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ショートショート_ 裏稼業

夏の音というと、一番に思い出すのは、ヒグラシの鳴き声だろうか。

幼少の頃から、山のほうに住んでいたこともあり、早朝や夕方はヒグラシが鳴いていた。

あの、どこかもの悲しそうな鳴き声。まだ夏も始まったばかりなのに、もうゆく夏を惜しむような鳴き声。

性格的には、湿っぽいことは嫌いなのだが。なぜだかヒグラシの鳴き声は、好きなもののひとつである。

縁側で。宵のスイカの種飛ばしをしながら、ヒグラシの鳴き声を聞くと、なんだか、生きていて良かったと思うのだ。

なぜなんだろう。


そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「夕焼けは」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?いうことで。


そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【誤字集合】で。裏のお題が【ドジ修行】|д゚)チラッということだ。


また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。

今週もお題は「怪談」。
 とにかく、少しでも涼しく感じられるようなお話をご投稿していただけたら、嬉しく思います。
 こわくてこわくて背筋がゾクゾクっとしてしまうようなお話を((( ;゚Д゚)))💞と、いうことで。

今回の投稿には使わないが。創作大賞の募集期間に入っていたとき、期限のない「青ブラアンケート」が出ていた。


また、以前の「青ブラ文学部」の裏のお題が「知られざる名曲」ということで出ていて。これも期限がないという。今後も、折に触れて使えそうだ。また、いつか使おう。

こういう配慮というか、気持ちが有難い。


今回は、「青ブラ文学部」のお題「怪談」を、文中に入れることにしよう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、「荒技師あらわざし」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。


うむ……。そうだな。



3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。

また、今回は、mi-kaさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。

今週も、「シロクマ文芸部・夕焼けは」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」をほんの少し、コメントを残した。


夏の音。確かに、色々な音がある。風鈴の音は、どことなく儚さを感じるようにも思う。

夏というと、やはり夏休みが印象的で。その楽しかった夏休みが終わる頃、ゆく夏を見送るのが、とても切なく寂しかった記憶が蘇る。悪ガキコジも、まだ子供だった頃があった。

夏は、楽しさを手放す寂しさを、最後の最後に感じてしまう、少し厄介な季節なのかも知れない。



今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。

そうだ、今週は5重の荒技だ。


うむ。


これで何週間だろうか。この7月で2年になろうとしている。


まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、つぶやいた。

まるで、悪ガキそのものだな。


まあな。


なんのはなしですか。

荒技ばっかりやりよって、って、いやあのぅ……


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 裏稼業」約410字を、どうぞ。


夏の音が窓ガラスを風圧が揺らし始めた。

涼と財前は、梨矢邸の大広間のソファーに腰掛け。主の話に耳を傾けていた。




梨矢家は武家ではあったもののその教養と文才から、裏稼業として代筆屋をしており。

第30代当主、梨矢弦之助なしやげんのすけは、密かに、初回の芥川賞と直木賞にノミネートされるべき渾身の作品を二人の人物に提供した。

ところが二人とも金はあるが無精で。幾度も指南したにも関わらず穴だらけの作品を書き上げ、ノミネートすらされなかった。さらに悪いことに、両賞とも受賞作すら出ず。普段穏やかな弦之助には珍しく、地団駄を踏んで嘆き、早逝したという。

それかららしい。

両賞とも該当作が出ない時に、和紙に正体不明の足跡がつくようになったのは。






財前が言った。

「弦之助だという証拠は?」




主は沈黙の後、答えた。

爺様じいさまは偏平足だった」





財前と涼は屋敷を後にし。暫く夜道を歩きつつ涼が財前に言った。


「まるで怪談だな」





町はデカンショ祭りの締めの花火が、空を染めていた。


《余滴》
「夏の音」は、今回の冒頭の部分で私には本命の「ヒグラシの鳴き声」を使ってしまったので、本文では花火を使いました。

さて。毎週ショートショートのお題の解説です。
ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。

小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、水曜日の「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章に入れ込むのですが、たらはかにさんのお題は、表も裏も、なるべく言葉そのものは入れ込まない方が良い、“匂わせる”のだという流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。

しかし、方や、私のこの「荒技」にお題の言葉を探し続ける人もいらっしゃいまして。

たらはかにさんのお題については、今日も、ここに、お節介な解説を入れてみようと思います。

ですが。

この解説ついての一切の苦情は受け付けません。なぜならば、これこそが、「荒技」だからです。笑

①表のお題が【誤字集合】→ 「穴だらけの作品を書き上げ」というのは、不注意とやる気の無さで誤字脱字だらけの作品しか書かないような体たらくの二人だったという意味で。まあこれも、ひとつの匂わせのかたちです。笑

②裏のお題【ドジ修行】|д゚)チラッ→ 作品が「幾度も指南したにも関わらず」、「ノミネートすらされなかった」訳ですから、ドジな、不注意でやる気のないふたりに修行をしたところで、弦之助は全く報われなかったわけです。稼業の合間に身を削って、裏から芥川賞、直木賞の両賞同時獲得を目指した弦之助。どれほどの努力だったのでしょうか。恐らくそれがたたり、早逝することになってしまったのです。

たいした怪談でも何でもないですが。自らが書いて発表すれば、該当作無しの回こそ両賞同時獲得出来たかもしれません。ただ、ゴーストライターは裏稼業という悲しさ。その無念を考えると、両賞同時該当作無しという珍事に、あの世で地団駄を踏んでも、致し方ないのではないかと私は思います。

カバー画像は、和紙の端っこです。弦之助は、なぜ和紙に足跡を残したのか……それは、文学の世界によほど足跡を残したかった、というのが彼の心持ちのようですが。さらに突っ込んで、なぜ和紙か、については、梨矢家の草創期に遡る必要があるのかも知れません。それは、今後のお楽しみということで。笑笑

今回の前編でいろいろ設定をしていて。それがかたちになったかどうかは、全く手応えがありません。あまりに深く設定しすぎると、到底、約410字には収まらないということは、よーくわかりました。

それにしても荒技。なかなか難しいです。時間もかかりますし。なにせ、頭がついてきません。荒技師への道は、まだまだ遠く彼方にあり。欠片も見えてきません。


昼間のそんなこんなを家内に語ろうとして後ろを振り向くと、空のソファーが、静かに笑っていた。

先日から家内は、あるプロジェクトで、都心のホテルに泊まり込んでいる。

シーンとした部屋の空気に、なんだか、心が追いつかない。



昼間のやりとりからすると、家内は、元気なようである。

家内が元気だと、我が家は、明るくて平和である。





だから。




これで、いいのだ。

気を取り直して、また日曜日、荒技書こうぜ



荒技師への到達は、まだまだ遠い彼方って、話

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