月刊AIレポート:第9号「2026年6月、環境が整った」~ #Windmill
1年前の6月、私はAIエージェントを「知ろう」と思った。
今月、ようやく「使えた」。
その差は、意志ではなく、環境だった。
「環境」の月
6月は、道具が揃った月でした。
きっかけはRyzen 7搭載・32GBのパソコンの購入です。4K動画編集・3Dレンダリングが売りのマシンですが、私の目的は違った。Radeon 780M内蔵GPUで、ローカルAIをちゃんと動かしたかった。
上を見れば(GPU・VRAM)は、キリが無い。
ほどほどに体験するなら、これで十分だった。
AMD Ryzen 7 H255のミニPCでOK。(Ryzen 7 8845HSも)
結果、パソコンを触る時間の大半を、ローカルAIと過ごすことになりました。去年の6月からAIエージェントを理解しようとしてきた。頭では追いかけていたけれど、身に付かないまま1年が過ぎた。あの感覚の正体が、今月わかった気がします。環境が整っていなかっただけだった。
🗒️ 今月の推しAI:LM Studio
Ollamaはずっとそばにあったけれど、今月はLM Studioに居場所が移りました。ローカルモデルを片っ端から試せる。種類が多すぎて最初は戸惑いましたが、ようやく自分なりの落ち着き場所が見えてきました。
クラウドのLLMを使いながら、手元のマシンでモデルが動いている。その感覚は、去年とはまったく違います。改めて、汎用LLMは本当に凄いと感じています。ただ、使い方を考えると、まだ相当もったいない使い方をしているんじゃないか、とも思う。この問いは、まだ持ち越しです。
🚪 主役トピック
Windmill——5年使うかもしれない予感
今月、私をロックオンした新しい開発環境です。
先月からNode-REDでプロジェクトの試作を再開していました。n8nも触り始めていた。そこへWindmillを見つけた瞬間、開発効率が跳ね上がりました。
「もしかしたら、あと5年は使うかもしれない」——そう感じるツールに出会うことは、そう頻繁にはありません。今月の最大の収穫です。 #Windmill
Docker Desktop、2年ぶりの復活
2年のブランクがありました。戻ってみると、Gordon(AI)が正規に稼働するようになっていて、使い勝手が大幅に変わっていた。Docker MCP Toolkitも試しました。簡単な手順でMCPツールが使える。Dockerがこの方向に来たか、という感覚です。
📋 気づきのメモ
メモツールを2つ、同時に新しくした
TolariaとLogseq。よく似ているけれど、両方使っています。AIからも読みやすいMarkdownで、ひらめきも新しい知識もトレンドも、ストレスなく放り込める。Tolariaの利用頻度が高めなのは、起動が速くてGitがコアにあることです。私の評価基準は「後から読み直しが容易かどうか」。その点で、両方が合格でした。
Scratch、いまも現役
アルゴリズムを考えるとき、いまでもScratchで思考します。最近はAIとMCP的な発想で連携できるようになりつつある。小学生も大好きなあのツールが、開発の思考整理として、ずっと手放せません。
FTPソフト、40年の別れ
40年、疑わずに使っていました。でも今はVSCodeからAIに頼めばやってくれる。笑えるけど、笑えない話でもあります。
🔧 コーディングスタイルの変化
Antigravity 2.0は使わなくなりました。代わりにVSCodeにClineを入れて試しています。ただ、使いながら気づいたことがあります。
AIにコードを書かせると、後で追いきれない。
それよりも、関数の仕様を壁打ちする方が、仕事として実は合っている。
コードの生成ではなく、設計の相談相手としてのAI。Claude Codeがいいです。この考えに来ると、ClineよりContinueの方が自分には向いているかもしれない——まだ試行錯誤の途中ですが、「自分のAIの使い方」が少し見えてきた月でもありました。
📋 動きのあったAI(終了/更新)
🔴 終了・一時停止
Claude Fable 5 → 6月12日に全ユーザー向け一時停止
6月9日にAnthropicがリリースしたClaude Fable 5は、米国政府の輸出管理指令により6月12日から全ユーザー向けのアクセスが停止されました。外国籍ユーザーへのアクセスをリアルタイムで制限できないとして、Anthropicは全世界の顧客向けに利用を停止。7月1日頃に米国ユーザー向けのアクセス再開が見込まれています。 LushBinary
Gemini 2.0ファミリー → 6月1日付けで全面終了
GoogleはGemini 2.0ファミリーを6月1日付けで正式に終了し、Gemini 3.x系列が新たな基盤となりました。 Augusto Digital
🟢 バージョンアップ・新リリース
Claude Fable 5 → 6月9日リリース(直後に一時停止)
コーディングベンチマークSWE-bench ProでGPT-5.5(58.6%)を約22ポイント上回る80.3%を記録。常時オンの適応思考、100万トークンのコンテキストウィンドウを備えた、Anthropic史上最も高性能なモデルとして登場しました。 LushBinary
Claude Opus 4.8 → 5月28日リリース
SWE-bench Verified 88.6%、USAMO 2026数学推論96.7%(Opus 4.7比27ポイント向上)を達成。エージェンティックタスクをOpus 4.7より15%少ないターン数・35%少ない出力トークンで完了できる効率化が特徴です。 Contracollective
Gemini 3.5 Flash → Google I/O 2026(5月19日)発表
旧バージョン比4倍速で、Gemini 3.1 Proをコーディング・エージェントベンチマークで上回ると発表。価格は入力100万トークンあたり1.50ドルです。 Augusto Digital
GPT-5.6 → 6月末〜7月初旬リリース予定
OpenAIの次世代主力モデルとして6月末から7月初旬のリリースが見込まれています。推論チェーンの強化とOperator機能の改善が主な変更点とされています。 Andrew
🧭 まとめ:8ヶ月で見えてきた地図
11月(第1号):AIが「補助ツール」になった
12月(第2号):AIが「速くなった」
1月(第3号):AIが「働き始めた」
2月(第4号):AIが「背中を押した」
3月(第5号):AIが「気づいたら隣にいた」
4月(第6号):AIが「考えてから動いた」
5月(第7号):AIと「並走し始めた」
6月(第8号):「環境が、整った」
道具が揃い、環境が整った。でもそれは「完成」ではない。
7月号では、整った環境でAIエージェントを本格的に使い込んだ結果と、「自分のAIの使い方」の続きを書く予定です。

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