頭で言及していた。
ジェフリーは続けて、「権力」それ自体を否定してたら、出世どころか企業組織のキャリアアップは期待できないという。外資系グローバル企業は、白人男性(さらにイギリス人の貴族としての役目ノブレス・オブリージュとも相まって)の”当たり前の自信ある権力”が強い。彼の言葉でいうと、厚顔無恥なそれ。ただこれは学術的に彼が分析している結果だ。私の言葉にすると”そんなボーイズクラブ白人主義的なグローバル世界で勝つために”、彼によって抽象化された7つの法則を伝えている。
これを読むことにしたきっかけは、Master Class。実際、半額セールに登録はしなかったのだが、この作者ジェフリー・フェファーであったり、VOGUEのアナ・ウィンターであったり、ナタリー・ポートマンであったりの講義が聞けるサイト。今回はジェフリーの「権力の講座」を見たくて購入を考えたが、彼の本をいくつか見たあとにすることにしたら、なんだかそれで買わなくとも解消された気になったというわけ。
7つの法則だけメモとして書いておく
①自分の殻を抜け出せ たとえば ”悪名高い!?”権力から絶対に逃げない
②ルールを破れ 例えばイーロン・マスク
③権力を演出せよ 例えば無茶な依頼をしてみたり遅く返事をしたり
④強力なパーソナルブランドを確立せよ 例えばスタイルの確立。自分の物語の作成
⑤ネットワークをつくれ 重要なのはゆるく薄く
⑥権力を活用せよ 権力がありそれを使う意思があることを見せる
⑦成功すればほぼすべて許される
#全く知らないイタリアなのに 、なぜか読みたくなる図書案内
「ミラノ 霧の風景」須賀敦子
この本は図書案内ではなく、1950年代後半〜1960年代初頭イタリアの人の感情と風景を言葉にしたエッセイ集。しかし、その中で、作家やアーティストなど著者自身の人のつながりが見えるので、読みたい本や作家が増えたという意味で”図書案内”とした。
私が上京して大学1年生のころ、須賀敦子が大好き且つ将来はイタリアで絵の修復師になりたいという2個上の先輩から教えてもらった本。今回はヨーロッパ帰りの知人にいただいて再度トライすることにした。大学のその先輩とは疎遠になってしまっていたが、卒業して数年後、インターネット上でイタリアにいることがわかりほっとしたことを思い出した。当日は、全くこの本に興味もなく、何がいいのかもわからなかったがそれから25年経て、やっと重みの理解ができるようになっていた自分を褒めてあげたい。
イタリアのいろんな地域の生き方、食べ物、感じ方などを非常に優しく丁寧に書いてあり、どの地域の人も好きになってしまう、そんなエッセイであった。人生模様ということでは、もちろん楽しいことだけではなく、はっとする悲しい事件も起こる。そんな市井のイタリア人の日常を、爽やかな風のように言語化してしまう美しさにも魅了される。
これは何度も人生で読んでしまう本になると思う。その理由は、たくさんの本と文化・場所が紹介されていて、そこを深堀りしたいと思うから。また、人と感情のリアルで温かい表現が本当に素敵で、今後エッセイや文章を書く上でも理想的な書き方だと思ったから。
2026年、たくさん深堀っていきたいと思う。今年どうぞよろしくおねがいいたします。
終
