思考を分断するツールに、ずっと違和感があった
QAエンジニアのつーつーです😁
思い立ってから実現させるまでに気が付けば3年が経ちました。(長いような短いような…)
今回は、私が今まで感じていたモヤモヤ、「世の中の不合理で不条理な仕組み」に対して、手を打つことができないか?という思いを実現させるために作ったサービスの話をします。
皆さんも感じていると思いますので、読んでいただけると嬉しいです😊
ツール5つを使い分ける「優秀さ」の正体
SESで100社以上の企業に関わってきて、ある光景を何度も見てきました。
ブレストはMiroで。タスク管理はJiraやBacklog、あるいはExcelで。構造整理はマインドマップなど。ドキュメントはNotion。進捗報告はスプレッドシート。などなど組み合わせは多岐にわたります。
ツールを使いこなしています。一見すると、よくできたチームに見えます。
でも実際に中に入ると、こんなことが起きています。
ホワイトボードで出したアイデアを、誰かがカンバンに手で書き写しています。マインドマップで整理した構造が、タスク管理に反映されないまま放置されています。「あのアイデアどこに書いたっけ」と、3つのツールを行き来する時間が生まれています。
ツールが増えるほど、「ツールを管理する仕事」が増えていきます。
本末転倒なのに、誰もそれを疑いません。なぜなら「複数のツールを使い分けること」自体が、仕事ができる人の振る舞いに見えるからです。
以前書いた「サンクコストと維持費に縛られない選択」や「トンネリング効果と組織における重要性」で触れた構造と、これは根が同じだと思っています。慣れ親しんだ非効率に、人はしがみつきます。それが「合理的な選択」の顔をしているなら、なおさら手放しにくいものです。
「考える」と「実行する」の間にある溝
もう一つ、ずっと気になっていたことがあります。
思考のツールと実行のツールが、完全に分断されていることです。
マインドマップを描きます。全体構造が見えます。関係性が整理されます。「よし、これでいこう」と思います。
......で、次にやることは「タスク管理ツールを開いて、一から入力し直す」。
この瞬間に、思考の文脈が切れます。
マインドマップの「この枝はこういう意図で伸ばした」という背景は、タスクのテキストフィールドには転写されません。優先順位の感覚も、空間的な配置が伝えていたニュアンスも、全部消えてしまいます。
KGI/KPI/OKRの記事で書いた「目標の構造化」も、結局はこの接続の問題に行き着きます。構造を描くことと、構造に基づいて動くことが、ツールの壁で分断されています。
フレームワークは知識として持っています。でもそれを日常の作業に落とし込む「橋」がありません。
だから、自分で作ることにしました
ここから先は、noteでいつも書いている「概念の話」ではなく、「自分がやっていること」の話になります。
実は昨年から、上に書いた課題を解決するためのツールを開発しています。
WeProcessというプロジェクト管理プラットフォームです。
「また新しいプロジェクト管理ツールか」と思われたかもしれません。その反応は正しいと思います。世の中にはプロジェクト管理ツールが溢れています。
ただ、WeProcessが解決しようとしている問題は少し違います。
ホワイトボード、カンバン、マインドマップを「別々のツール」ではなく「一つの思考空間」として統合します。
マインドマップで描いたノードを、ワンクリックでタスクに変換できます。ホワイトボードの上で自由に考えたことが、そのままカンバンボードのタスクとして動き始めます。
「考える」と「実行する」の間にあった溝を、埋めたかったのです。
フレームワークは「学ぶもの」から「使い回すもの」へ
もう一つ、WeProcessでやりたかったことがあります。
このnoteで書いてきたようなフレームワーク
KGI/KPI/OKR、EQ型組織の評価軸、認知バイアスへの対処法など
これらを、知識として読んで終わりにするのではなく、テンプレートとしてそのまま使えるようにしたいと考えました。
WeProcessにはテンプレートマーケットプレイスがあります。
誰かが作ったフレームワークのテンプレートを、自分のプロジェクトにそのまま適用できます。
逆に、自分が実務で磨いたフレームワークをテンプレートとして公開し、他のユーザーから「いいね」をもらうこともできます。
その「いいね」はポイントとして蓄積されます。ゆくゆくはそのポイントを換金できる仕組みも実装予定です。
つまり、知見を共有することが、そのまま評価と収益に変わります。
ニュートンの「巨人の肩の上に立つ」という言葉があります。
WeProcessのホームページにもこの言葉を引用していますが、フレームワークの共有と再利用は、まさにこれだと思っています。
誰かの思考の上に立って、さらに遠くを見る。それが当たり前にできるプラットフォームを作りたいと考えています。
秘匿性と、「本当のオリジナル」について
「テンプレートを公開する」と聞いて、躊躇される方は少なくないと思います。
「個人や自社で磨いてきた知見を出して大丈夫なのか」「業務の中身が見えてしまうのではないか」——こういう懸念は、価値ある知見を持っている人ほど強いはずです。
