【遊戯王OCG考察】『相剣軍師ー龍淵』について現状報告
みなさん、こんばんは。湊月ナハトです。
まずは先日アップした【烙印相剣ビーステッドチャプハラ】デッキへのご反応ありがとうございます~~!!
今回はデッキ紹介ではなく、『遊戯王OCG』での醍醐味の一つ、「背景ストーリー」……中でも人気シリーズの『白の物語(烙印テーマ)』の考察をしていきたいと思います。
といっても、全体の考察に関してはいろんな方が既にされていますし、途中まで公式によってショートアニメ化もされていますので……。
今回はそんな中から、私の推しモンスターの1人である『相剣軍師ー龍淵』について色々と考察していければと思います。
ちなみに私は歴史学専攻でしたが中国史どころか東洋史は全くなのでその辺よろしく頼むぜ!!!!!!!!!!!!!!!()
『龍淵』というキャラクターの概要
『相剣軍師ー龍淵』として
まずは「龍淵」というキャラクターの概要を話していきたいと思います。
「龍淵」は、烙印世界における「大霊峰」にて、その地を守護する「相剣師」たちの中で軍師を務めている人物です。
人物といっても、外部からやってきた者を除外すると「相剣師」たちは全員幻竜族のモンスターであり、軍師の「龍淵」と後述の「莫邪」を除くと、二足歩行ではあるものの、ドラゴンの骨格を有し、長く雄々しい尻尾も生えています。
(※莫邪と軍師の龍淵は人間の骨格に龍の尻尾が生えているようなデザインです)
『瑞相剣究』のイラストを見る限り、「承影」は手前のエクレシアと比較して、かなりの体格差があり、竜人というカテゴリではあるものの、龍淵と莫邪を除外するとかなりの巨体であることが伺えます。
余談ですが、ドラグマを追われたフルルドリス、テオ、アディンが大霊峰に身を寄せ彼らの庇護を受けた際に、中華風の衣装に変わっていることから、フルルドリスは莫邪から、アディンは龍淵から服を譲って貰ったと思われます。……が、テオはどうしたのでしょうかね。
設定画を見るに、龍淵や莫邪以外の竜人は人間のような服を身に着けていないように見えますが……あと彼らが着るにあたって竜人用の尻尾の穴は龍淵が塞いであげたんですかね(笑)
閑話休題。
ともあれ、龍淵はそんな大霊峰の守護者たる「相剣師」の軍師なわけですが、具体的にどのようなことをしていたのかは明かされていません。
ただまあ「軍師」という役職である以上、相剣大公である承影の補佐をしていたと考えるのが順当かと思われます。
彼の効果は手札の幻竜族または「相剣」カードを墓地に送り、自身と相剣トークンを特殊召喚するというものです。
そして、自身と相剣トークンでレベル10シンクロモンスターに繋がる動きを主流としています。
このことからも、龍淵は基本的には承影の補佐官であったと考えて良いかと思います。
なお前半の手札から仲間……龍淵風に云うのであれば「同胞」を捨てて、自身とその心を映した相剣トークンを呼び出すというのは、後述する彼の過去、あるいは「軍師」としての非情な決断の日々を現しているのかもしれません。
『相剣師ー莫邪』の師として
ヴァリュアブルブックEX2のストーリー解説にて、「龍淵」は「莫邪」という少女の師匠であることが語られています。
(※厳密には龍淵の目線で莫邪が弟子であることが判明しています)
龍淵は覇道の野望を捨てきれず、その野望が相にも現れ、彼の本来の相剣は金の一振りではなく、「黒」に染まったものでした。
そのままでは野望を周りに秘匿出来ないと考えた彼は、あろうことか自分のその黒き相剣を二つに分かち、金の相剣を自身のものに、青の相剣を「莫邪」のものだと偽って彼女に与えます。
ここで、この「相剣を分かつ」という行為について。
『白の物語』において、「アルバス」と「アルベル」は『深淵より分かたれしもの』と呼ばれており、1つのものから2つに分かれることが重要なファクターであることが伺えます。
この物語の黒幕であるマクシムスも、アルベルのことを「奴の半身」、自身の右腕である「教導の死徒(デスピアの凶劇)」のことを「私の半身」と呼んでいました。
なので、龍淵が「相剣」を二つに分けることが出来たことに何か重要な秘密があるのかもしれません。
また、分かたれたあとの二振りについて。
龍淵が持つ「金の日本刀風の相剣」。
