「議事録」という対空砲はなぜ嫌われるのか?
※本記事は近日中に修正予定です(直近の記事=意味的思考の図解 の内容を受け、構成や例示を含めた改訂、内容を順次アップデート致します)
先日、「AI の台頭によって代替されうる範囲」を中心にあれこれ考えた記事を出しました。
一言でいえば「仕事は残り、作業は代替可能」という結論のもの。
この記事を公開した後で、自分の作業でAI に任せるなら…ということを考えてみたところ、任せられないこととして「議事録作成」が挙がりました。
これはちょっと自分でも意外。
最近は AI による文字起こしが標準搭載されたりして、むしろ議事録作成が簡単にできそうなものだけれど…?
たぶん、私にとって「議事録作成」はちょうど仕事と作業の中間くらいの位置づけなのかもしれない。
フォーマットにすべき項目はある程度決まっているから、それにしたがって指示を出せばうまくいくかもしれない。ただ、あらためて議事録の「使い方」を考えたとき ―― 経験を振り返ると ―― AI に書かせてもそのままじゃ使えないと思った。
工夫の余地が多いし、半端に書かせて推敲するよりも、会議を知っている人間が書いた方が結果的にはやいし効果的なんじゃないかという気がします。
…でも、それってなぜなんだろう?
それと。議事録って、やたらと嫌われるイメージがある。
「書くのに追われて一日が終わってしまう」「書くだけ無駄」「誰も見ない」 ―― 労力の割に効果がないアイテム、みたいな意見をよく耳にします。だからこそ「AI に任せたらよくね?」みたいな声も頻繁に上がるのかもしれない。
…が、
個人的にはむしろ、議事録がなかったら困ったことばかり起きていたんじゃないかという感覚がある。
システム開発の要件定義から納品までの1年間、毎週顧客との定例会を開催して議事録も書いてきましたが、執筆時間は30分~1時間くらい。
その30分がなかったら…きっと、仕様変更の嵐・品質低下・納品延期 の三拍子揃って大打撃だったと思います。
下手したら、いまもまだ開発していたんじゃないかな…
嫌うどころか、議事録は援護射撃してくれる何よりも強い武器でした。
そうかといって議事録の書き方を教わった覚えもないので、
「普段どういうことを考えて書いているのか」や「フォーマットをどうやって決めたのか」等、普段やっていることを振り返ってみようと思います。
「議事録が苦手…」「書くのに時間が掛かる!」という方は、ぜひお付き合いください。
議事録の目的
…そもそも議事録ってなんのために用意するのかを考えてみる。
議事録を一言で言い換えるなら、「会議の圧縮ファイル」だと思う。
発言の記録や逐語録ではない
むしろ今まで、誰かの発言を議事録に引用したことがあっただろうか…?
一度もないかもしれません。
発言自体を書き留めても、それは決定事項にはならないから。
会議や打合せには目的があることが大半だと思います。明示・共有されていないかもしれないけれど、議題はあるはず。
何かを確認したり、それによって判断したり、決めたいことがある。
プロジェクトを進めたい、課題や今後の予定の認識を擦り合わせたい ―― 表現は色々あるかもしれませんが、とにかく状況を進めるために判断を管理することが会議の目的と言っていい気がします。
その目的が一目で分かること ―― それが議事録の目的なんじゃないか。
説明を一括で行うための打ち合わせもあるけれど、その場合は別途資料があったり、少なくとも議事録も求められることは少ないと思うので割愛。
…さて。
議事録を書く目的は前提としても、毎回意識しているかと言われると…そうでもないような…
フォーマットの項目に落とし込んでしまえば済む話なので、考えていることはむしろ別のこと。
「今日の会議の内容を見たくなるのはいつか?」という射程の話。
議事録の使い方を「射程」で捉えてみる
議事録は会議の記録だけれど、その役割は思った以上に広い。
「議事録を見返したいのはどんな時か?」
「記録しておかないと困ることは何か?」
これがそのまま、議事録を書く意味だと思っていて…
実際に必要になるタイミングによって、効果を発揮する「射程」が変わるんじゃないかと思う。
…記録の使い方を考える機会は意外と少ないかもしれない。もうすこし具体的な例で考えてみよう。
たとえば。
「これっていつ決まったんだっけ」ということを後で振り返ったり、言った言わないの水掛け論に対する盾になる。これはイメージしやすい。記録することの意味はおよそここにあると思う。
けれど、状況というものは変わるため、決定事項だけじゃなくて当時の前提や共通認識が知りたい場面もあるんじゃないだろうか。
…実際に、当時の判断の理由や前提を残しておいたことで助かったことがあったっけ。
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