最初に明確にしておきたいのですが、社外秘の情報を公開することを推奨するつもりはまったくありません。NDAや就業規則で守られているものは、守られるべきものです。それを匿名性の陰で出すような使い方は、WeProcessが目指していることではありません。
その上で、書いておきたいことがあります。
100社以上の現場を見てきて気づいたのは、「うちの会社固有のノウハウ」だと信じられているものの大半が、実は固有ではない、ということです。
別の業界の書籍に、ほぼ同じ構造のフレームワークが書かれています。別の会社のブログに、似た発想の運用例が載っています。
誰かが講演で話している、別の誰かがOSSで公開している。
人間の考えることの輪郭は、思っているほど離れていません。
「これはうちのオリジナルだから出せない」と感じるものの多くは、
文脈や呼び名が自社用にカスタマイズされているだけで、骨格は既に世の中にある
自分が知らないだけで、他社の誰かが既に発信している
「肩の上に立った」一段目を忘れているだけで、二段目の自分も誰かの肩の上にいる
このどれかに当てはまります。
だから、テンプレートとして切り出して公開するときに本当に問うべきは、「うちのオリジナルか」ではなく、「具体的な顧客名・プロジェクト名・社内固有の数字や事情が剥がれているか」だと思っています。
骨格としての考え方は、たいてい誰かが既に発信していて、出していい。
固有名詞や具体的な内部情報は、出してはいけない。線引きはそこです。
WeProcessの設計も、この線引きに沿っています。
普段のプロジェクトは秘匿される
日々動かしているプロジェクトのデータは、自分以外の誰にも見えません。チームで使う場合も、招待した人にしか共有されません。
公開するのは、切り出した「テンプレート」だけ
テンプレート化の段階で、固有名詞や具体的な数字は自分の手で外せます。残すのは「構造」と「考え方」です。ここを丁寧にやるのは、最終的には公開する人の責任になります。
匿名での公開も選べる
その上で、所属組織やアカウントを晒さずに匿名で出すこともできます。これは「身バレを避けてグレーな情報を出す」ためではなく、「公開する側の心理的なハードルを、必要以上に上げない」ためのものです。
ニュートンの「巨人の肩」の話に戻ります。
肩の上に立つには、誰かが肩を貸してくれている必要があります。でも、自分が肩を貸す側になるとき、人はつい「これはうちのオリジナルだから」と引っ込めてしまいます。
ほとんどの場合、それは既に世の中にあるものです。
ないのは、「あなたの言葉で、あなたの整理で書かれたバージョン」だけです。
今の状態と、これからのこと
正直に書きます。
WeProcessは現在プレローンチ段階にあります。
今使える機能:
ホワイトボード × カンバン × マインドマップの統合
マインドマップ→タスクへのワンクリック変換
ナレッジシェア(スライド共有)
ゲーミフィケーション(XP、レベルアップ、宝石ランクシステム)
12言語対応
無料プランで3プロジェクトまで利用可能
今開発中の機能:
チームメンバー機能
テンプレートマネタイズ(ポイント換金)
AIアシスタント
CSVインポート/エクスポート
開発中の機能が一通り揃った段階で、Product Huntというグローバルなプロダクトローンチプラットフォームでの正式ローンチを予定しています。
ただ、コアとなる体験「考えたことが、そのまま実行に繋がる」は、
今日この瞬間から使える状態にあります。
読んでくださっている方へ
このnoteをいつも読んでくださっている方には、3つのお願いがあります。
① 触ってみてください
https://weprocess.jp から無料で登録できます。
クレジットカードは不要です。マインドマップを描いて、それをタスクに変換する体験を試していただけると、この記事で書いた「思考と実行の溝」が何なのか、体感でわかっていただけると思います。
② フィードバックをいただきたい
「ここが使いにくい」「この機能がほしい」率直な声が、開発の方向を決めます。一人で開発しているからこそ、使う人の声が何よりのガイドになります。
③ Product Huntでの応援準備
正式ローンチ時に、Product Huntというサイトでの投票をお願いする予定です。もし興味があれば、今のうちにProduct Hunt(https://www.producthunt.com)のアカウントを作っておいていただけると、その日がより意味のあるものになります。
最後に
SESで100社以上の現場を見てきて、「ツールの問題」を「人の問題」にすり替えている場面(逆もしかり)を何度も見てきました。
「使いこなせていないのはスキルの問題だ」「ワークフローを改善すればいい」確かにそれも一面の真実ではあります。
でも、そもそも「考える道具」と「動く道具」が分かれていること自体が、構造的な問題なのだとしたら。
その構造そのものを変えようとするのが、WeProcessで自分がやりたいことです。
プレローンチ段階の、まだ全てが揃っていないツールです。でも、核にある思想は最初から変わっていません。
興味を持ってくださった方は、ぜひ一度触ってみてください。
これまでの記事で触れてきた概念を、もう少し実務に近い形で展開していきたいと思っています。
WeProcessの開発日記的な記事も今後書いていく予定なので、興味のある方はフォローしていただけると嬉しいです。
正式ローンチしました。なぜWeProcessを開発したのかについての記事です
