利上げで金融システム【崩壊?】、物価高を放置する日銀のヤバすぎる「本音」
これだけ物価が上がっているのに、なぜ日銀は本格的な利上げをしないのだろう?
あなたも一度は、そう感じたことがあるのではないでしょうか。 連日の物価高のニュースに、私たちの生活は確かに圧迫されています。
皆さん、こんにちは。村田雅志です。
日銀の植田総裁は、「経済や物価の不確実性」を理由に利上げを先送りしていますが、私から見ると、そこには公には語られない、もっと根深く、深刻な「本音」が透けて見えます。
今回のコラムでは、日銀が利上げに踏み切れない「本当の理由」を、専門用語を極力使わずに、分かりやすく解説します。
これは決して他人事ではありません。あなたの財産、ひいては日本経済の未来にも関わる、極めて重要な話です。
利上げの引き金を引けば「10兆円」が吹き飛ぶ現実
日銀が利上げに踏み切れない最大の理由。それは
物価の安定
と
金融システムの安定
という2つの使命の間で、深刻なジレンマに陥っているからです。
日銀が何よりも恐れているのは、利上げに伴う「長期金利の急上昇」です。
なぜなら、日本の銀行は、資産として大量の「長期国債」を保有しているからです。国債の価格は、金利が上がると下がります。つまり、長期金利が上がれば、銀行が持つ国債に巨額の「含み損」が発生するのです。
そのインパクトは、ある試算によれば、長期金利がわずか1%上昇するだけで、国内銀行全体で約10兆円もの含み損が発生すると言われています。 これは、体力のない金融機関の経営を根幹から揺るがしかねない、まさに”リーマンショック級”の破壊力を持つ数字です。
プロが注目する金利の「危険水域」
では、どの程度の金利上昇が「危険」なのでしょうか。
市場関係者の間では、ひとつのデッドラインとして、
10年物国債金利が2.5%
30年物国債金利が4.0%
あたりが意識されています。この水準に近づくと、金融システム不安が一気に現実味を帯びてきます。
現在の長期金利は10年物で約1.5%、30年物で約3.1%です。
まだ余裕があるように見えるかもしれません。
しかし、忘れてはならないのが、高止まりするインフレです。今年6月の消費者物価指数は前年比3.3%と、日銀の目標である2%を大きく上回っています。このため、エコノミストなどからは、現在0.5%である政策金利を少なくとも1.0%程度まで引き上げるべきだ、という声も根強くあります。
仮に日銀がインフレ抑制を優先し、政策金利を0.5%引き上げたとしましょう。政策金利と長期金利は完全に連動しませんが、長期金利には様々なリスクが上乗せされるため、政策金利の上げ幅以上に跳ね上がる傾向があります。そうなれば、先ほどの「危険水域」に一気に到達します。
絶体絶命の日銀に残された、唯一のシナリオ
物価安定を取れば、金融システムが危ない。
金融システムの安定を取れば、インフレが国民生活を苦しめる。
この絶体絶命のジレンマの中、日銀は何を狙っているのでしょうか。
私は、日銀の真の狙いは「徹底的な時間稼ぎ」だと見ています。
本格的な利上げを先送りして時間を稼ぎ、その間に金融機関に保有国債を少しでも売却・整理させる。銀行のポートフォリオ(資産構成)が金利上昇に耐えられる体質に変わるまで、ひたすら耐え忍ぶ。これが、日銀が描く唯一のシナリオではないでしょうか。
当然、金融機関側も日銀の狙いは百も承知です。 だからこそ、多少金利が上がった(国債価格が下がった)くらいでは、将来のさらなる金利上昇(価格下落)を恐れて、積極的に長期国債を買えないのです。
すべてを壊しかねない「政治」という伏兵
しかし、この日銀の「時間稼ぎ」戦略を台無しにしかねない動きがあります。「政治」という伏兵です。
景気対策や国民の支持獲得のため、減税や給付金の必要性が叫ばれ、その財源として国債の増発を求める声が後を絶ちません。
財政を預かる財務省は、この状況を理解しているため、市場への影響が少ない短期・中期国債での発行を模索するでしょう。
しかし、「短期債だから大丈夫」と考えるのは楽観的すぎます。市場の消化能力を超える国債が供給され続ければ、ダムが決壊するように金利全体に上昇圧力がかかり、日銀のコントロールを離れてしまうリスクも否定できません。
あなたの財産を守るために、今知っておくべきこと
このように、日銀の金融政策という一枚のコインには、「物価」という表の顔と、「金融システム」という裏の顔があります。
ニュースで語られる「利上げ」や「金利」の一言の裏側では、日銀、銀行、そして政治家の様々な思惑が絡み合う、壮絶な「チキンレース」が繰り広げられているのです。
インフレは、あなたの預金の価値を静かに蝕んでいきます。一方で、急な利上げは、あなたが預金をしている銀行そのものを揺るがしかねない。 私たちの生活や財産を守るためにも、こうした経済の裏側で何が起きているのかを、多角的な視点からウォッチしていく必要があります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
経済や金融の知識は、こうした未来のリスクをいち早く察知し、自分の大切な資産や家族の生活を守るための「武器」になります。
今後もこのnoteで、専門的な視点から、誰にでも分かりやすく、皆さんの未来に役立つ情報を発信していきたいと考えています。
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今後も表面的には見えにくい経済の本当の動きを分かりやすく解説していきます。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。
村田雅志(むらた・まさし)
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