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福沢諭吉が遺した、「国民の記憶に残すべき」三田演説館 | 慶應大学 東京建築祭を歩く#2

前回は小学校でノスタルジーを味わった後に、大麻のにおいがすると噂の公園と、長澤まさみが同棲していたマンションの前を素通りしてきた。

50分ほど歩いて辿り着いた、慶應義塾大学三田キャンパス。敷地内に入るのは一瞬躊躇したが、建築祭の参加者らしきお客が沢山いて心強い。

そうは言っても、制服姿の女子高生と行く先は違うだろう。ちょうど今頃はオープンキャンパスの時期だろうか。

重要文化財、慶應義塾の三田演説館。

福沢諭吉がつくった我が国初の演説会堂だそうだ。"演説をするための建物"というのが個人的にはかなり新鮮である。それをチャッピーにぼやくと、"欧米のスピーチ文化を見た福沢諭吉が持ち込んで、当時も最先端だったこと、今のTED会場みたいな感じ"と教えてくれた。なるほどね。

これは私の知っている福沢諭吉の顔でない気がする。旧一万円札より少しお年を召されたような雰囲気。

外壁はかなり特徴的な、なまこ壁。江戸時代の蔵造りの技術だ。木造瓦葺き。建築的な視点では、アメリカの図面をもとにしている明治初期の洋風建築の珍しい遺構だそう。和洋折衷のデザインで、素人目でもその魅力に惹かれた。

建物内に入ると、まるで教会であった。今年の冬に訪れた網走監獄の教誨堂にも似ている気がする。私自身がキリスト教系の大学に通っていたこともあり、どことなく馴染みのある雰囲気だ。

演台に立ってポーズを決めるお客たち

装飾の少ないシンプルさが洗練されていて良い。それゆえに演説に集中できる空間と納得できる。また、目線を上げた中央位置に福沢諭吉先生の肖像画が飾られていた。腕を組んだ全身絵は、迫力と無言の説得力をも感じさせる。

建築祭は5/16〜5/24まで開催されていたが、この三田演説館の公開はこの日だけ。だから人が多いわけだ。

ここまで歩いてきたため、ようやく座れる喜びを噛み締める。この中で私ほど椅子を渇望する人はいないはず。

広すぎない、ちょうどいい規模感が安心する。2階席も特別感があるけれどどんな人が座るのだろう。

途中から、解説の方が演台で資料を見せながら何やら話していた。ザワザワしていたのもあって全く聞こえなかった。少し声を張ったくらいではマイクがないと後ろの席まで聞こえないが、実際に演説するときの、シーンと張り詰めた(お腹の鳴る音が恥ずかしくなるほどの)緊張感ある空間が想像できる。終演後の拍手喝采もかなり響きそう。そんな想像が捗りつつ、今回は時間もあったので失礼した。

天井に歴史を感じる

福沢諭吉が晩年、"国民の記憶に存すべきもの"と称した三田演説館。今度は是非演説のあった機会に訪れてみたい。

ちなみに今回の記事作成にあたって、「慶応」か「慶應」か表記の正誤を調べてみた。NHKの見解はこちら。今回は大学表記を採用した。

https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20180401_5.html

もう少し、慶應大学の構内を散策してみる。

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