母とふたり、11日間の船旅②——終日航海日、盆踊りとまさかの浴衣ボランティア
クルーズ2日目は終日航海日。
最初の寄港地・函館に向かって、ひたすら船が進む一日です。
船内では退屈しないよう、たくさんのアクティビティが用意されています。
毎晩お部屋に届く船内新聞「PATTER」には、翌日のアクティビティやレストラン、バー&ラウンジの営業時間、ショーの時間などが掲載されています。スマホのPRINCESSアプリでも同じ内容を確認でき、参加したいものにお気に入りマークを付けておくと、自分の予定表に追加されるので便利でした。
さらに「移動する」をタップすると、その場所までのルート案内も表示されます。
……が、このルート案内が最初はなかなか難しいのです😅
普段聞かない用語が普通に出てきます。
船首(進行方向)を向いた時の左右は、
・Starboard=右舷(右側)
・Port=左舷(左側)
船内の位置は、
・Forward=前方
・Aft=後方
・Midship=中央付近
で表されます。
船がどちらに向かっているのか、自分がどちらを向いているのか、頭の中がぐるぐる。そしてぐるぐる歩き回る…。
母は「私は方向音痴じゃけー、わからん」と言うので、アプリだけが頼りです。
スマホを首からぶら下げて、旅の間ずっと大活躍でした。
アクティビティは本当に盛りだくさん。
母に「どれに行きたい?」と訊いても、やっぱり「わからん」と言うので、日本語で行われるものの中から、母も楽しめそうなものを私が選びました。
この日は「日本再発見:盆踊り教室」に参加。
日本人が内側、外国人が外側に輪を作り、一緒に盆踊りを習います。
盆踊りなんて半世紀ぶりくらい。すっかり忘れてしまっていて、スタッフさんの動きを必死に目で追いながら踊りました。
東京音頭に、函館名物のイカ踊り……。
このごろではなかなか体験する機会もないので、とても面白かったです。
母も楽しそうに踊っていました。
ふたりとも覚えは悪かったですが(笑)。
その後、同じ会場で「日本再発見:浴衣を体験」というイベントが始まるというので、そのまま見学していくことにしました。
ところが、これが思わぬ展開になります。
内容は、日本人乗客をボランティアで募り、外国人乗客に浴衣を着せてあげる体験イベント。
しかし、開始時間近くになっても、着付けを手伝うボランティアがおらず、スタッフさんたちが困っている様子です。
私はすぐに、
「お母さん、行って来たら?」
と母を押し出し、自分は涼しい顔で見学を続けるつもりでした。
ところが近くにいたアメリカ人グループから、
「どうしてあなたは座っているの?」
と声をかけられてしまいます。
私は、
「自分でも浴衣着られないんですよ。日本人がみんな着付けできるわけじゃないんです」
と説明したのですが、
「ボランティアがいないとイベント自体ができなくなります!」
と、今度はスタッフさんに押し出されてしまいました。
「前を合わせて、ひもを結んで、帯を巻いて、着け帯を付けるだけです。簡単ですから!」
そう言われても、旅館の浴衣でさえうまく着れないのに、人に着せるなんて無理ですよね(笑)。
結局、ひとりではできないからと、母の補助係に回りました。
外国人のお客さまが次々に番号順で呼ばれて来るので、好きな色を訊いて、浴衣や帯を選んできて母に渡す、裾を押さえる、時々苦しくないか確認する、写真を撮る。
そんなお手伝いです。
(本来は進行を優先するため、色の希望などはいちいち訊かないよう言われていたのですが…やっぱり皆さん好きな色を着たいですよねー。)
途中からボランティアさんも増え、会場は和気あいあい。
皆さんテキパキと手際よく、どんどん着付けを進めていきます。
後で聞いたところ、この日は100人近くの方が参加されたそうです。
母も8人ほど着付けを担当しました。
気が付けば1時間半ちょっとお手伝いしていたでしょうか。
浴衣姿になった皆さんがうれしそうにお礼を言ってくださるので、たいしたことはしていないのに(特に私は😅)、こちらまでうれしくなりました。
旅先で、思いがけず少しだけ誰かのお役に立てた気がした時間でした。
ベテランらしきボランティア女性が、
「今日はこれでも少ないほうよ」
と余裕の一言。
(なら、もっと早くに登場してほしかったなー。)
何につけても「わからん」を連発していた母も、気が付けば立派な浴衣ボランティア。
終日航海日の、思いがけない思い出になりました😊

人気のイベントなのも納得です。
