東海道RTA(T=徒歩): 旧東海道を半年かけて踏破した話 2章 駿遠編
はじめに
本稿は続き物の第2章。前編と「本文」まとめは以下の通り。
東海道RTA完走しました
— Nadir_RL (@0905Imai) October 2, 2022
以下、まとめ
1章 箱根越え編https://t.co/t1pyzL0hoK
2章 駿遠編https://t.co/vYZAyM3cUm
3章 三尾編https://t.co/Eq62qRIcEk
4章 上洛編https://t.co/xrCGw5YgEB https://t.co/YBI828DYWk
幕間:今後の行程を考える
箱根を越えたところで終わる案もあったのだけど、思ったより達成感があって楽しいのと、渋滞や混雑を全く気にせずに従来では考えられないような視点で色んなところを見られるのが良かったので、続けることにした。
改めて東海道の道筋と宿場町最寄り駅を調べてみると、事実上最寄り駅がない宿場がちょくちょくあることに気づいた。例えば、静岡~藤枝間は、旧東海道は丸子宿・岡部宿と宇津ノ谷峠を通るのに対し、東海道本線は沿岸部大崩海岸を通る。このため、丸子宿を起終点とする行程はかなり無理がある。これまでの東海道神奈川区間では、箱根を除けば各宿場に対応する鉄道駅が必ずあったので、無計画に進めても問題なかったが、今後は一日に歩ける距離と、上記のような鉄道復活NG区間を勘案して、割ときっちり予定を組まないといけないと理解した。かくして、今後の行程計画を下図のようにした。1日25 km程度(6時間前後)を上限として、鉄道復活禁止区間を起終点にしないとなると、ほぼこの一択かなと思う。

行程08: 三島-沼津-原-吉原(2022/6/12)
区間データ: 距離 6里6丁(24.20 km), タァイム 7:37:04~12:58:42 (5:21:38)
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/p4vFuazflX
— Nadir_RL (@0905Imai) June 11, 2022
この区間、直射日光を受けない程度の適度な曇だったのと、平坦な沿岸部がひたらすら続くという良好な地形条件もあって、あとから見返すと全区間でもっとも表定速度が出た区間だった模様。約4.5 km/hr。最低は言うまでもなく箱根越え区間で、時速3 kmを切っている。
東海道新幹線でいうところの三島ー新富士間に相当するところなので、富士山が一番見やすいはずだったのだけど、親の敵のように山側が雲に覆われて普通の富士山はもちろん、吉原宿の左富士もろくに捉えることができなかった。執筆して振り返って気づいたけど、薩埵峠を除いて、積極的に振り返ったりして富士山を見ようとはしなかったので、本編では一度もまともに富士山を見なかったみたいだ。

行程09: 吉原-蒲原-由比(2022/6/18)
区間データ: 距離 3里30丁(15.05 km), タァイム 8:08:01~12:11:50 (4:03:49)
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/9wgbknJlvt
— Nadir_RL (@0905Imai) June 17, 2022
この後何度も同じ感想を繰り返すことになるのだけど、こんなところを徒歩で行くことになるとは想像もつかなかった・・・富士川。

あとはこれ。道中でもツイートしてるけど。現物を見られたことにちょっと感動。

この区間、最初で最後の雨による撤退を強いられた区間でもある。上で挙げた行程表では、由比で止めるのは予定通りのように見えるけど、あくまで後日綺麗にまとめたものであって、本当はこの日中に興津まで行くつもりだった。午後から崩れることは認識していて、小雨くらいで行けるかと思っていたけど、思ったより雨脚が強く、SCWを信じるなら、峠越え中にスポット豪雨を食らう可能性が高そうだったので撤退した次第。
行程10: 由比-江尻-府中(2022/6/19)
区間データ: 距離 6里8丁(24.42 km), タァイム 8:08:15~13:39:35 (5:31:20)
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/noSxLy25IG
— Nadir_RL (@0905Imai) June 18, 2022
土日連続出動。梅雨の時期だったから行けるときに行かないとというのもあるし、京都紅葉入り前のゴールをマストとした場合、台風、酷暑も考慮すると、相当余裕がないことに気づいたのでなおさら。あと、6/17に久々の飲み会があったけど、まさにこれを理由に2次回以降を抜けたので、抜けたなりの「成果」も出さないとという背景もあった。
この区間のハイライトもちろん、薩埵峠だろう。駐車場・トイレスペースからみてあの展望台の先が薩埵峠だと思っていたが、峠は実はその手前ということを初めて知った。ボトルネックに旧道・現道・鉄道・そしてその上をトンネルぶち抜きで通す様は土木技術の進歩がセクシー、エロい!はっきり分かんだね。

