アニメを見ていたら、二枚歯下駄を買っていた
1.「なぜか、足元のカットが妙に印象に残った

高橋瑠美子原作のテレビアニメ『MAO』の7話を見ていた時、不思議な感覚になった。
別に戦闘シーンでもない。派手な演出でもない。
なのに、妙に印象に残った場面があった。
貂子さんの足元だ。
しかも履いていたのは、二枚歯下駄。
女性向けの可愛らしい草履ではなく、昔ながらの、木の歯が高くついた下駄だった。
正直、自分でも「そこ気になる?」と思う。
でも気になってしまった。
しかもただ映っていただけではない。
ちゃんと“下駄を見せるカット”になっていたのだ。
キャラクターの顔をアップにしても成立する場面だったと思う。
それでも、あえて足元を映していた。
その時は「へぇ、珍しいな」くらいだったのだけれど、後からじわじわ効いてきた。
私は昔、専門学校でアニメ科を専攻していた。
だからなのか、ああいう「何を映すか」の演出が妙に気になってしまう。
下駄なんて、適当に省略することだってできる。
でも、あのカットではちゃんと存在感があった。
単なる和装小物ではなく、「この世界で人が生活している」という空気を作るための足元だった気がする。
2. 焼け跡の世界と、二枚歯下駄の説得力
7話では、地震によって焼けた町の描写が出てくる。
崩れた家、灰っぽい空気、整備されていない道。
今みたいな綺麗なアスファルトではなく、土や瓦礫がそのまま残っているような景色だ。
その中で見る二枚歯下駄は、不思議なくらい自然だった。
むしろ、「そりゃこの時代なら下駄履くよな」と納得してしまった。
さすがサンライズ👍
現代の感覚だと、下駄はどうしても「和装のおしゃれアイテム」みたいな印象が強い。
でもあのシーンを見ていると、もっと生活に近いものに見えた。
悪路を歩くための道具。
足や裾を汚れから遠ざけるための履物。
特に歯の高い二枚歯下駄は、地面から足を離して歩ける。
焼け跡や未舗装路を歩く世界観に妙な説得力があった。
それに、女性が二枚歯下駄を履いていることにも少し驚いた。
今の感覚だと、女性の履物というと草履や右近下駄のイメージが強い。
二枚歯下駄は、職人とか祭りとか、男性的なイメージを勝手に持っていた。
でも、昔の生活の中では、今ほど綺麗に男女で分かれていなかったのかもしれない。
そんなことまで考えてしまった。
3. YouTubeで調べたら、下駄は健康グッズになっていた
気になって、その後YouTubeで下駄について調べてみた。
すると驚くほど「健康」に関する動画が出てくる。
姿勢改善、足裏刺激、浮き指対策、体幹トレーニング。
特に一本歯下駄は、もはやトレーニング器具みたいな扱いだった。
なるほど、確かに不安定だから身体は使いそうだ。
実際、健康に良いというのも分からなくはない。
ただ、個人的にはそこよりも、「昔の人の生活道具」としての面白さの方に惹かれた。
昔の道は今みたいに綺麗じゃない。
雨が降ればぬかるむし、砂利もあるし、土埃も舞う。
そう考えると、下駄ってかなり合理的だ。
現代だと不便そうに見えるけれど、当時の環境ならむしろ理にかなっていたのかもしれない。
『MAO』の下駄のカットも、そういう生活感をちゃんと含んでいた気がする。
だから妙に印象に残ったのだと思う。
単なる「和風演出」じゃなく、ちゃんと人が暮らしている世界の足元だった。
4. そして気づいたら、Amazonで下駄を買っていた
そんなことを考えながらAmazonを見ていたら、気づけば下駄を買っていた。
完全に勢いである。
流石に一本歯は怖かったので、二枚歯下駄にした。アニメに出てたのも二枚歯だったし。
黒塗りの台も格好良かったけれど、最終的には白木台に黒い鼻緒のものを選んだ。
『MAO』で見た雰囲気に近かったのもあるし、木綿や麻の着物にも合いそうだったからだ。
白木って、新品の綺麗さもいいけれど、履き込んで少し焼けたり飴色になった頃にもっと味が出そうな気がする。
なんというか、「使う道具」という感じがする。
まだ届いていないので、履き心地については何も分からない。
歩きにくいかもしれないし、鼻緒で足が痛くなるかもしれない。
そもそも、まともに二枚歯下駄を履いた経験なんて全くない。
でも、ちょっと楽しみだ。
アニメを見て、演出に惹かれて、昔の生活文化に興味を持って、気づけば履物を買っている。
和装にハマってから、そんなことばかりしている気がする。
最後まで読んでくれてありがとう。
和服を着たアニメについて書いた記事もあるので良かったら覗いてみて欲しい。