こちらは偽りの心である可能性が高いです。
偽りとまでは言わずとも、本心あるいは本性ではないと考えられます。
ただ、こちらの相剣が司っているであろう「1200ダメージを与える」効果に関しては、「相剣大邪ー七星龍淵」にも残っていることから、完全な嘘、0から作られた心ではないかなとは思いますが。
そしてもう一方の莫邪が持つ「青の蛇腹レイピア風の相剣」。
こちらが龍淵が隠したかった本性を司っていると思われます。
というのも、「相剣大邪ー七星龍淵」は自身の尾が蛇腹剣となっており、それを攻撃・防御の手段として用いています(『憶念の相剣』、『烙印の剣』)。
なので蛇腹剣であるこちらの方が本性なんじゃないだろうか、というのが率直な感想です。
加えて、「七星龍淵」の攻撃力が2900なのに対して、軍師の龍淵が攻撃力1200であり、莫邪が攻撃力1700です。
これは分かたれた相剣を現しており、その本心の比重(莫邪の相剣の方がその比が大きい)も示しているのではないでしょうか。
ただし、莫邪の効果は「1枚ドロー」であり、こちらも「七星龍淵」の「幻竜族のシンクロモンスターが自分フィールドに特殊召喚されたら1枚ドロー」に引き継がれてはいるのですが……。
こちらを彼の本心とした場合、彼はどこまでも隣に立ってくれる同胞を求めていた……ということになる、かもしれません。
余談ですが彼女の名の元ネタにあたる「バクヤ」に関しては「莫耶」と表記することもあります。
その中で「邪(よこしま)」の字が使われているのは、のちに彼女の剣を奪った龍淵が「相剣大邪」と名乗るから、と思われます。
しかしながら「莫邪」は特異な出自の「相剣師」であるものの、『龍相剣現』で赤霄や泰阿とも描かれており、ヴァリュアブルブックEX3でも「守るものを失った二人」とあるように、ほかの相剣師たちを仲間、もしくは家族同然と感じていたと思われます。
つまり龍淵にとっては、謀叛・復讐のための駒の一人であった筈の彼女ですが、普通の「相剣師」たちと変わらず過ごす日々であったようです。
『相剣大邪ー七星龍淵』として
さて、話は本編の時間軸に戻ります。
「ドラグマ」が「デスピア」へと成り果て、「氷水」の庇護を看破できるようになり、「デスピアの大導劇神」の指示で「デスピアの凶劇」が「龍淵」の前に姿を現します(『相剣暗転』)。
『相剣暗転』のイラストにおいて、龍淵は相剣を構えようとしているので、おそらく最初は迎撃しようとしているのかと思われます。
ここで「凶劇」によってデスピアの圧倒的な力を示されたか、あるいは彼に交渉されたかで、龍淵の中で「謀叛の時来たれり」となったのでしょう。
ちなみに『相剣暗転』は英語名では『Swordsoul Blackout』であり、英語の「ブラックアウト」には舞台の場面転換である「暗転」の意味もあります。
デスピア関連のカードは舞台・劇の用語が使用されているので、「相剣」カードでありながら、「デスピア」にも関係しているような良い名称だなとつくづく感じます。
しかしながら、ドイツ語では『Ohnmacht der Schwertseele』となっており、こちらは「無力化、気絶」などの意味(※blackoutにもこっちの意味はある)しかないため、EU圏の龍淵はただただ凶劇に負けたみたいになっているのは内緒です(笑)
閑話休題。
続く『氷水浸蝕』のイラストでは、莫邪から強奪した自身のもう一つの相剣である青い蛇腹剣と金の相剣の二振りを構え、その本性を表そうとしています。
そうして姿を変えた、否、本性を現した姿が『相剣大邪ー七星龍淵』です。
七星龍淵はそのまま氷水の精霊たちを鏖殺し、駆け付けた承影・コスモクロア・キングフィッシャーと戦闘を開始します(『憶念の相剣』)。
が、そこにエクレシアとアルバス(アルビオン)が相剣・氷水に助力するために参戦します。
更に、アルバスの力を狙うアルベルが乱入し、承影・コスモクロアの両名はアルベルがアルバスから奪った竜化の力で変貌した「神炎竜ルベリオン」によって致命傷を負いました。
その後は、絶命する間際の承影・コスモクロア両名からそれぞれ相剣・氷水の力を受け継いだアルバスが「ミラジェイド」へと覚醒し、七星龍淵を退け……これにて彼の謀叛は終幕を迎えたかに思われます。
「龍淵」は何故裏切ったのか?
