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今日のジャズ: 4月8日、1957年@ニュージャージーRVG

Apr. 8, 1957 “The Way You Look Tonight”
by Johnny Griffin, John Coltrane, Hank Mobley, Lee Morgan, Wynton Kelly, Paul Chambers & Art Blakey at Van Gelder Studio, Hackensack for Blue Note (A Blowin’ Session)

4月5日の紹介曲から三日後に同じスタジオとエンジニアで録音された、アルバムの題名通り、テナーサックスの大物三人と好調なトランペット奏者のリーモーガンが共演する貴重且つ贅沢なアルバムからの一曲。

1936年に公開されたフレッドアステア主演映画「有頂天時代」からジャズの定番となった一曲。

4月5日の紹介曲との大きな違いは、モノラルからステレオ録音となり、各楽器の配置が左右と上下の二軸に拡大した形で録音されていること。ブルーノートレーベルとしてはステレオ初期の作品。

それは、2:38からのドラムの端を叩くリムショットが中央右手奥に聞こえるのが顕著。ブルーノートの当時の主なターゲットとなる黒人層がステレオ装置を所有していないということもあって、どちらかというとス後発ながら、この頃から普及し始めたステレオ録音とその再生が無視できなくなったのだろう。

日本で言うところの北島三郎的な御大、アートブレイキーのドラマティックなドラムが冒頭で勢いを付けて、一番手は、ノリと元気の良い滑らかなメロディーメーカー、本アルバムのリーダーで「リトルジャイアント」(実際、見た目で百七十センチも無い)のニックネームを持つグリフィン。ブリブリ吹きながら「テレレレ、テレレレ」というメロディーを繰り返す事で曲調の土台を創り出して、二番手、トランペットのモーガンにバトンタッチ。

グリフィンの流れを受けて勢い良く登場したモーガンに対して3:55秒から御大のドラムが「ドンタ、ドンタ」と変則リズムによる挑発を入れ、更に4:48秒からピアノも「ジャーン、ジャーン」と、「もっとやれ」とリズムセクションから煽りを受けて更に熱く煌びやかなプレイを繰り広げる。

三番手は、約五分から始まるモブレイの滑らかなフレーズで構成される控えめ気味な約50秒の演奏。

そして、シーツオブサウンドの代名詞を持つコルトレーンのとめどもない音数の多い演奏。とはいえ御大も黙っておらず、各所に変則リズムを交え、盛り立て代わる代わるの掛け合いで煽る煽る。

アートブレイキーのドラムとグリフィンのブリブリするソロの入れ替わりを経て、白熱したテーマメロディーで落ち着きを取り戻し、最後は三テナーが、同時に吹いて少々荒れ気味に着地。グリフィンのアルバムだが、演奏の存在感からすると本作の実リーダーは、ジャズメッセンジャーズを率いるブレイキーのようだ。

左からグリフィン、コルトレーン、モブレイ

従来とは異なるスタイルで注目を浴びたモブレイの極端に短いソロが謎。ブルーノート創設者のライオンによると、モブレイは気持ちが優しく優柔不断で引っ込み思案にもかかわらず自分のスタイルを曲げなかった一面もあったそう。そう言われるとこのプレイと結果には納得がいく。

モブレイが、ジャズメッセンジャーズの親分、ブレイキーに請われるがままに本録音に参加して、リーダーのグリフィンに気を遣いつつ、吹き始めたら場違いだと察知して早々に自らソロを切り上げて、鼻息の荒い準備万端のコルトレーンにバトンタッチした、なんて考えてみたりすると、モブレイの心情を察して親近感が沸く。

自己主張が得意な他のソロイストに同じ土俵で比べると物足りないけれど、リーダー作品には味わい深い作品が多々あるのも、モブレイの性格が影響しているのだろうか。

そのライオンによると、グリフィンのスピーディーなプレイを聴くなら、数ある作品の中でもこの曲だと話している。グリフィンの特徴が集約されているとの由。

最後に、ブレイキーとモーガンの演奏を更に堪能したい方は、こちらをどうぞ。

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