ブルーベリータルトにあの日のひと粒を思い出す
フルーツ界のアイドルとも言えるいちごの季節を見送って、早くも大玉メロンの果汁滴るカット面に目を奪われ、その合間に並んでいるつやつやの赤い宝石さくらんぼを見つける。
ああ6月がやって来たのだ。
毎年6月になると自分の中の新米がひょこっと顔を出す。
その理由はいちばん上の子の誕生日が6月だから。
片手に収まるほどのベビーだった彼と出会ってから20年以上もの月日がたつのに、“母としての自分”がこの世に誕生したことも意味する6月には、今だにあの頃の緊張や困惑、無自覚に限りなくあふれる愛情の記憶のようなものが淡く体内に満ちてくるのだ。
幼い子どもを生存させ続けるというミッションだけで手一杯だったけれど、小さなベランダでブルーベリーの苗を育てたことを思い出した。
薄い緑色の小さな丸い実が、日毎に少しずつ青紫に色づいてゆく。
ようやく実った数えるほどのブルーベリーを「いいの?」と何度も確かめて、そっとひと粒摘み取ったあの日の彼を懐かしむ。

聞いたことのない新しいお店に出会う

土日祝日だけオープンする
誰かの白いお部屋のようなカフェ

3枚のクッキーはカフェラテのお供

たっぷりのブルーベリーを一緒に焼き込んだ
しっとりとざくざく食感とやさしい甘さに
うさぎも跳ねるおいしさ


「もう閉めようかと思う」と言うのを聞いて
一緒にカフェを続けることにしたのは
コーヒーショップで働いていた娘さんなのだそう

またしてもブルーベリータルト
生地にはほんのりアールグレイの風味
フレッシュの大粒ブルーベリーがころりん
えっ
カフェラテが
くまなんですけど

ソーサーの金継ぎが
大きめで愛しすぎる
6月はブルーベリーのシーズンのはじまりでもある。
カフェで続けて出会った季節のタルトがブルーベリーの思い出を連れて来てくれた。
今年の誕生日にはふたりで新宿のフルーツパーラーへ行き、お会計はさくらんぼのパフェとマスクメロンのパフェをお互いにご馳走するというかたちの割り勘とした。


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ここまでお読みいただきありがとうございました。
思いのカケラが届きますように。