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325:編集後記_『アンチ社会ism━━資本主義の加速する街、東京。』

以前出した記事ではイベントのお品書き的な側面が強くなってしまったので、改めてこの記事で新刊制作を終えての感想的なものを書く。

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・言ってしまえば、noteで綴っている鬱備忘録のダイジェストであり、延長線である。
・もしこのアカウントを見てくださっている敬虔な方がいらっしゃれば、見覚えのある文言も多いだろう。

・2月から関西に生活拠点を移すため今は最後の東京生活を送っているわけだが、その「最後」ということについてあまり考えていなかった。
・ただ、友人との別れや創作の場での別れを繰り返していると、自分はたしかに東京にいたのだなということに気づいた。

・鬱々とした面持ちであっても、東京に6年間いたのだ。
・嫌だ嫌だと叫びながら、6年間東京にいるという選択をし続けたのだ。

・であれば、東京にいた証を形として残してから去りたい。そう思い、今作を制作するにいたった。

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・自分は新卒入社時に覚えた違和感を、ついぞ解決することは出来なかった。
・ロボットになれ!という上役に対しロボットになろう!と躍起になる同志を見て、自分と周りは違うということをまずは肌で感じた。
・であるので、社会に対してアンチという態度を取り、歪曲した視点から社会をのぞき込むことにした。

・高度経済成長に運良く作ることのできた誰かの船に乗る気は起きない。
・こんなご時世で新たな船をつくる気力も湧かない。
・それはいまの資本主義がもたらした災厄なのではないだろうか。

・そんな仮説をもとに、会社員に従事し続けた。
・気付けば6年経っていた。

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・法人営業という職業柄、違和感を覚えることも多いのかもしれない。
・例えば、よく「顧客の課題を見つけてそれをきちんとヒアリングして良い提案を持っていこう」的な論調がしばしば営業という現場では説かれる。
・しかし実際顧客と話してみると、課題なんてない。顧客の話す言葉を「課題っぽい言語」に変換し、それをネタにして会話することで「あぁ〜まぁたしかに…」という共感をさせて、その上で納得しそうな提案を持っていく。

・自分たちの業界から考え得る課題を設計して、押し付けている。押し付けが成功した時、その会話は受注(顧客視点では発注)というステータスに変わり、お金を貰う。
・ここで発生する金の動き、なんの意味があるのだろう?

・営利企業である以上そうせねばならぬし、資本主義においてその金の動きは正しい。
・ただ一歩引いて見てみると、そもそももっと穏やかな社会であれば、こういう悩みも発生しないはずだ。

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・それでは、フリーランスになれば良いのではないか?自由に働けるらしいし。
・ということも検討したが、やっていることは会社員と同じである。
・生活をする以上、どこかしらから金銭を得るという行為はしなければならない。

・意味があるのか無いのかわからないお金の動きを作らなければならない。

・会社員だろうと、フリーランスだろうと同じだと感じた。
・なんならフリーランスの方が大変だ。企業は思っているより従業員を守ってくれている。

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・なるほど。では、クリエイターというものを目指してみるのはいかがだろうか。
・自分と同じように社会人というフィールドにぶっ込まれた直後に違和感を覚えたものは、少なからずそういった道を目指しがちだ。
・ワナビーになる。

・とは言えなり方がわからないので、いろいろなことを試してみた。
・いろいろなことをやった上で、この道においてはSNSの数字というものが大事であるということを知った。

・自分が昔知っていたSNSの数字というのは、しばしば良いと思ったものや共感の数を表すものだと思っていたが、現代は異なるらしい。
・お金をかければSNSの数字を伸ばすことができるし、数字のあるSNSはお金になるらしい。
・気づけばここも、資本主義を表すひとつの側面となっていた。

・この社会の中では、どこでも、その意義に問わず、お金が動いている。
・そのようなことをこの6年間で、学んだ。

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・東京はこれを、感じやすい街だったと思う。

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・本書はとくに結論めいたものはない。解決法も、成功も載っていない。
・最初に抱いた違和感を、違和感のまま放置せず、ただその解像度を高めるために書き続けた記録が残っている。

・そういった違和感を見つめ続けることによって、最終的に自分は今後どうするか、どうなるか──そういったことを、諸々を踏まえた上での自分の選択を、最後に書いた。

・本書を通じて、そのようなことを考える同志が増えれば良いなと思う。
・でも増えなくても良いなと思う。そういう世の中だから。

・ただ、ここに、東京──社会に対してアンチし続けていた自分を残すために、記した。

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・諦念でもなく、社会に蔓延る人を否定するでもなく、でも肯定するでもない、そんな文章です。
・自分の一つの区切りとして本書は制作しましたが、同時に今まで制作してきた本の中で一番届けたい本でもあります。

・リアルイベントとしては、1/181/19の『Zine & Book Fes in 神保町』というZINE頒布イベントとして頒布します。東京では最後に出るイベントです。
・通販も用意しています。まだ未定ですが、関西でも頒布すると思います。

・読んでください。買ってください。よろしくお願いします。

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