さて、龍淵の概要を話したところで皆さまこう思われたのではないでしょうか。
「で、このおじさんはなんで裏切ったん?」と。
龍淵の謀叛の理由に関しては、ヴァリュアブルブックEX2~3、白の物語ブックレットでも明確に示されたわけではありません。
ここでは、その3冊を読んだうえで考えられる謀反の理由をお話ししたいと思います。
「七星宵練の乱」ーー覇を掲げる主君、「宵練」の存在
「宵練って誰だよ」って方向けにまずは説明いたしますね。
本編の時間軸より以前に、大霊峰は年長者の「含光(ガンコウ)」、覇道の野心を秘める「宵練(ショウレン)」、そして若き日の「承影」の三公が竜人の部族を纏めていました。
またこの頃は氷水は中立的な立場で、同じ霊峰に暮らしてはいるものの、本編のように濃密な関係ではなかったようです。
そしてそんな最中、宵練が年長者で最も権威を誇っていた含光を謀殺し、「七星宵練の乱」が勃発します。
要するに、覇道を以って大霊峰並びに大陸全土を掌中に収めようと宵練がまずは目の上の瘤である含光を斃したわけです。
そうなれば次に狙われるのはもう一人の竜公である承影なのは自明の理。
承影は仲間を喪いながらも、戦乱に心を痛める若きコスモクロアに助力を求めます。
ここでコスモクロアは、イニオンクレイドルの母神の静止と中立を破り、承影に氷水エネルギーを与えます。
その結果「相剣」が生まれ、最後には宵練を打ち倒すことが出来たのでした。
そして、乱に敗れた宵練は、同胞たちとともに「大砂海」へと流刑となります。
厳密には、コスモクロアの手によって大霊峰は異なる位相へ隔離されたため、元々の大霊峰の跡地に捨て置いた、というのが正しいかもしれません。
そしてその地で覇道の邪心に呑まれた宵練は次第に発狂し、共食いを繰り返すことで「覇蛇大公ゴルゴンダ」へと成り果てた……ということが判明しています。
つまり「宵練」=「ゴルゴンダ」かつ、龍淵の同胞である、までは公式設定で間違いありません。
ヴァリュアブルブックEX3では、あくまでゴルゴンダは龍淵のかつての同胞という語り口であったため、ゴルゴンダと龍淵は対等な立場(あるいは龍淵が上)だと思われていました。
しかし「宵練」が覇道を掲げる一派を率いていることから、龍淵の上司、あるいは師匠、もしくは覇道を掲げているわけですから龍淵の中での”絶対的な主君”的なポジションだと思われます。
覇道の極致、邪炎の「深淵の相剣龍」
さて、話が二転三転して申し訳ないのですが、宵練(ゴルゴンダ)について話したところで、「深淵の相剣龍」についてもここでお話ししたいと思います。
「深淵の相剣龍」は、金の装飾の増えた「ゴルゴンダ」の頭部に「七星龍淵」の上半身が刺さったようなデザインで、ラーの翼神竜とマリク、あるいはSinトゥルースドラゴンとパラドックス、オレイカルコスの邪神とダーツ……のような、遊戯王ではよくある合体をしているモンスターです。
概要でお話しした通り、七星龍淵はミラジェイドに敗れ(『烙印の剣』)、倒されます。
その後ミラジェイドはルベリオンと融合し(『烙印融合』)、その際のエネルギーでイニオンクレイドルの最奥から大霊峰の外へと突き上がります(『烙印喪失』)。
『分かつ烙印』にてアルバスがアルバ・レナトゥスから抜け出したのちには、もうそこにはエクレシア含め誰もおらず……という流れがあります。
『烙印喪失』で映っている純鈞、凶劇の両名が物語完結後も存命している様子なので(少なくとも凶劇は『烙印の即凶劇』と描き下ろしイラストにて生きていることが判明している)、凶劇がミラジェイドにボコボコにされた龍淵を回収して連れ出したんだと思います。
決戦の地・大砂海ゴルゴンダにて最終決戦の火蓋が落とされる直前、ゴルゴンダが再び現れ、「龍淵」に統合され、覇道の極致たる邪炎の龍、「深淵の相剣龍」となったことがヴァリュアブルブックEX3にて明かされています。
この文章を読む限りは、「深淵の相剣龍」の主導権というか、メインになっている部分は「龍淵」だと思っていたのですが、宵練が龍淵の主君とするならば、「深淵の相剣龍」の意識は「ゴルゴンダ」のものだと考える方が自然かもしれません。