薩埵峠に加え、興津坐漁荘、清見寺などなどかつて車で訪れたところに徒歩で到達することの感慨や、訪れた当時は全く考えもしなかったところが旧東海道沿いだったことに改めて気付かされる経験はなかなか得難いものだったと思う。
行程11: 府中-丸子-岡部-藤枝(2022/6/25)
区間データ: 距離 5里4丁(20.06 km), タァイム 6:43:11~12:52:34 (6:09:23)
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/cu582NMAks
— Nadir_RL (@0905Imai) June 24, 2022
スタート時間が一気に6時台まで早まったことに気づくだろうか。府中(静岡)に到達したことで、新横浜6時始発のひかり533号(のぞみから西明石まで逃げ切る最速ひかり)が使えるようになった。本格的に暑くなる前にできるだけ距離を稼ぎたい身としてはこれは大変ありがたい。まあ、くっそ早起きが必要ではあるけれど。
鉄道復活禁止区間を認識していなかったときは、丸子宿丁子屋でとろろの昼ごはんを食べてゴールなどと考えていたけど、残念ながらそうはいかず、開店前に通り過ぎることになった。ちなみに、こちらには前年に訪れてしっかりとろろ料理をいただいている。とろろ汁の味付けに、おそらく白味噌を使っているのか、出汁の酸味のツンと刺す感じが全くないとても優しい味付けだったのを記憶している。

この区間は久々の峠越え(宇津ノ谷峠)。箱根と違ってメジャーな観光地ではないので、旧道感がガチで、満足感・攻略感は箱根を越えていたように思う。


宇津ノ谷峠を越えると岡部宿。東海道本線からはずれたこともあってか、よく宿場町の様子が残っている。この日は梅雨はどこに行ったのかとばかりに快晴でくっそ暑かったので、旅籠跡の休憩施設で飲んだ冷やした甘酒がめちゃくちゃよう沁みた。あと、そこの店員のおばちゃんから頑張ってと塩飴 をいただいたご恩は忘れない。この場を借りて篤く御礼申し上げる。

そこから約2時間歩いて、藤枝宿に到達してからがまた長かった。宿場町自体がかなり長いのに加え、藤枝駅が宿場の京方を出た先にある。冒頭で5里4丁と書いたけど、実質+1里くらい歩いたと思う。休憩を丁寧に取ったのもあるけど6里超えの由比ー府中間より時間かかってる。梅雨が明けてからが思いやられる区間だった。

行程12: 藤枝-島田-金谷(2022/6/26)
区間データ: 距離 3里8丁(12.64 km), タァイム 7:11:20~11:47:49 (4:36:29)
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/B88InQ0oqg
— Nadir_RL (@0905Imai) June 25, 2022
スタート時刻をあと3分2秒遅らせたほうがよかったか。2週続けての土日連続出動。次の鉄道復活禁止区間との兼ね合いで、3里だけでいいから、多少暑くても行くしかない。

この区間は越すに越されぬ大井川の前後の宿場ということになる。なので、川越えに関する施設跡や資料館が充実していた。越すに越されぬ大井川も昔の話、橋を渡ってさっさとゴールしようと思っていたら、いわゆるゲリラ豪雨を引き当ててしまった。まさかリアル川止めを食らうとは。

まあ、典型的な通り雨で、雨自体はすぐに上がり、また青空が出てきた。ただ、高精度な雨雲レーダーをいつでも見られるからのんびり待っていられたけど、そうでなかったらかなり絶望したと思う。便利な時代。

川止めには参ったけれど、怪我の功名で、川を渡った金谷宿の菜めし田楽のお店の開店時刻ほぼ丁度に現地入りすることができた。逆に、ストレートに通過できた場合、1時間近く暑い中で待っただろうかというと甚だ疑問。基本的に最速スタートをする都合で、名物系のお店の開店時刻より前に通過することがほとんどなので、この旅を始めてから、初めてご当地名物を食べたことになる。まあこれが最初で最後だったわけだけどね。。。

行程13: 金谷-日坂-掛川-袋井(2022/7/2)
区間データ: 距離 5里23丁(22.13 km), タァイム 7:23:18~13:46:05 (6:22:47)
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/15VHzK9tpq
— Nadir_RL (@0905Imai) July 1, 2022
後にもうしばらく実は梅雨だったと訂正されるも、梅雨明け最初のRTA。過熱する真夏日は遂に危険な領域へと突入する。。。再びの鉄道復活禁止区間で、大体はセットになってくる峠越え、箱根と並ぶ難所とされる小夜の中山。ただ、たしかにきつい上り区間はあったのだけど、ある程度の近代化を受けているせいもあって、拍子抜けも著しいものだった。

峠を踏破して、日坂宿を通り過ぎると、事任八幡宮。ここも旧東海道の存在を認識せずに、別件で前年に来訪済み。加茂荘花鳥園に菖蒲を撮りに行った帰りに、近くの道の駅掛川の食事ついでだった。買ったばかりのSigma 105 mm F2.8 Macro Artを使いたくて仕方がなかった日だったな。例によって、ここも東海道か!を感じましたとも。まあ、その後一年もしないところで、さらに別件で三度訪れることになったのは、別の話。

程なくして掛川宿。掛川城自体は観光済みだからスルー。首都圏と違って、イートインが普通に使えるコンビニでしっかり休憩して残り2里、道中、なんでもない景色に不思議と夏を感じた一枚を撮りつつ、No.27 袋井へ。そう、もう半分歩いてしまったんだよな。ようやっとる。

