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【エッセイ:第1回】第1章 日常の中にあるドラマ― ささやかな出来事に潜む、大切な気づき

一時停止違反からのストーリー
車を運転するものなら、一度や二度は経験があるかもしれない。思いがけない出来事に遭遇し、何とも言えぬ焦燥感と、ちょっとした絶望感に襲われる瞬間である。

「ピピー!」

「〇〇警察署の△△です。一時停止不十分で違反となります。」
警察官は、必要以上に丁寧な口調で対応してくる。

「やっちまった……」「タイミング悪いな……」「なんて運が悪いんだ……」
そんな思いが頭を巡る中、警察官が追い打ちをかけるように言う。

「すみません。運転免許証をご提示願えますか。」
運転席の窓越しに簡易的な書類が渡され、印鑑代わりに指紋を押す。あっという間に手続きは完了し、警察官は淡々と業務をこなしていく。

この何とも言えないモヤモヤを晴らしたかったのか、私はふと、こんな質問を投げかけてみた。

「ところで、なぜ警察官になったんですか?」

警察官は、突然の質問に少し驚いたようだったが、やがて静かに語り始めた。

「ん〜、そうですね……。実は、昔、夜中にランニングをしていたら、警察官に呼び止められて職務質問されたんですよ。当時、ブラック企業に勤めていて、もう嫌になっていた頃で……。そんな時、その警察官に『君、警察官にならないか?』と声をかけられたんです。それがきっかけで、この道に進みました。もう20年以上も前の話ですけどね。」

意外なエピソードだった。職務質問を受けた側から、職務質問をする側へ。人生の流れとは不思議なものだ。

その話を聞いた途端、さっきまでのモヤモヤした気持ちが少し晴れた。人にはそれぞれのストーリーがあるのだと、改めて気づかされた。

もっとも、7,000円の罰金が痛いことには変わりない。しかし、ふと考えた。これは、濃厚な人生セミナーの受講料だったのかもしれない。

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第2回「ナンバープレートから見える風景」――日常に潜む小さな物語を引き続きお楽しみください。

目次はこちらです。毎週水曜日更新です。ご期待ください。

拙著『日本の英語教育のゆくえ』(幻冬舎)のあとがきの内容をまとめた動画はこちらです👇

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