ただし、ゴルゴンダは正気を失った貪婪の怪物ですので、「ゴルゴンダ」に意識を明け渡したのなら、「深淵の相剣龍」の中にもう龍淵はいないのではないかなと思います。
それもあって「深淵の相剣龍」の効果には、1枚ドローや1200バーンといった龍淵の相剣を象徴する効果がなくなっているのだと思います。
(意識があったとしても、七星龍淵の「相剣」は尻尾なので、ゴルゴンダの体と結合した以上彼の「相剣」が無くなっているのも同義ではありますが)
個人的には、「深淵の相剣龍」には個々としての意識は龍淵、宵練、喰われた同胞たち含め全員なく、ただ「覇の道を成す」ーーそれだけの怪物なんじゃないかなと。覇道派の同胞たちがゴルゴンダの中で混ざり合って龍淵も融けちゃったんじゃない?!ってなった結果「きたないカルテシア」っていうパワーワードが爆誕したのは別の話
考えられる龍淵の過去
ここでは龍淵が経験したであろう出来事について考察します。
この段落は完全に考察でしかありませんのでご注意ください。
最初に龍淵が「宵練による同胞たちの共喰いを目撃したか」について考えます。
そのためには、まずは龍淵がいつから現在の大霊峰にいるかを考えましょう。
①:「七星宵練の乱」の最中から承影の元にいる
この場合、「宵練から間諜(スパイ)を命じられて承影の元に潜り込んでいたが、宵練の元に戻る前に一派が敗退してしまった」と考えられます。
自分も宵練一派であることを言い出すことが出来ず、あるいは追放された同胞たちの無念を晴らすため、未だに覇道派の間諜をしているのかもしれません。
この説では、龍淵は宵練がゴルゴンダに成り果て、同胞たちが彼に喰われたことは目撃しておらず、まだ外で生きていると信じているのかも。
心に傷を負わないで済む分真実も知らないわけで、この説はなんだか可哀想な気もします。まあやったことがやったことなんでカスですけど
②:「七星宵練の乱」の直後に承影の元に来た
この場合は、「捕虜になって心を入れ替えたふりをし、承影の元に下った」あるいは承影と龍淵の年齢が近いと仮定すれば、当時は龍淵も若いはずなので、「まだ心を入れ替えて相剣師として大成できると思った承影が助命した」あたりでしょうか。
この場合も宵練による同胞たちの最期は知らずに済むかと思われます。
ただ、承影さんの目が節穴あるいはちょっと頭がお花畑すぎるかもしれません。まあそもそも龍淵の野望に気づいてなかったから仕方ない
③:同胞たちと大砂海に追放されるも、独り生き延び大霊峰に辿り着いた
この説は正直無理があるところが多々あるのですが一番好きです。
七星宵練の乱鎮圧後、宵練に連なる者たちは全員大砂海へ流刑となりました。
その中にはもちろん、宵練の同胞である龍淵も含まれており、大砂海にて発狂した宵練による同胞たちの共喰いを目撃することにもなるでしょう。
②の説でも語りましたが、承影と龍淵の年齢が近い場合、この時の龍淵はまだ若い筈なので、ほかの同胞たちが庇いながら彼だけでもと逃がしたのかもしれません。
もしくは龍淵が当時から有能な軍師であり、自分さえ生きていれば覇道派は立て直せると信じて同胞たちを見捨ててすぐさま脱出したなども考えられます。
いずれにしても、長き放浪の果てに異なる位相に秘められた現在の大霊峰に辿り着き、純鈞による”正邪の見極め”も突破したことになるので、この説は少し無理があるかなと思います。純鈞くんがぽんこつならあるいは
いずれにしても、説①・②でも承影に膝を屈し、下命を拝さねばならぬことは龍淵にとって(逆恨みに近いものであっても)屈辱の日々であったと思われます。
説③においては、いくら覇道を掲げ、戦乱を引き起こした一派にいたとしても、主と崇めた存在が若輩者と侮った男に敗れ、挙句発狂し、同胞たちを共喰いした様を目撃した、あるいは自分を生かすために同胞たちが犠牲になったと知れば、「そもそも承影が追放なんてことをしなければ」と恨みを募らせてもおかしくはないと考えられます。
龍淵は何故二人を恨まねばならなかったか
次に、「なぜ龍淵は承影・コスモクロアの二人を恨んだか」について考えます。
先の段落で「逆恨みに近いもの」と述べましたが、神の視点で見れば龍淵が承影・コスモクロアの両名を恨んで復讐を考えるのはさすがに逆恨みだと切り捨ててよいものだと私も考えています。
