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ジャズ記念日: 11月13日、1965年@ニューヨーク

“Unforgettable” recorded on Nov. 13, 1965
by Oscar Peterson, Hank Jones, Barry Galbraith, Richard Davis, Mel Lewis etc arranged by Manny Albam at A&R Studio, New York for Limelight (With Respect to Nat)

ジャズピアノのレジェンド、オスカーピーターソンが1965年2月15日に亡くなったナットキングコールを追悼して、同年にそのレパートリーを歌う演奏を収録します。

ピーターソンの歌声は真似ているとも思えないのですが、ナット本人にかなり似ている上に、歌も見事に上手い事に驚かされます。自然体で肩の力が抜けた感じで歌っているように受け取れますので、声質は偶然の産物だと思いますが、ナットを意識しているのは間違いありません。

ピーターソンだけにピアノの弾き語りかと思いきや、クレジットを見ると、本作ではスタンドアップスタイル的に歌に専念しているものと思われます。

ボーカル姿もサマになっています

そのピーターソンには落ち着きのあるテイストの控えめな伴奏巧者、ハンクジョーンズによるピアノが寄り添っています。ピーターソンはジョーンズにどんな指示を出していたのか、ピアニスト同士の会話が気になるところですが、恐らくナット風の演奏にする、という事で意気投合したのでは無いでしょうか。

ピーターソンは、ナットキングコールのスタイルを踏襲して、ギターとベースでドラムレストリオを結成して成功を収めたので、感謝の想いもこもっているはずです。こちらは、そのトリオにテナーサックスの巨人、スタンゲッツが加わった演奏の紹介記事です。

調べてみたら、ナットと上記のピーターソントリオと同年の共演映像が残っていました。ナットとの共演でウキウキしているのか、ピーターソンの演奏がいつもにも増してキラキラとした輝きがあるように感じます。

ナット、改めて聴くと素晴らしいですね。偉大です。ピーターソンは、こんな場面を思い出しながら本作を収録したのでしょう。

同年収録のナットの紹介曲は、こちらをご覧ください。1957年のジャズ界は豊作ですね。

本アルバムは、”With Respect to Nat”と、「ナットについて」と「ナットへの敬意」をかけている粋な命名と思われます。本作以降、敬意を表してか、ピーターソンは曲単位でピンポイントに歌うことはあっても、ボーカルアルバムをリリースすることは無かったので、本作が最後の一枚となっています。

レーベルはMercury系のLimelightで、クインシージョーンズが当初率いていました。因みにナットの原曲のアレンジは、映画「上流階級」の音楽も手掛けた名アレンジャーのネルソンリドルによるものです。

話が逸れますが、ジャズピアニストが歌って印象に残っているのは、巨匠ビルエバンスによるものです。何かの拍子に余興で思わず歌ってしまったのか、歌わされた際のテープが遺されていて後年に日を見たという性質の貴重な記録です。

さて、ピーターソンの故郷、カナダのモントリオールで収録したハンクジョーンズによる黒人霊歌のデュオ作品は、こちらからどうぞ。この作品収録時のジョーンズには本作で共演したピーターソンとの思い出が頭をよぎったのでは無いでしょうか。

最後に、本作でも颯爽としたリズムを刻む、メルルイスのドラムを背景に歌う、メルトーメの名演をどうぞ。

素敵なボーカルと共に朗らかな一日をお過ごしください。

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