夏が本格化して以来、水分の携行量を増やし、汗拭き、着替え、雨具などをしっかり準備すると、12 L級のリュックではきつくなってきて、この日遂に少し容量を上げることを決断。箱根越えで使ったリュックのワンランク小さいやつを導入した。腰と胸元の2箇所にベルトがあるからはっきり背負い心地が良くなった。

行程14: 袋井-見附-浜松(2022/7/9)
区間データ: 距離 5里25丁(22.35 km), タァイム 7:47:20~13:24:57 (5:37:37)
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/vG4Y170Kfw
— Nadir_RL (@0905Imai) July 8, 2022
この区間も鉄道復活禁止とはちょっと違う種類のボトルネックだった。見附-浜松間が4里7丁とかなり長いため、他の区間との組み合わせてちょうどいい距離を作りにくい一方で、毎回の「入場料」がじわじわ上がってくるからなるべく距離を歩きたいとの要求とぶつかってしまい、結局次の区間を割りとゆるいものにせざるをえなくなってしまった。
天竜川を越えて浜松に入るわけだけど、その東岸エリアの旧東海道筋の異様なくねり方にものすごいフラストレーションを感じた。くっそ暑い中、目の前の橋を渡るのにものすごい迂回をさせられる、わかる?この罪の重さ。まあ、多分当時は川の形が氾濫等で度々変わった影響だと思うけどやたらと疲れたのを覚えている。

どうでもいいが、天竜川を渡り切る直前に丁度250キロポストがあるのは、よく出来てるなと思った。

天竜川の東岸の時点で、浜松駅隣接のアクトタワーというわかりやすい浜松のシンボルが見えていたから、それにひたすら詰め寄る形で浜松入り。川を渡ってすぐのところに、店内で猫を飼っているっぽい地元一店ものの浜松餃子店があったけど、思い返せば入っておけばよかった。駅近くの店で適当に食べようと思ったら飯時の長蛇の列で撤退してしまったし。実は浜松はこれまで通過しかしたことがなかったのだけど、まさか初来訪がこんな形とは思わなかった。
行程15: 浜松-舞阪-新居(2022/7/17)
区間データ: 距離 3里30丁(15.04 km), タァイム 7:48:45~12:03:55 (4:15:10)
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/dyw3lwAC7L
— Nadir_RL (@0905Imai) July 16, 2022
久しぶりに新幹線停車駅が更新されるので、スタートが早まるかと思ったらそうでもない。最速パターンはひかり533号で静岡、そこで三島発のこだまに乗り換えるのだけど、40分待ち。それが嫌なら接続のいい東海道本線だけど、約15分ロス。アホらしいといえばアホらしいのだけど、この季節、その15分も暑さに結構効いてくるから、まあこだまを取ると。
海の日連休の中日にあたる日だった。この日に鶴巻温泉陣屋が取れてしまったので、疲れを癒やすためにこの日に当てたのか、前日の気温が過酷で外したのかはもはや記憶が定かではない。
この区間のハイライトはもう言うまでもなく浜名湖。松並木を抜け…

その先のわりと小さな宿場町を通り過ぎたら、目の前で一気に湖が飛び込んでくる。

いつも新幹線で通り過ぎるだけの区間の中では割りと印象に残るところだけあって、これまでで一番、もうこんなところまで歩いてきてしまったのか感が強かった。

渡った先は新居関所のある新居宿。前回の首都圏在住時、岡山転勤直前、多分開通した新東名を走るついでにに来た気がする。何れにせよ、観光はスルーして、一路陣屋に向かったのだった。

行程16: 新居-白須賀(-二川-吉田)(2022/7/23)
区間データ: 距離 5里24丁(22.24 km), タァイム 8:13:24~13:39:46 (5:26:22)
※2章駿遠編としては白須賀宿まで
イクゾー デッデッデデデデ pic.twitter.com/5R653llSLo
— Nadir_RL (@0905Imai) July 22, 2022
白須賀宿が鉄道復活禁止区間なのが絶妙にいやらしい。そうでなければ行程15に加えて丁度5里くらいにできて、しかも静岡区間終了にもできたのだけどね。
最高気温予想は安全ルール限界の31℃。スタート時刻を限界まで早めても8時過ぎなのがかなりきついのだけど、実のところこの日は終始風に吹かれていたので、体感気温としてはむしろ快適な部類とさえ言えた。道筋はほぼ一貫して沿岸部、つまり海風。小学校の理科で対流と合わせての学習だったと思うけど、こんなところで身にしみて実感するとは思いもよらなかった。
海岸線からすっと伸びる急坂を登り、

登ったところで振り返るとウェミダーな、まさに汐見坂を登って程なくすると、白須賀宿。

宿場町らしい建物やらの遺構はあまりなく、ここにかつて〇〇があった系の看板群を通り過ぎて程なくして…
勝った!
— Nadir_RL (@0905Imai) July 23, 2022
第二章 完 pic.twitter.com/aBDMJ9NnYj
静岡区間、長い!全4章のうち2章で、行程の2/3だからね。ここまで書いたんだから、流石に書き上げる。次は3章 三尾編。少々待機願う。
2023/3/28追記: 書いたぜ。