しかしながら、それではあまりにも彼が哀れなので、「龍淵が承影たちを恨まざるを得なかった」と仮定して深堀していきたいと思います。
龍淵は裏切るまでは「相剣軍師」という肩書で承影に仕えていました。
さすがに承影も能力が無ければ龍淵を軍師という立場で召し抱えないと思いますので、軍師としての能力は高かったと考えられます。
先の段落のどの説でも構いませんが、そもそも能力が無ければ承影の軍師という立場にはなれないでしょうし、龍淵自身が重用されていない場合、彼の弟子である莫邪が「相剣大師」という立場のある赤霄と行動していないと思います。
説③で放浪の旅をしている時に軍師としての能力を磨いたのなら違うかもしれませんが、ここでは宵練の元でも軍師として働いていたと仮定します。
軍師のお仕事は、戦の状況を判断し主君に助言を行うことです。
つまり、龍淵は軍師の立場で「氷水は中立を守り、承影に助力なんぞしない」と宵練に進言してしまった可能性があります。
しかし、その読みは外れ、コスモクロアは中立を破り承影に加担しました。
結果として、龍淵の読みが外れたせいで、自分の一派、そして宵練が敗れてしまったのかもしれません。
龍淵は「コスモクロアが中立を破らなければ」「承影が馬鹿正直に助力を受け入れなければ」と、彼らを恨むことで自分の心を守っていたのでしょう。
「自分の読みが間違っていたから」と認めてしまえば、同胞たちと宵練の死は自分のせいになってしまう。
だから、龍淵は承影とコスモクロアを「七星」の名の元に斃さねばならなかった。
自分の中で「コスモクロアのせいで」「承影のせいで」と言い聞かせていたためか、いつの間にか「彼女が生み出す氷水の精たち」と「承影と轡を並べる相剣師たち」へ憎悪が拡大していったのかもしれません。
その結果として、本編の悲劇を引き起こしたのでしょうか。
「本当の龍淵」は、覇道派の恥さらし?
莫邪が生き延びたのは何故か
龍淵関係で疑問なのが、ずばり「なぜ龍淵は莫邪から相剣を強奪する際に彼女を殺さなかったか?」です。
前述の通り、莫邪の持つ相剣は元は龍淵の相剣の一振りであり、彼女はそれを知らずに自分の相剣だと思い使用していました。
『相剣暗転』~『氷水浸蝕』の間で、龍淵は彼女から自身の相剣を強奪し、イニオンクレイドルの最奥でその本性を現したことがヴァリュアブルブックEX2で語られています。
しかし、莫邪はその時点で落命しておらず、憎悪に満ちたエジルに呼応するように「氷水艇ーエーギロカシス」へと覚醒し、決戦の地・大砂海ゴルゴンダにてエジルとともに龍淵を追い詰めます。
つまり、龍淵は莫邪を手に掛けることが出来なかったと思われます。
(一応、龍淵は止めを刺しており、エーギロカシスは莫邪の遺体から出来ているとも考えましたが、ヴァリュアブルブックの文章を読む限り、莫邪の自我はありそうなので……)
そもそも、最初に述べている通り、莫邪はほかの相剣師たちと変わらず過ごしており、龍淵のことは師と認識しているものの、龍淵の謀叛後は彼のことを想う(なぜ裏切ったのか?だけでなくそもそもデスピアに唆された、闇堕ちさせられたことを考慮している様子がない)様子はなく、彼によって「仲間が殺された」と憎悪のみを示しています。
このことからも、莫邪は「龍淵は師匠ではあるものの、氷水たちは守るべき存在で、承影たちのことも親しい仲間」と考えていることがわかります。
龍淵から見た氷水・相剣は憎むべき相手にもかかわらず、です。
もちろん、莫邪に事情や過去、あるいは野望を話せば、彼女を同胞に出来たとしても、そこから承影にバレてしまうことを危惧した可能性はあります。
龍淵は長年野望を秘め、相剣を分割してカモフラージュするなど狡猾に準備を進めているものの、謀叛のタイミングに関しては「外部から侵略されて混乱しているとき」とかなり外的要因に依存しています。
なので、内部に同胞を作る気はなかったにせよ、莫邪を手にかけることが出来なかったのは、弟子としての情が湧いたから……かもしれません。
終わらせたい復讐の連鎖、あるいは拡大自殺
少し言葉が強くて申し訳ないのですが、私は龍淵の謀叛は「拡大自殺」のようなもの、だと考えています。
