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今も使い続けている万年筆Vol.3|VISCONTI ホモサピエンスという一つの到達点

1.はじめに

私にとって一生物の万年筆があります。
一文字一文字を丁寧に書きたいとき、必ず手に取る1本。
それが、VISCONTI ホモサピエンス(HOMO SAPIENS)です。

書く行為そのものにロマンを感じさせてくれる壮大なテーマ、唯一無二の革新的なデザイン、極上の書き心地。
一つの到達点と呼ぶにふさわしいこの万年筆は、購入半年後にレビュー記事を書かせていただきました。

👇購入半年後の記事はこちら👇

三部構成の最後を締めくくるこの記事では、なぜペリカンやモンブランなどの王道万年筆ではなくホモサピエンスを使い続けているのか?
今も愛用する理由を記事に書かせていただきたいと思います。

2.所持している他の万年筆との決定的な違い

私が所持している万年筆は3本。
TRCブラス万年筆は外出先で本領発揮する持ち歩き用の万年筆。
DIPLOMAT VIPERはアイディアを形にする万年筆。

そして、VISCONTI ホモサピエンスは自分と向き合う万年筆です。
1年の目標を考える時や、これまでの振り返りを丁寧に書き残したいとき、必ず手に取る万年筆です。

ホモサピエンスには「人類が"書く"という行為によって成しえた発達、文明の進化を讃える」という壮大なテーマが込められており、その万年筆で文字を書き記すロマンに私は魅了されました。

そして、この万年筆を手に取ると自然に意識が変わります。
これから腰を据えて文字を書くという姿勢に切り替わるのです。

絶妙なしなり感と、紙の上を滑るような書き心地は、書く時間を大切にしようと思わせてくれる魔法がかかっています。

3.ホモサピエンスが"到達点"だと感じた瞬間

使う頻度が減るどころか増えていた

購入して1年経ち、あとからVIPERも仲間入りしているのですが、使用頻度が減るどころか増えていることに、ある日ふと気づきました。
特に自宅で手帳を書く時は、必ずといっていいほど無意識に手が伸びていました。
火山岩が配合された軸がしっとりと手に馴染み、包容力のある書き心地がそうさせるのだと思います。

使用頻度の割合的にはホモサピエンス5:VIPER3:ブラス2といった感じで、今では職場でも堂々と使っているほど、いつの間にか自分の一部になっていました。

書き味だけでは説明できない「相棒感」

購入してから、ほぼ毎日使い、他の万年筆と書き比べていく中で、当初よりも明らかにしなり感が増し、紙との摩擦感が減りました。
これがペン先が育つということなのか、と万年筆の醍醐味を感じさせてくれました。

そして、育つのはペン先だけではありません。軸に使われた青銅も経年変化しました。
特にペンクリップは大胆に変化しており、この万年筆の存在感を際立たせています。

ペンクリップの存在感

使うことで育つ、使い手がいて初めて完成するという、革製品との共通点が私に深く刺さりました。
決して王道万年筆ではありません。だけど刺さる人には強烈に刺さる、それゆえに"一つの到達点"だと感じました。

4.完璧じゃないからこそ愛おしい

長所があれば、もちろん短所もあります。

  • 重量感があり、特にキャップポストするとリアヘビーでペンに振り回される

  • インク残量が見えない

  • パワーフィラーダブルリザーバーの説明が不親切

  • 太軸なのでペンホルダーを選ぶ

キャップポストして書くことはできないので、移動中の筆記には向いていないし、インク残量が見えないので気をつけていないと、ある日突然書けなくなることもあります。

また、取説にはパワーフィラーダブルリザーバーの扱い方に関する説明が皆無で、生成AIに調べさせてやっと使い方を把握できるようになりました。
内部が見えないので、ダブルリザーバーがちゃんと機能しているか確認することが出来ないというのも厄介でした。

だけど、そんなデメリットを軽々と上回るメリットがあるからこそ、愛おしいと感じ、一生使い続けたいと思わせてくれました。

5.「到達点」という言葉の本当の意味

VISCONTIホモサピエンスを購入してからというもの、これ以上高級万年筆をお迎えしようという気がなくなりました。

ペリカンやモンブランの万年筆がなくても、自分にはホモサピエンスがある。そう思っています。

2本目の万年筆でその境地に達してしまったので、万年筆沼の入り口が閉ざされてしまったようでもったいない気もするのですが、不思議と嫌な気持ちはありません。
もし運命的な出会いがあれば、今後も万年筆をお迎えすることもあるかもしれませんが、必ずホモサピエンスに戻ってくると思います。

戻る場所ができた、それが本当の意味で万年筆の到達点といえるのではないでしょうか。

最後は愛用品3本を並べて。


6.【おまけ】太軸問題の結論:ペンシース運用という選択

ホモサピエンスを使い続けるうえで、どうしても避けて通れなかったのが「太軸問題」でした。
ペンホルダーに入らない。無理に差し込むと革が伸びる。クリップが引っかかる。
これは購入前から分かっていた欠点であり、同時に、万年筆とどう付き合うかを考える入口でもありました。

そして私が最終的に選んだのが、ペンホルダーではなくペンシースという持ち歩き方です。
有料パートでは、実際の使用写真とともに、なぜこの運用に落ち着いたのか、使い続けて分かったメリットと割り切った点をまとめています。

太軸ゆえに持ち歩きを悩んでいる方の、ひとつの現実解として読んでいただければと思います。

Leather & Paper Lab では万年筆や手帳をさらに深く探究し、研究ログを残しています。

👇概要はこちらからどうぞ👇

ホモサピエンスの居場所を探す

ホモサピエンス購入当時に所持していた手帳はトラベラーズノートとPLOTTER。どちらも純正ペンホルダーは、細身のペンしか入らないので、持ち歩き方法を考える必要がありました。
これから迎える一生物の万年筆を傷から保護しながら持ち歩きたい、そう考えた時に、ペンホルダーという発想自体を手放しました。

選んだのはHERZの「ペンケース・フタ付き KP-50 」のSサイズです。
太軸でも余裕をもって収まり、なおかつ中で遊ばない。このサイズ感が決め手でした。

ペンシースに収めると、ホモサピエンスは“収納される”のではなく、“包まれる”感覚になります。
太軸のボリュームも、ずっしりした重量も、すべてが自然に収まる。
抜き差しの所作も、どこか儀式的で、書く前に一呼吸置けるようになりました。

まだまだ明るいキャメルですが、5年10年と使い続けていく中でホモサピエンスに引けを取らない存在感を醸し出してくれると期待しています。

ペンシースを使うようになってから、この万年筆は「持ち歩く道具」ではなく「連れ出す道具」になった気がします。手帳と一緒に持ち出す時も、今日はこの万年筆で書こう、と意識的に選ぶ。
そのひと手間が、ホモサピエンスという万年筆にはよく似合います。

太軸だからこそ、居場所を選ぶ。
居場所を選ぶからこそ、扱い方に向き合う。
その過程も含めて、この万年筆は完成していくのだと思います。

もしホモサピエンスの扱いづらさに悩んでいる方がいたら、ペンホルダーに合わせるのではなく、万年筆に居場所を用意してあげる、という選択肢もある。

そんなことを、このあとがきとして残しておきます。


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