というのも、やはり莫邪が生き延びているのが謎だからです。
龍淵は莫邪から相剣を強奪しているわけですから、少なくともその時彼女は丸腰のはずです。
いきなり師匠が自分を害するような行為に出て、混乱もしていたことでしょう。
凶劇が龍淵に協力していたなら彼も近くにいたはずで、マクシムスに”アサシン”と呼ばれている凶劇に斃されていてもおかしくないかと思います。
それなのに莫邪がエジルとともに龍淵の謀叛を生き延びたのは、やはり龍淵自身がわざと彼女たちを見逃したからではないでしょうか。
(※凶劇には「丸腰では抵抗できまい、放っておいても良いだろう」などと説き伏せたとする)
龍淵が宵練による同胞たちの共喰いを目撃したか否かは置いておくとして、大霊峰(イニオンクレイドル)には氷水儀という外界を監視できるものがあります(『氷水のトレモラ』に描かれている球体)。
承影・コスモクロアはこの氷水儀を通して、ドラグマの不審な動きを確認しており、フルルドリスを連れたテオ、アディンを莫邪たちに迎えさせています。
龍淵は承影の軍師なので、彼から外の世界について相談を受けることもあったでしょう。
大砂海では大蛇が暴れており、トレジャーハンターがいる、という話が龍淵の耳に入ってくるのもあり得ない話ではありません。
少なくともフルルドリス、テオ、アディンからドラグマから大霊峰に至るまでの話は聞いているでしょうし、大砂海に同胞たちがいないことをどこかで知るタイミングはあると考えるのが自然かと存じます。
そうなれば、龍淵が謀叛を起こしたところで、ともに覇道を掲げる主も、同胞ももう何処にもいない。
でも、承影とコスモクロアは彼らのために斃したい。
だが彼らを葬ったのちは?
そう考えた時に、莫邪とエジルの顔が浮かんだのではないでしょうか。
彼女たちに討ち取られることで、この復讐の連鎖を止めてほしい。
ひとを恨み続けた己が人生を終わらせる存在として、莫邪とエジルを選んだ。
彼女たちにとってはいい迷惑でしかありませんが、龍淵にとっては「自分で自分の命を絶つのは同胞たちに合わす顔がない」「でも、復讐を遂げ、すべてを滅ぼしたのちに次世代の氷水帝と己が弟子に敗れたなら、同胞たちにも赦してもらえるかもしれない」という一縷の望みだったのかもしれませんね。
まとめ
「龍淵」という魅力的なモンスター
さて、ここまで「龍淵」という魅力に溢れたモンスターについて語ってきましたがいかがだったでしょうか。
彼は「裏切りカス軍師」という表面的なキャラクター像も魅力の一つですが、逆恨みでもなんでもしなければ心の均衡が保てなかった哀れな復讐者ともとれる過去、最後はアイデンティティを喪い主とともに復讐し返され、氷の中に封じられるという結末も魅力に溢れています。
「白の物語ブックレット」にて、彼の過去が少しとはいえ明かされたことで、龍淵に脳を焼かれた一人としては、「ナマズひげの1200バーンおじさんなだけじゃないんだよ!」と伝えられたら……な!と!(笑)
いやあほんと、龍淵は私が遊戯王OCGの背景ストーリーもとい、OCGオリジナルテーマにハマるきっかけになったモンスターなので、たくさん語ることが出来て楽しかったです。
龍淵のおかげで、プリズマティックシークレットレアや25thシークレットレアなどのハイレアリティのカード、海外品を含む限定のサプライ品を集める楽しさを知りましたし、遊戯王の日に出かけて、対面でデュエルすることも増えました。
龍淵を描いているうちに凶劇も描くことが増え、そこから彼の魅力に虜になり、今となっては、龍淵、凶劇(死徒)のオタクに成り果てております(笑)
龍淵にハマってまだ1年のひよっこ覇道派ですが、こうして10000字近いnoteをしたためることが出来てよかったなと思います。
次は「教導の死徒」と「デスピアの凶劇」について書きたいなと思っているんですけど、龍淵と比べてバックボーン不明すぎワロタ
もとい顔も知らんのにどないせえっちゅうねんとなっておりますが、またこうして考察する記事が公開出来たらなと考えています。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
もっと龍淵の魅力を伝えられるようにがんばりゅうえん( ⩌ハ⩌)
